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Retro-gaming and so on

PCエンジン - CD-ROM 追加データ

一体、PCエンジンのCD-ROMのゲームにはどんな種類があって、それがどこから何本発売されたのか、Wikipediaのデータを元にしてクロス集計してみたのが以下の表である・・・フツーのブログだったらtableタグ使えば一発なんだが、腐ってるgoo blogなんでLibreOfficeをスクショして貼り付けてみた・・・マジで使えねぇブログである。NTT、こんなショボいブログやってて大丈夫なんか?



昨日挙げたデータと2〜3本誤差があるけどご容赦あれ。再販だ何だ、ってのはデータから削除してたんで、誤差はあるのだ・・・・・・あとは数え間違いとかな(笑)。
まあ、こうやって表計算でクロス集計すりゃあ色々と早いのは分かってたんだけど、goo blogへの貼付けを全然信用してなかったんで・・・案の定、バラバラにpngで写して貼り付ける、って手間が必要になった。考えただけでメンド臭かったんだよ。結果やっちまったけどな。

さて、まずはメーカーから。やっぱハドソンが凄い。11年間で53本、ってこたぁ、平均で年間5本近いCD-ROMソフトを出してた、ってこった。ファミコンで言うと年間本数制限ギリギリ、ってな感じだ。
次点が日本テレネット。ただ、ここはクソゲーメーカーと考えて良いので忘れて良い。粗製濫造が年間3本と言う数値になってるだけだ。これだけ聞くとそんなに酷くも思えないが。
NEC系も結果凄い。アベニューが38本、ホームエレクトロニクスが30本である。NECインターチャネルが2本だ、情けない、って思うかもしれんが、実はこれ、アベニューなんかを改組して新しく作ったNECの子会社なんで、登場時期的に2本、と少なくなったのはしょうがないのだ。
まぁ、この辺、自社でソフトを作成してる、んじゃなくって実際は恐らく下請けに丸投げなんだろうけど(笑)、それでも凄い。全部が全部じゃないけど、PC-8801やPC-9801の「名作ソフト」と言えそうなヤツをリクルーティングして、移植権を購入、そしてPCエンジンに移植、と言う偉業のその殆どはこれらNEC系の功績である。要するにソフト企画の才能は無いんだけど、金にあかせて移植を徹底した(笑)。でもそれが別に悪いわけでもなくって、結果PCエンジンユーザーは「パソコンでのヒット作」をより良いクオリティで楽しめるようになったのだ。いずれにせよ、トータルではハドソンのリリース数を上回っている。
意外なトコで頑張ってたのはナグザット。総数30本、ってのはなかなかの健闘ぶりである。まぁ、批判が多い移植なのは事実なんだけど、それまでアスキーが独占して、ファミコン/スーファミに供給してたWizardryを初めて任天堂のマシン以外に持ってきた功績は大きい。まあ、元々NECのPC-8801/PC-9801でも動いてたゲームなんで「帰郷した」って言い方も出来るんだけど。あとは、実はアーケードの脱衣麻雀なんかの移植で頑張っている。



PCエンジン参入のサードパーティ、ってぇのは、「PC-8801/PC-9801で腕を鳴らしたソフトハウス」って印象が強かったんだが、実数見てみると意外とそうでもない、ってのがやっぱ結論になる。某クソゲーメーカーとか、あるいは音楽屋が食い込んでるのが現実だ(ちなみに、パック・イン・ビデオは事実上、日本ビクターの子会社のようなモンだった)。
その中ではリバーヒルソフトが頑張ってたな、ってカンジ。平均で、1年に一本に満たない製作数だけど、御の字だろう。ここは老舗のPC用ADVメーカーとして有名で、実際8本中3本はADVである。あとは3本はRPG、そして2本がどういうわけかアクションなんだが、そのうちの一本はパソコンで大ヒットした「プリンス・オブ・ペルシャ」のPCエンジン版移植を引き受けている。まあ、いずれにせよ、今は消えてしまったメーカーだ。



なお、見て分かる通り、PCエンジンCD-ROMに参加したメーカーはハドソンなんかも含めると50社である。そのうち、2本以下しかCD-ROMソフトを出してません、って会社が22社、実に44%にものぼる。大きく見ると2社に1社は「大してCD-ROMに興味が無かった」って事だ。
「どうせゴミ会社なんでしょ?」と思うかもしれないけど、そうでもない。例えば、サン電子(とサンソフト)とセタは、ファミコン/スーファミのサードパーティとしてはそこそこ中堅だったし、日本ファルコム、システムソフトなんかはパソコン用ゲームのメーカーとして実績がある。まぁ、日本ファルコムの製品はPCエンジン上だと、先にNEC系が移植しちまってた、って事もあるんだけど、どっちにせよ、これらの中堅メーカーでさえ「CD-ROMソフト」には制作費的に尻込みをせざるを得なかった、と言う事を表していないだろうか。

次にジャンルを見てみよう。驚く事に、PCエンジンのCD-ROMソフトで、一番多く出てるジャンルは、何とアクションゲームなのだ。その数57本でダントツである・・・アクションゲームでCD-ROM要り用なトコなんざそこまであるんか?
そこで一番出してるメーカーは・・・同率1位で、クソゲーメーカー日本テレネットとNECアベニューである。両者ともその数10本。まぁ、NECアベニューはCD-ROMの宣伝兼ねてるから分かるけど、日本テレネット・・・何かあったっけ・・・・・・。
あー、あれか。夢幻戦士ヴァリス。これ人気あったみてぇだからなぁ。最近、エロゲになった、ってんで怒ってた人が山ほどいるみてぇなんで、まぁ、夢中になってた人も多いんでしょう。ある意味元祖美少女ゲームなのか?


NECアベニューの仕事を見ると・・・ここでまたセガのダメさ加減が良く分かるのだ。何故にライバル会社に自社の人気アーケードゲームの移植を許すのか。任天堂で言うと、マリオをPCエンジンにライセンスするようなもんだぞ。


ちなみに、NECアベニューはPCエンジンの比較的末期に、PC(とは言っても富士通FM-TOWNS及びSharp X68000)用美少女対戦格闘ゲームの「あすか120%」を移植してる。PCエンジンの「ギャルゲマシン」化にキチンと貢献してるのだ(笑)。


で、昨日見た通り、RPG、ADVと続いて、シミュレーションゲームが次にCD-ROMで多いジャンルとなる。その数50本。
が、実はこのジャンル、会社にあんま偏りがなく、一番多く出してるのがNECホームエレクトロニクスの(たった)5本。そのうち2本は、PCシミュレーションゲームの大ヒット作、ガイナックスの「プリンセスメーカー」1と2を手がけている。


「世界初の育成シミュレーションゲーム」かどうかはさておき(実際、ダービースタリオンより僅差で先に出てるのは事実だが、当時は、このテのゲームは「シムシティ」が市場を開拓した、と捉えられていた)、少女育成の怪しさとか言うのではなく、「クッソおもしれぇ」PCでしか遊べない伝説のゲームだとウワサされていた。なんせ、Wizardryの作者のうちの一人、ロバート・ウッドヘッドが「これは面白い。これならアメリカでも売れる。」と太鼓判を押した程のゲームなのである。
それがPC-9801のお膝下、PCエンジンに移植である。ぶっちゃけ、この時程PCエンジンを「羨ましい」と思った事はない。殆どPCエンジン末期に突入していたが、幻のビッグネームの移植だし、SFCに移植されないところを見ると、それこそCD-ROMが必要なデータ量なのか・・・(まぁ、のちに2はSFCに移植されるので、そうじゃなかったんだけど)。
・・・とは言っても今やってみると、なかなか本編が始まらないオープニングの長さには辟易とするけどな(笑)。まぁ、どっちにせよ、NECアベニュー、良い仕事をしてる(移植担当はマイクロキャビンだが)。

次点はまたもやまずはハドソン。4本リリースしているが、Amigaの傑作シミュレーション、ポピュラスと、クソゲーシムアースをCD-ROMに移植している。この辺は説明は要らないだろう。




そして国産シミュレーションゲームの雄、光栄も4本参加している・・・まぁ、正直言うと個人的にはあんまり光栄のゲームは好きじゃあないんだけど・・・一般票的に、PCエンジンCD-ROMには重要なサードパーティになるだろう。事実、出した4つのゲームともビッグネームである。


だが、実はこの4作品、スーパーファミコンでもメガドライブでも出てて、別にPCエンジンCD-ROMじゃないと遊べない、と言う作品でもない。その辺が微妙なんだよなぁ。ぶっちゃけ、ナレーション付いてるだけだし。
この辺はさすが光栄だよな、と言うカンジ。

残るはパック・イン・ビデオなんだけど・・・・・・。ええと、ギャルゲーとして有名な(らしい?)メタルエンジェルとか言うシリーズが2本出てるみたい。ぶっちゃけ良く知らん。ギャルゲーは明るくないんだ。


さて、ところで。
イースとかで人気のあったARPGはどうなんだ?とか思ったんだが、意外や意外。実はこのジャンル、PCエンジンのCD-ROMだとあまり本数が出て無く、フツーのRPGの1/2以下の出版数である20である。結果、日本ファルコムからライセンスを受けたハドソンが突出して5本、となってるだけ、である(※)。
あと、シミュレーションに次ぐ次点、となるとやっぱこれも意外、シューティングゲームが総数42本。
NECアベニューが8本でダントツ。タイトーからライセンスを受けたダライアスが取り敢えずは目玉である・・・グラディウス以降、こいつも注目されたアーケードゲームだったんだけど、原作がモニタ3台連結、と言う筐体だったんで、コンピュータでの再現が出来るとか出来ないとか言うのと全然違う意味での「完全移植不可能な」ゲームである。まぁ、完全移植出来たとしても、誰もわざわざテレビ3台並べたい、たぁさすがに思わんだろ。


そしてあとは何故か・・・同じくタイトーからライセンスされた、CD-ROMでの「スペースインベーダー」である・・・なんか数稼ぐ為の帳尻合わせな気がするのは気のせい?出せばエエってもんじゃねーだろ、とか思ってる。


まあ、こうやって見てみると、やっぱり予想通り、RPGとADV以外は映像的演出がそんなに必要ないゲームばっかである・・・ギャルゲ風味を除き。むしろユーザー的には、映像的演出に力入れてるせいで、スキップ出来なくなってて、長いイントロやイベントにつきあわされる方がヤだな、とか思う率が高くなるのではないか。

まぁなぁ、実際は、CD-ROMをパーッと広めるには、直球勝負として、アダルトソフトを作った方が早かったのかもしんない・・・実際、VHSなんかのビデオデッキはそれで普及してるしな。
エロを絡めず何かの規格/機械を広めようとすると、これがなかなか大変なのだ。その大変さの軌跡の1つが、このPCエンジンのCD-ROMではあったのだ。

※: 当時、ファミ通なんかを読んでた「PCエンジン以外のハードを持ってる」人の印象だと、確かに、

「PCをルーツとした本格的なRPGをやりたいのならPCエンジン」

と言う印象があった。あくまで印象だが。
そしてNEC/ハドソンの狙い通りなのか「RPGならPCエンジン」と言うイメージ戦略はソフト数をもって実現出来ている。
これがセガだと「RPGが足りない!メガロープレプロジェクトを発足する!」と言いながら全然違うARPGを増やしまくるのだ。
正直PCエンジンもセガもそれなりに問題があって、結果任天堂の牙城を脅かすには至らなかったのだが、それでも後発ながらシェア数2位を獲得出来たPCエンジン陣営とセガの何が違ったのか、と言うと、やっぱりベンダーとして曲がりなりにも全力投球出来る姿勢がNEC/ハドソンにはあったけどセガには無かった(あくまでアーケードゲームが主)のが大きいと思う。
根性論に聞こえるかもしれないが、その「取り組み姿勢の差が市場占有率に表れてる」と言うのをセガは最後まで理解出来ず、「最新ハードウェアさえ投入すれば市場を奪える」とばかりに、既存ユーザーを蔑ろにして、最後まで「新ハード投入」しか目に入ってなかったのだ。
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