伝説となった国・東ドイツ | |
平野 洋 | |
現代書館 |
初版2002年8月23日
1989年にベルリンの壁が崩壊、そして1990年に東西ドイツが統一されて今のドイツとなりました。
ここまでは大半の日本人が知っていると思います。ですが、実際の庶民の感情、生活はどうなのかという事は、ここ日本ではあまり報道されていません。
著者は東ドイツに留学経験もあり、多くの東ドイツ人、西ドイツ人にインタビューをし、この本を書き上げています。
統一、統一と言っても体制、考え方、生活習慣の全く違う国の人たちが一緒になって一つの国を作っていく訳ですから、そこにはたくさんの複雑な感情が絡んでいるようです。
統一とはこういうことか、と新しい世界を知らせてくれる一冊です。
同じドイツ語を話す人間でありながら、一緒になるという事は難しい事。日本の関西、関東の違いよりも複雑です。
その統一から既に四半世紀ほどたとうとしています。統一後に生まれた人たちも既に20才を超えているんですね。
この本の中のインタビューの多くは統一直後に行われたようですが、2014年現在のドイツはどうなっているのか、西ドイツ人、東ドイツ人の感情はどうなのか、変化があるのかどうか、大変興味を持ちました。
なお、今のメルケル首相は西ドイツ生まれ東ドイツ育ちだという事。統一がなければ首相にもなれませんでした。
こういうバックグランドを持っている方が首相ということは、現在の東ドイツ人、西ドイツ人の感情もかわってきているかもしれません。