作家の大江健三郎さんや前日本弁護士連合会会長の宇都宮健児さんら作家や弁護士らでつくるグループが二十二日、東京・永田町の衆議院第一議員会館で記者会見し、二〇二五年度までに全原発の廃止を実現するための「脱原発基本法」制定に向け、各政党や国会議員に働きかける方針を表明した。
グループは「脱原発法制定全国ネットワーク」で同日設立された。大江さんらのほか、作家の瀬戸内寂聴さん、音楽家の坂本龍一さん、福島県南相馬市の桜井勝延市長、茨城県東海村の村上達也村長らが代表世話人に名を連ねる。 . . . 本文を読む
人間対自然で闘うときは協力できるが、領土問題となると奪い合いの力が働き、国家
間の対立が生じるのは人間社会の常であろうか。人間社会の長い歴史を見ると、常に
領土を奪い合う弱肉強食の世界がそこに繰り広げられてきた。歴史上の世界の為政者
たちは、「国民」、「国益」を守るという名目で、他国を侵略したり、占領したり、
統治したりしてきた。そのような弱肉強食の世界がピークに達したのが第一次、第二
次世界大戦ではなかろうか。 . . . 本文を読む
宮城県の15の個人・法人が6月下旬、東京電力に行った福島第1原発事故による営業損害などの集団賠償請求で、東電は計2億1635万円の請求に対し、現時点で3万円しか支払わない方針を示していることが28日分かった。事故と損害などの因果関係を十分に調べていないケースもあり、請求者代理人の県原発被害弁護団は「あまりに誠意に欠ける」と批判している。 . . . 本文を読む
安世鴻(アン・セホン)さんの写真『重重』は、中国で暮らす元「日本軍慰安婦」の女性たちを見つめた記録です。安さんの写真展は、今年の6~7月新宿ニコンサロンで選考委員会の決定を受け、安さんがニコン側から招かれる形で開催される予定でした。しかし、開催直前、ニコンは安さんの写真は「政治的だ」という理由から、中止を通告しました。安さんは、すぐさま東京地裁に仮処分(施設使用権)申し立てをし、それが認められて当初の予定どおり写真展は開かれました。しかし、会場はものものしい警戒のなか、取材もトークイベントも写真集販売も一切許されないといった、異様なものでした。
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ハルモニたちと過ごした時間の中で、生きている瞬間を写真に捉えるということは、極度の緊張を要した。一緒に泣いたり笑ったりしながら過ごす中で、彼女たちは私の心の深いところに位置するようになったが、カメラのファインダーを眺める瞬間、自由に被写体との境界を往来するのは容易なことではなかった。人間的な側面と、「日本軍慰安婦」被害者としての一面というぎりぎりの境界を注意深く把握し、歴史の真実を写真に留めようと思った . . . 本文を読む
今年の4月、英国のキャメロン首相が来日した際、イギリス大使館で「日英原子力サミット」が開催された。日本政府からは枝野経産大臣や細野原発担当大臣が出席し、私もお招きにあずかった。その際、キャメロン首相やウェイトマン英国原子力規制庁長官の口から、英国には「原子力廃止措置機関」(NDA: Nuclear Decommissioning Authority)、通称「廃炉庁」というものが存在することを耳にした。 . . . 本文を読む
「人は自然の恵みで生かされている」
畳敷きの大広間教室に、やや早口の声が響く。8月1日。長野県大町市の信濃木崎夏期大学初日。講師陣9人のトップを務めたのが、石井吉徳さんだ。「恵みのひとつが石油。だが、生産はピークを迎えた」。今と同じようにエネルギーを使っていては、社会が成り立たなくなる。では、どうしたらいいのか。講義は熱を帯びていった。 . . . 本文を読む
東京電力福島第一原発で作業員の被ばく線量がごまかされていた。多重の下請け構造で、労働者の命や健康が脅かされている。国は事業者に対し、被ばく線量管理や偽装チェックを徹底すべきだ。 . . . 本文を読む
総理退任後、「原発に依存しないですむ日本と世界を実現する」ことを目指し、脱原発に向け党内外で活動する菅直人氏。30日には福井県敦賀市で高速増殖炉もんじゅを視察し、記者団に「もんじゅは不要」との認識を示していた。そんな菅氏が、31日、自由報道協会で会見を行った。総理を退任して以来、いわゆる「記者会見」を開いていないという菅氏。今日は講演をした後に、質問を受ける、という条件で引き受けたという。会見では事故当時の苦悩を振り返り、あらためて「脱原発」の姿勢を打ち出した。 . . . 本文を読む
昨今、あるタレントの事件を引き金に集中的な生活保護叩きが起こりました。そうした中、公園で寝起きするホームレスの人々の追い出しがますます加速しています。
経済的に貧しく、人とのつながりにおいても孤立しているホームレスの人びとの生活と人権はどう守られるべきなのか。それはホームレスの人びとだけの問題ではありません。実際に問題に取り組まれている「NPO法人自立生活センターもやい」の代表理事・稲葉剛さんをお迎えし、ホームレスの人びとを取り巻く問題に国内人権機関はどう対処することができるのか。役に立つ国内人権機関とは?を考えます。 . . . 本文を読む
経団連の米倉弘昌会長が、政府のエネルギー・環境政策の基本方針に「脱原発依存」が盛り込まれたことに、猛反発したと伝えられた。米倉氏や経団連役員は、防護服を着て、線量計の針が振り切れるほど放射線量が高い地を歩いたことはあるのだろうか。
この人は、ある。 . . . 本文を読む
「(東京電力)福島第1原発事故は周辺地域の時間を止め、未来をまるごと奪った。そんな権限は誰にもないでしょう」。哲学者の内山節さんは、東大正門前のなじみの喫茶店「こゝろ」の2階席で、ゆっくりと語り始めた。「人間だけでなく自然も被ばくした。木々、魚介類。犬や牛は放置され、うろついた」。胸が詰まったのか、数秒の間を置いて続けた。「人間は文明をつくって自然を圧迫してきたが、木を切られても動物は隣の森に移動できた。原発事故は、その余裕さえ与えなかった。僕らは自然にわびる気持ちを持ちながら、人の行く末を考えなければならない」 . . . 本文を読む
主人公のエマドが最初のカメラを手にしたのは、末っ子の4男の誕生と成長を記録するためだった。しかしそのカメラはやがて抗議デモとそれを力で抑え込もうとするイスラエル兵たち、暴行を加える入植者たちに向けられるようになる。その過程で、兵士や入植者たちによって、次々とカメラが破壊されていく。一度は、被弾したカメラに身を守られ九死に一生を得る。エマドはそのたびにカメラを手に入れ、執拗に撮影を続けていく。 . . . 本文を読む
滋賀県知事の嘉田由紀子さんは、苦渋の表情を浮かべた。それまでは穏やかな語り口ながら力強く、中長期的に原発依存から脱するという持論の「卒原発」について語っていた。だが、5月30日に関西広域連合が関西電力大飯原発の再稼働を容認したことに話が及ぶと、調子が変わった。近畿・中四国の7府県と大阪市、堺市で構成する同連合は、嘉田さんらの主張を受けて再稼働に慎重だったが、その日、容認に転じたのだった。
「批判は甘んじて受けます。私の元には『裏切り者』などという、かなりきつい言葉も寄せられました」
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ある国会議員(こっかいぎいん)が、高額所得(こうがくしょとく)の芸能人(げいのうじん)の母親が生活保護(ほご)を受けていることを国会で問題にしました。その芸能人は法律(ほうりつ=生活保護法)に違反していたわけではありません。でも、人気商売である芸能人が反論(はんろん)できないのをよいことに、テレビや週刊誌からも袋だたきにされ、多くの人がその騒動(そうどう)を楽しみました。 . . . 本文を読む