オランダの風2

Wind from Holland 2
   brug43

二つあるもの

2018-02-27 17:33:21 | その他
この前アップした「真鱈に金沢を想う」と同じく、ブログなるものが登場するず〜と以前の大昔にや
っていた「ホームページ」なんて呼び方をしていたウェブページに載せたコラムに面白いものがあっ
たのでここに復刻しておきます。(^^ゞ

インターネットはまだまだ途上の時代、ウェブページに写真を載せると途端に重くなりコラムの表示
どころか頻繁にフリーズを起こす時代、写真はいらない!なんて悲鳴が聞こえた時代でした。それに
インターネットの料金が電話料金に直結なんてひどい時代でした。・・・。

  ♢  ♢  ♢

だいぶ昔に亡くなった友人のヨープさんから仕入れておいたネタです。いま読んでもけっこう面白く
/興味深いシチュエーションに嵌まり込んだ友人ヨープさんのお話しです。ヨープさん、オランダ外
務省に職を得て働き始め、4年ほどした頃エジプト_カイロの大使館へ赴任となったそうです。初め
ての海外赴任地だったそうです。しばらくして、土地の長老から公式のディナーに招かれたそうです。
主賓としての招待です。

   ♢

いわゆる「カスバ」というのが北部アフリカの国々にあります。一種の砦とか城塞の意味ですが、そ
の城壁に囲まれた居住区全体を指しているようです。現代の「カスバ」は居住区というより巨大な市
場 (いちば) と化していると言った方が正しいでしょうね。観光の目玉にもなってます。私もなん度か
行ったことがありますが、なかなか楽しいところです。殊に値段交渉が、つまり値切り倒すのがね。
この国々はイスラム教徒の国です。

カスバには肉屋さんが何軒もあります。ヨープさん、若かりし頃の赴任したてのことで、全てが珍し
く、暇があるとこのカスバへ入り浸っていたそうです。まだ物価のメチャ安の頃で、骨董品や革製品、
絨毯等々いろいろ買い漁ったそうです。で、肉屋さんに気がつくまでは楽しめたそうです。魚屋さん
は問題なし。肉屋さんにラムの枝肉が何頭分もぶら下がっています。客が注文するとそのぶら下がっ
ているところから切り取って売ります。新鮮といえば新鮮なのかもしれません。

でも、そのぶら下がっているものはラム肉に見えないのだそうです。切り取るときにその部位をバー
ンと叩いてから作業に掛かるそうです。その枝肉、真っ黒な固まりに見えるほど蠅がたかっているの
で、その蠅を追ってから切り取り作業にかかります。それでバーンです。何か昔漫画かなにかで見た
ようなシーンですね。それを見てから肉が欲しくなくなっちゃったそうです。ラムだけじゃなく牛肉
も。チキンもです。豚肉はイスラムの国では売られておりません。不浄の動物らしいので、口にして
はいけないんですって…。

この赴任地以降、ヨープさんには肉類は工場生産のパックで出てくるハム・ソーセージがいいとのこ
とです。まあ、ポークのステーキは肉色といい、あまり動物っぽくないし…。それにカスバにはない
ものだから許容出来る、となったそうです。^^。私が行った頃にはだいぶ改善されて、蠅は真っ黒に
なるほどはいませんでした。でも、大差ないかな〜?

   ♢

「公式のディナー」の話に行きましょう。最初に主賓のヨープさんと招待側の主人の前に、美しいレ
ースのドイリーを敷き3枚重ねにしたお皿が運ばれました。お皿にはグニャ〜とした白と黒の混じっ
たモノが乗っています。で、そのご主人のご挨拶です。「主賓である貴殿のために私の牧場の最良の
子羊を厳選し、本日の晩餐の料理と致しました。先ず、主賓のあなたとホストの私で、"子羊の最良
の部位"をご一緒に頂くことにしましょう!乾杯!」と、なったそうです。お皿に乗っているのは子
羊一頭に2つしかないものです。まあ、色々ありますけどね〜、2つあるもの。

ナマの「子羊の目玉」ですって。ラム肉だってもう嫌なのに、どうしましょうね、こんなとき。目玉
ってけっこう大きいんですって! よく知らないけど、外から見えてる眼はほんの一部ですものね〜。
こんな公式の晩餐では、出されたものに手を付けない訳にはいかないだろうし、ホントに困ったそう
です。で、意を決してフォークで摘んで、一気に口に放り込んだそうな。ナイフで切ると水分が出て
しまい余計手にあまると思ったらしいです。眼は開けていても見ないようにして、息もしないように
それを噛まずに飲み込んだそうです。息を吸い込むと臭いで吐きそうな気がしたので…。ご主人はゆ
ったり食べるのを楽しんでいたそうです。

こんなディナーですから、黙して頂く訳にはいきません。皆さんがヨープさんの料理に対するコメン
トを期待していますし、どんな顔をして頂いてくれるかに注目してますしね〜。でも、下手に話をす
ると息をいっぱい吸い込まなければいけません。自分なりに晩餐の最中の会話の話題は用意してある
が、そのマニュアルにたよると長話になる可能性があるのでマズイ、とかいろいろ考えちゃったそう
です。出来るだけ、頷くくらいで済む会話に持って行こうとしたそうです。

で、目玉を食べ終わる (飲み込む) のを見計らって、そのご主人、大変に嬉しそうな顔を見せ「いや、
見上げた方!」と褒めて呉れたそうです。この褒め方に、ヨープさん「エッ?」と、思ったそうです。
ご主人曰く。「いままで何度もヨーロッパの外交官を招待して、これを食べさせようとしたが、皆に
断られた。あなたで、初めて成功した!」そうです。同席した家族や友人達に「この方は信用出来る、
この方は我々の真の友人である!!」とかの賛美の言葉。ヨープさん、そのとき「チェッ、からかわ
れたのか〜!」の印象だけだったそうです。別に腹も立たなかったそうです。でも、これは伝統に則
った古い型の正式な晩餐ではあったそうです。以降、地域の長ともいうべきこの方から、とても可愛
がってもらったそうです。仕事がとてもやりやすくなったとか…。

その後この方から食事に招待される度に、「肉は要らない、野菜と魚が好物です」と説明を加えるこ
とを、決して忘れなかったそうです。他からの招待の時も同様にしたそうです。他の国の外交官から
学んだそうです、これ。

   ♢

日本に赴任してから、ヨープさん、日本にもこの「子羊の目玉」の記憶に繋がるモノがあるのに気が
つきました。魚の姿作り。「活のいい魚の眼が睨んでる!」と、言ってました。で、いつでもシソの
葉っぱで、魚の顔を覆ってから食べ始めることにしたそうです。刺身は大好きでしたから。(^^ゞ

この話を聞いたとき、数え歌か何かの替え歌の一節を思い出しました。「○○○とするときは、ハン
カチ被せて、せにゃならぬ〜」という、いまだったら考えられないようなひどい歌詞の...。

以上、子羊の目玉のお話でした。

ミント_ティー

2018-02-26 14:49:14 | 食べもの
先日、ブリッジパートナーと彼女の家族とともにモロッコ人の経営するフィッシュレストランへ出か
けました。合計4人。フィッシュレストランとはいえ、魚屋さんが母体で、その魚屋さんで購入した
魚をその場で調理してもらうスタイルです。今までに何度か行っているのですが、寒い時は初めてで
す。私たちの一番の魚はイワシでした。

冬のイワシはどうかなと思っていましたが、ウルメのようなのとアンチョビが店頭に並んでいました。
夏ほどのサイズはないけど肉付きのいい鮮度最高のものでした。その2種とゼーヴォルフ = Zee Wolf
(英語名 シーウルフ = Sea Wolf) という魚を調理してもらいました。ゼーヴォルフは白身のとても美味
しい魚でした。この魚、寒い時が旬だそうです。あと大きなエビを二匹づつ塩焼にしてもらいました。

この店はモロッコ人の経営です。客のほとんどがモロッコなど北アフリカからの移民の人達です。信心
深いイスラム教徒の方々です。イスラムの経典では、アルコール類は禁止です。ですから、店にはアル
コールがありません。正直、これだけ美味い魚料理に合わせお酒を飲めないのは辛いです。

過去はミネラルウォーターやコーラでいただきましたが、いまいちでした。一度、甘い味わいのミント
ティーがついてきたことがありましたが、甘さゆえ楽しめませんでした。今回は彼女の父親が、私には
甘みを加えないミントティーにしたらいいと助言してくれました。ええ、これがビンゴ!でした。ほと
んどの魚が、味付けした唐揚げとして供されています。ミントの香りと味わいが唐揚げした魚の油分を
消し去ってくれるので、以前よりもっともっと魚を美味しく感じさせてくれました。

もう、最高のディナーになりました。ほとんどお酒がないことを寂しいと嘆くこともなく過ごせました。
ミントティーとこんなに相性がいいとは!ちょっとした発見でした。微笑)それまで、いつでも甘いミ
ントティーを出してくれようとするのを断ってたのに...。ミントティーを飲む方たちは、ほぼ100%
甘くして飲んでますね〜。

   ♢

先週金曜日、スーパーのある広場へ出かけました。トルコ店が3軒あります。2軒は食材店。もう一軒
は食器などを含んだギフトショップ。まず、ギフトショップで適度な大きさのティーポットを買いまし
た。ティーポットは魚レストランで使っていたのと同じステンレスのポット。そしてガラス製のハンド
ル付きの背の高いグラスのようなカップを3つ。

その足で、同じくトルコの食材店へ。束ねた新鮮なミントとお茶のコーナーで中国茶の謂わゆるガンパ
ウダー。久しぶりにこの火薬そっくりの中国茶を買いました。急いで家へ戻り、パートナーの父親が教
えてくれたレシピ通りミントティーを淹れました。新鮮なミントをたっぷり使ってね。(^^ゞ
 

 

 

 

 
最高のミントティーができました。めちゃ美味しかったです。ミントはティーを淹れる時ポットにたくさ
いれました。カップに注ぐときにカップにもいれました。調子に乗りちょっと飲みすぎてしまいました。
どうやらミントティーはけっこう強い利尿作用があるみたいですね。しばらくのあいだ頻繁にトイレへ行
きたくなりました。ちょっとだけ不快感がありましたが、私の身体の中の不浄なものを洗い流してくれて
いると考えることにしました。(^^ゞ

エルテンスープ_'18

2018-02-23 16:47:48 | 食べもの
久しぶりの更新です。加えて久しぶりの自作料理の記事です。料理の手順はともかく、料理写真を撮る
のは久しぶりなので、けっこうアタフタしてしまいました。ビギナーに逆戻りしてました。(^^ゞ

一昨日から寒くなりました。小寒波です。運河や池の表面が凍ってます。寒さは大したことありません
が、待望の寒さです。待望というのはオランダ名物、エンドウ豆のエルテンスープを作りたいと思って
いたからです。このスープは極寒の中で食べると特別なんですよね。実に美味いです。微笑)

エンドウ豆の皮をむき、レンズ豆のようになったスプリット_エルテン (= オランダ語でエンドウ豆) を
買ってありました。あとは簡単に買える新鮮な野菜や肉、塊ベーコン、ソーセージが必要です。買い物
を済ませ、調理を始めてから約3時間の調理時間でした。従来は2時間強くらいの調理時間で完成させ
ていましたが、肉やベーコンがトロトロになるまで煮たほうが美味しいので、のんびりやりたいムード
だったので、時間をかけました。(^^ゞ

出来上がったところで食べる前に写真を取りました。味見はしてありますが、1時間の調理時間の延長
 

 
は成功だったようです。実にまろやかで美味です。写真撮影の後でいただきました。この写真の量を3杯
食べちゃいました。えへへ。

エンドウ豆の皮をむき、レンズ豆のようになったスプリット_エルテン (= オランダ語でエンドウ豆) です。
 

 
このバッグの量は400グラムで、本日は2つ使いました。かなりの量のスープが出来上がりました。
冷凍して春まで楽しめます。(^^ゞ

こんなパンを一緒にいただきました。トルコの店で買ったコーンブレッドです。最近の私のお気に入り
 

 
です。トルコのパンはイタリアのパンに似てますね。一番重要なのは適度に焦げたカリッとした表面み
たいです。フランスのパンとはちょっと違う方向に発展したようです。私の行くトルコの店は一日中オ
ーブンで焼いてます。オランダのパンも美味しいですが、色々楽しめるので嬉しいです。

近くに欲しい!

2018-02-08 12:49:09 | 食べもの
朝日新聞のページで見つけたラーメン屋さんの記事。ちょっと珍しい日替わりラーメンらしい。最初、
見出しだけ見た時はうまく理解できなかったのだが...。トッピングだけじゃなく、ラーメンスープも
日替わりらしい。記事のラーメンは「太刀魚ラーメン」だって。

この写真、そそりますね〜。記事でこの日の太刀魚ラーメンのスープの作り方をざっと説明してくれ
 

 画像をクリックすると朝日のオリジナルのページへ飛ぶようリンクしておきました。
 
てますが、けっこう手間がかかっています。いかにも経験に裏付けされたプロの仕事が想像できます。
こんなラーメン屋さんが近くにあったら常連になって通いつめ、味わい尽くしたいですね〜。いや、
色々な組み合わせが無尽蔵にありそうですから、味わい尽くすなんて、とてもできそうにありません。

ご主人の写真がありましたから載せておきましょう。イマジネーション
 

 画像をクリックすると朝日のオリジナルのページへ飛ぶようリンクしておきました。
 
に溢れていそうないい面構えをしていらっしゃる。まだお若いし、何よ
り楽しそうにしていらっしゃるのが素晴らしい。こんな店が近くに欲し
いです!  ^ム^)。

  ♢

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