【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

“モグラ博士”哺乳類分類学 / 川田伸一郎(13/14)_学究達=672

2024-03-13 05:10:00 | 冒険記譜・挑戦者達

ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=令和六年03月13日<ⰧⰊⰧ

☆ 大阪が初めて空襲されて地下鉄が防空壕代わりに (1945年=大阪大空襲)。&so、事件は起きているけど『見てるだけ~』になる現象を、強▲殺人鬼の某と被害者、その現場の周辺住民38名が身を以て証明する(1964年=キティ・ジェノヴィーズ事件)。     ☆ 親方日の丸の日本国有鉄道にブチ切れた乗客が、上尾駅等の主要駅で一斉蜂起(1973年=上尾事件)。     ☆ 感動映画の超大作『生還トンネル』が上映開始する(1988年)。 &so、ブルトレは衰退しました(2009年)。2015年のこの日 - 寝台特急「北斗星」がこの日発の運行限りで廃止。

本日記載附録(ブログ)

車線上の無残な動物の轢死体_瞬時に目をそむけ、遭遇した不運を呪う

しかし、彼は「かわいそうに」を飛び越えて_噴き出す感情は「もったいない」

誰もが知り謎に満ちたモグラ_身近な存在である哺乳類を研究する「モグラ博士」

  自称「標本バカ」というほど標本にも魅せられた国立科学博物館動物研究部研究主幹

  「モグラ博士」として知られると同時に、「標本バカ」の哺乳類分類学者_川田伸一郎(13/14)

【この企画はWebナショジオ(文=川端裕人、写真=的野弘路)】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)

 第5回 「無目的、無制限、無計画」の大切さ =1/2= 

「無目的、無制限、無計画。3つの無、とか言ってます。博物館の仕事は展示と研究だけじゃない。そのために大切なのは標本。そして、標本を集めるスローガンが、『3つの無』です」

 生き物の標本は、情報の宝庫だ。ノボシビルスクのシベリア動物学博物館で、標本の力を実感して帰ってきた川田さんは、世界中のモグラを追いかけると同時に、標本づくり(モグラに限らず)にも邁進しはじめた。当時所属していた名古屋大学のフィールドが、畜産系の実験実習施設でもあり、当時の施設管理者が積極的に動物標本を集める意図を持っていたことも大きい。川田さんは、どっぷりその方針につかって、地元の水族館からゾウアザラシやトドの死体を預かるまでになった。そして、とうとう国立科学博物館の研究員という天職を得た。博士号を取得し「モグラ博士」として世に知られるようになった時には、すでに「標本バカ」(自称)という別の要素を育んでいたのである。

 そして、「3つの無」の境地に至る。

「まず、無目的。研究に役に立つからといって集めるなら、ぼくの場合、モグラばかりのコレクションになるでしょう。ぼくには面白いけど、ほかの研究者には意味がないかもしれない。自分の目的のために集めているだけじゃだめなわけです。そして、無制限というのは、標本って、ひとつだけで分かることもあれば、たくさん見なければ分からないことも多いんです。ヨーロッパモグラの頭骨を8000点見た論文の話をしましたよね。種の中の変異を見るには、やっぱり数を見なきゃならない。ぼくがアルタイモグラを約1800点みて、歯の変異を確認した研究は、8000点の論文に触発されていたんですが、それもやっぱり無目的に無制限に標本化していた博物館のおかげだったわけです」

 いつかやってくるであろう研究者との出会いを待って、無目的、無制限に標本を収容する。それでこその博物館、というのである。これは、字義通りに「すべて」というのは無理なのだけれど、自然史博物館で標本を担当する人たちは、川田さんに限らず、かなり普遍的にそうしたいと思っているようだ。少なくとも、ぼくがこれまで話すチャンスがあった、自然史博物館関係者は、洋の東西を問わず同じ主旨のことを述べていた。

「そして、無計画という要素を僕は付け加えます。哺乳類の標本って、法的にも、倫理的にも、金銭的にも、いろいろ制限がかけられることが多いです。だから、チャンスが大事で、集められる時に集めておかなければ、ということです。真夏の動物園で大型哺乳類が死んで、獣医さんから電話がかかってきたとします。おりしも気温は35℃みたいな状況では、待ったなし、です。いろいろ会議とか計画が入っていたとしても、そっちはなんとか理解してもらって引き取りにいきます。と同時に、僕らは基本的には骨と皮の標本を作るので、軟組織を調べたい研究者仲間に声をかけて、興味のある人にはやはり自分の予定をキャンセルしてでも集まってもらいます。そんなふうに無計画にまわりを巻き込んで、標本集めをしているわけです」

 なんだかすごい。

 博物館のアルタイモグラの標本を徹底的に見る仕事をできたのは、誰かが「無目的に」(自分の役に立つのではないのに)標本化していたからだ。標本を集める立場になった川田さんは、無目的を徹底し、もはや、自分のモグラだけには収まらない標本作製活動にいそしんでいる。そして、それはしばしば無制限だったり、無計画だったりする。

 連載の冒頭に記した、クリハラリスやニホンカモシカの「バカげた」収集は、まさにこういった文脈で集められているものだ。

「誰も興味ないような、研究者的には雑魚と思われてるようなものでも、集めます。例えば、クリハラリスとか、こんなの集めてもしょうがないと、普通の人は思うんですよ。でも、定期的に送ってもらって、ちゃんと皮も骨も残して標本にしていますから。これなんのため、と言われても、数を集めれば分かることもあるでしょうとしか言えないわけです」

 なお、リスというのは、わりと仮剥製が作りやすいため、標本づくりを学びたい人のために、「リス大会」なるものを開催して、みんなで標本づくりをすることがあるそうだ。

「ネズミですとか小さなやつでは、皮が弱くて、力をかけすぎるとやぶれてしまいます。ゾウとか大きなものになると、今度はみんなで皮を引っ張りながら刃を入れていかなければならない。でも、リスは初めての人でもまず皮が破れることはないし、中に綿をいれたら誰がやってもだいたい同じような形になるので、初心者にはいいんです。こういうのもみんなでやると楽しいもんですよ」

 淡々と語る川田さんは、この時、本当に楽しそうに目を輝かせた。

 ちなみに、初心者がリスの皮を剥くのにかかる時間はだいたい2時間。川田さんは10分くらいだそうだ。熟練というのは、すごいものだ。

 そして、「無制限」をきわめているのが、カモシカの頭骨だ。

・・・・・・・・明日に続く・・・・・

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森のなかえ

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