今日、全国一斉アクションとして、全国60箇所で安保法案に対する抗議行動が行われた。そのの一環として、福岡でも、複数の団体が集結して「みんなデモ」が開催されている。ここで、その様子を報告しよう。
舞台は、天神の警固公園。ここに、400人近い人たちが集まった。
イラストレーターのいのうえしんぢ氏は「武装より女装」として、女装姿で登場。
本人の弁によれば半分好きでやっているそうだが、この姿には、もちろんちゃんとそれだけではない意味がある。いのうえ氏はスピーチで、かつてナチスドイツが“ストレート”でない人たちを迫害した歴史を紹介する。軍国主義国家は、国民にマッチョ主義を強いる。そこでは“男は男らしく”という一面的な価値観が強いられ、多様性は否定されるという排除の論理が働く。そうしたことに対する批判を込めた「武装より女装」なのである。
そして、ナチスドイツでそうだったように、“正常”でないものへの迫害は拡大していき、かなり早い段階で心身に障害を持つ人がその対象となった。ドイツではそうした動きがさらに拡大して「ドイツ民族以外はすべて生物的に劣っている」という狂気に行き着くわけだが、障碍者が迫害を受けたというあたりの事情は日本でも変わらない。太平洋戦争中の日本では、障碍者およびその親族らは肩身のせまい思いをさせられた。軍事国家においては、障害をかかえた人たちが“ごく潰し”として非国民扱いされるのである。今日の集会では、障害を抱えた男性も参加し、障害者の立場から意見を述べていたが、バリアフリーやLGBTといった“新しい”人権意識の観点からも、戦争は否定されなければならないのだ。今回参加された男性は、足が思うように動かせないながらも、デモの道程をその足で歩きとおしたという。日本が“戦争できる国”という道へ進んでいくことへの強い抗議の意志を表明されたものであろう。
こんなふうにいうと、安保法案推進派は「戦争がおきないようにするための法律」だといういつもの決まり文句を口にするかもしれないが、武藤貴也氏のように基本的人権を敵視して国民を国家に奉仕させるような体制になれば、実際に戦争をするしないにかかわらずマイノリティに対して差別的な社会となることは避けられない。性的、身体的、精神的……などあらゆる意味でのマイノリティに対して寛容な社会であるためには、自民党の国家主義者たちが目指すような国家観を拒否しなければならないのだ。
抗議行動本体は7時ごろに終了したが、それからゲリラ的に声をあげる集団が登場。
パンクスふうのいでたちをした彼らは、ややとがったビートで「安倍はやめろ」「ファシスト総理は今すぐやめろ」とコールしていた。子供もふくめて幅広い世代が参加していた本体の集会は自粛していたのだろうか?
そして、この「みんなデモ」の前に、天神では昼にも別の抗議活動が行われていたらしい。下は、たまたまそれを見かけて撮影した画像である。
私も福岡での抗議行動に関する情報はこまめに収集しているつもりでいるが、それでも把握しきれないぐらいにさまざまな活動が行われているようだ。
さて、今回の「みんなデモ」には遠方から参加した学生もいたが、彼のスピーチで引用されていたモンゴル800の「矛盾の上に咲く花」という歌の一節が印象的だった。
矛盾の上に咲く花は 根っこの奥から抜きましょう
同じ過ち繰り返さぬように 根っこの奥から抜きましょう
そして新しい種まこう 誰もが忘れてた種まこう
件の学生は、安保法案こそこの「矛盾の上に咲く花」であると批判し、それを根っこの奥から抜き、新しい種をまこうと訴えた。まさに、今の状況にふさわしい歌といえるだろう。ちなみに、彼の引用した一節のあとには、こう続く。
そしたら野良犬も殺されない 自殺するまで追いつめられない
どこの国もやさしさで溢れ 戦争の二文字は消えてゆく
この集会に参加した学生団体FYMのメンバーの一人は、「本当は、こんなことしたら就職に不利になるんじゃないかとムチャクチャ怖い」としたうえで、しかしそれでも行動しなければならない心境を語った。そして、大人たちにそんな若者たちを支えてほしいと訴えた。この訴えに、大人たちは応えなければならない。こうした行動が広がっていけば、「矛盾の上に咲く花」を花が咲く前に根っこから引き抜くことは可能だろう。
周知のとおり来週8月30日には全国100万人行動が予定されているが、もちろん福岡でもこれに呼応した行動が行われる。さらに福岡では、9月6日にも大規模な行動が予定されている。こちらは、県の弁護士会も参加して5,000人規模を目指すという。いまの安部政権をおかしいと思う人は、けっしてあきらめずに、勇気を出して声をあげていこう。そうしなければ、矛盾の上に咲いた狂気の花が、この国を暗闇のに陥れるだろう。その花を根っこの奥から引き抜き、真の民主主義と平和主義を根付かせるために、今こそ新しい種をまくときだ。
舞台は、天神の警固公園。ここに、400人近い人たちが集まった。
イラストレーターのいのうえしんぢ氏は「武装より女装」として、女装姿で登場。
本人の弁によれば半分好きでやっているそうだが、この姿には、もちろんちゃんとそれだけではない意味がある。いのうえ氏はスピーチで、かつてナチスドイツが“ストレート”でない人たちを迫害した歴史を紹介する。軍国主義国家は、国民にマッチョ主義を強いる。そこでは“男は男らしく”という一面的な価値観が強いられ、多様性は否定されるという排除の論理が働く。そうしたことに対する批判を込めた「武装より女装」なのである。
そして、ナチスドイツでそうだったように、“正常”でないものへの迫害は拡大していき、かなり早い段階で心身に障害を持つ人がその対象となった。ドイツではそうした動きがさらに拡大して「ドイツ民族以外はすべて生物的に劣っている」という狂気に行き着くわけだが、障碍者が迫害を受けたというあたりの事情は日本でも変わらない。太平洋戦争中の日本では、障碍者およびその親族らは肩身のせまい思いをさせられた。軍事国家においては、障害をかかえた人たちが“ごく潰し”として非国民扱いされるのである。今日の集会では、障害を抱えた男性も参加し、障害者の立場から意見を述べていたが、バリアフリーやLGBTといった“新しい”人権意識の観点からも、戦争は否定されなければならないのだ。今回参加された男性は、足が思うように動かせないながらも、デモの道程をその足で歩きとおしたという。日本が“戦争できる国”という道へ進んでいくことへの強い抗議の意志を表明されたものであろう。
こんなふうにいうと、安保法案推進派は「戦争がおきないようにするための法律」だといういつもの決まり文句を口にするかもしれないが、武藤貴也氏のように基本的人権を敵視して国民を国家に奉仕させるような体制になれば、実際に戦争をするしないにかかわらずマイノリティに対して差別的な社会となることは避けられない。性的、身体的、精神的……などあらゆる意味でのマイノリティに対して寛容な社会であるためには、自民党の国家主義者たちが目指すような国家観を拒否しなければならないのだ。
抗議行動本体は7時ごろに終了したが、それからゲリラ的に声をあげる集団が登場。
パンクスふうのいでたちをした彼らは、ややとがったビートで「安倍はやめろ」「ファシスト総理は今すぐやめろ」とコールしていた。子供もふくめて幅広い世代が参加していた本体の集会は自粛していたのだろうか?
そして、この「みんなデモ」の前に、天神では昼にも別の抗議活動が行われていたらしい。下は、たまたまそれを見かけて撮影した画像である。
私も福岡での抗議行動に関する情報はこまめに収集しているつもりでいるが、それでも把握しきれないぐらいにさまざまな活動が行われているようだ。
さて、今回の「みんなデモ」には遠方から参加した学生もいたが、彼のスピーチで引用されていたモンゴル800の「矛盾の上に咲く花」という歌の一節が印象的だった。
矛盾の上に咲く花は 根っこの奥から抜きましょう
同じ過ち繰り返さぬように 根っこの奥から抜きましょう
そして新しい種まこう 誰もが忘れてた種まこう
件の学生は、安保法案こそこの「矛盾の上に咲く花」であると批判し、それを根っこの奥から抜き、新しい種をまこうと訴えた。まさに、今の状況にふさわしい歌といえるだろう。ちなみに、彼の引用した一節のあとには、こう続く。
そしたら野良犬も殺されない 自殺するまで追いつめられない
どこの国もやさしさで溢れ 戦争の二文字は消えてゆく
この集会に参加した学生団体FYMのメンバーの一人は、「本当は、こんなことしたら就職に不利になるんじゃないかとムチャクチャ怖い」としたうえで、しかしそれでも行動しなければならない心境を語った。そして、大人たちにそんな若者たちを支えてほしいと訴えた。この訴えに、大人たちは応えなければならない。こうした行動が広がっていけば、「矛盾の上に咲く花」を花が咲く前に根っこから引き抜くことは可能だろう。
周知のとおり来週8月30日には全国100万人行動が予定されているが、もちろん福岡でもこれに呼応した行動が行われる。さらに福岡では、9月6日にも大規模な行動が予定されている。こちらは、県の弁護士会も参加して5,000人規模を目指すという。いまの安部政権をおかしいと思う人は、けっしてあきらめずに、勇気を出して声をあげていこう。そうしなければ、矛盾の上に咲いた狂気の花が、この国を暗闇のに陥れるだろう。その花を根っこの奥から引き抜き、真の民主主義と平和主義を根付かせるために、今こそ新しい種をまくときだ。