真夜中の2分前

時事評論ブログ
「真夜中の5分前」→「3分前」→「2分前」に

安倍政権の暴走を“本当に止める”ために

2015-08-02 18:53:11 | 政治・経済
 以前の記事で、私は「安部降ろし」こそが自公の生きる道だと書いた。その点について、もう少し補足をしておきたい。

 安保法制反対派の多くは、自公政権そのものの打倒を目指していると思うが、私は、ひとまず安保法案を撤回させて安倍政権でなくなりさえすれば、もうしばらく自公政権が続いてもかまわないと思っている。
 安倍総理とそのとりまき連中をパージしさえすればここまでの無茶はしないだろうし、一度これだけ世間の猛反発を浴びて内閣が倒れるという事態を経験すれば、それが“抑止力”となって、ブレーキがかかるということもあると思う。
 現に自公が衆院の三分の二、参院の過半数を持っている状況を考えれば、「自公政権を倒そう」というよりも、与党内部から反対の動きが起きて採決ができない状態を作るほうが現実的という見方もできる。そしてそのためには、「自公政権を倒す」というよりも「自公の議員は安倍政権に反対するアクションを起こせ。そうすればとりあえずその行動は支持してやる」という言い方をしたほうがいい。
 なにしろ、世の中はほとんど反安倍一色である。今日もまた全国各地で大規模なデモが行われ、もはや安保法制を支持するのは在特会をはじめとして、差別的な言辞を弄するような人たちばかりであり、彼らが支持の声をあげればあげるほど世間一般では危機感が高まっていくというスパイラルになっている。そういう状況だから、与党内部にも、内心では安倍政権の暴走を止めたほうがいいんじゃないかという気持ちを持つ人は少なくないと思う。しかし、実際に苦言めいたことを口にするのは、党内でも屈指の実力者にかぎられているのが現状だ。それはもちろん執行部にたて突いて自分の立場を危うくすることをおそれているからだろうが、逆にいえば、そのおそれを取り除けば与党内から反対する動きも活発化するものと考えられる。「安倍政権に反対すれば支持してやる」と外側からアピールするのは、いうなればクッションを用意してやることだ。ビルで火災が起きてなかに取り残された人が、飛び降りようか飛び降りるまいかと迷っている。そこへクッションを用意してやれば飛び降りやすくなるだろう――そういうことだ。
 「自公を倒す」ではなく、「安倍政権を倒す」としたほうが、自民公明の一般党員や支持者も広範に巻き込んだ運動に発展させられる。長期的にみれば、いまはひとまず安倍政権を引きずりおろしたほうが自公両党にとっても最善策であるのは、ちょっと考えればわかることだ。実際に創価学会内部からも安保法案反対の声があがっている状況をみれば、そのような論理はかなり広く受け入れられる余地があると思われる。もちろん従来の抗議活動を否定するものではないが、そのような考え方もあっていいのではないか。