真夜中の2分前

時事評論ブログ
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安倍政権は経済運営も破綻している

2015-08-18 22:37:01 | 政治・経済
 いくつかの世論調査で、安倍政権の支持率が回復傾向をみせているという。あの安倍談話が意外に評価されているらしい。
 安倍談話を評価するという意見については、ものの見方は人それぞれだし、そういうものかとしかいいようがないが、しかしそれを安倍政権そのものへの評価につなげるというのはどうだろうか。
 政権への評価は、総合的にくだされなければならない。多少のプラスになるようなことがあったとしても、これまでの安倍政権全体を見ればマイナスのほうがはるかに大きいと私は思う。
 このブログのコンセプトは、政治家が過去に働いた悪政を風化させないようにしようということだった。その原点に立ち返って、安倍政権のこれまでをもう一度振り返っていきたい。

 まずは、経済についてである。
 今年4-6月期のGDPは、年率換算でマイナス1.6%という数字を出した。
 もちろん一四半期での数字をことさらにとりあげてもさほど意味はないだろうが、しかしそれ以外の数字をみても、日本の経済事情はあまりよくない。安保法制の陰に隠れて見えづらくなっているが、いわゆる“アベノミクス”はもうボロボロである。

 安倍政権のこの二年あまりでの経済運営は、完全な失敗に終っているといっていいだろう。
 物価上昇2年で2%という目標はあえなく失敗し(これはすでに確定した事実)、今後も到底達成できそうにない。また、消費増税による景気の冷え込みも深刻な状態が続き、実質賃金の下落が続いた。5月にはようやく25ヶ月ぶり(!)にマイナスを脱しこそしたというが、それでも「横ばい」である。しかも、これはあくまでも「前年比」であるということにも留意しなければならない。GDPでもそうだが、数字が低いところと比較すれば、相対的に高い数字がでやすくなる。実質賃金についていうと、二年以上にわたって下落が続いてきたために、そもそも比較対象となる「前年同月」の数字が低くなっている。おそろしく落ち込んだところが比較対象になっているから見かけ上マイナスが減ったにすぎないのだ。そして、同様に落ち込んだところを比較対象にしていながら、6月はマイナス2.9%というこの二年間でも最大の下げ幅となった。世論調査で6割以上の人が「生活が苦しい」と感じているのが現状なのである。
 頼みの株価も、ここにきて中国やギリシャの不安定な情勢で乱高下を繰り返している。所詮は人為的に作られた相場にすぎず、いつ大暴落してもおかしくない砂上の楼閣の脆弱さを露呈したかたちだ。
 安保法制や原発再稼働という大問題の陰で、アベノミクス崩壊は着実に進行しているのである。安倍政権の経済政策を支持していたという人たちも、膨大なカネをバラまくだけバラまいてなんの成果もあげていないアベノミクスを支持する理由などどこにもないということに気づくべきときだろう。