「本の町プロジェクト」ブログ

日本にも「ヘイ・オン・ワイ」のような本の町があったらいいな、から始まった物語。高遠での活動を経て次のステップを準備中。

キワマリ荘(五つ葉文庫)

2008-07-25 15:37:21 | Weblog
名古屋編最後は名古屋から電車で北東に40分。岐阜県との境にあたる犬山市のキワマリ荘。ここには「五つ葉文庫」という土日のみ営業の古本屋が入っているということなので、行ってみました。

名古屋の書店で黒地に本棚の裏側から見たイメージ?に古本の小口を並べた、ものすごくかっこいいDMを発見。それが五つ葉文庫のものでした。
ブックマークNAGOYAでは「痕跡本」と称する、あえて書き込みなどをそのまま残した、というかむしろそっちがメイン、みたいな古本を展示販売して異色を放っていたそうです。是非行ってみたい。

店は、2階建ての木造アパートであるキワマリ荘の一室ということでしたが、私が行った日は残念ながらお休み。6・7月は殆どの日がお休みということで、また次回ということになってしまいました。

そのかわり、というかキワマリ荘全体を仕切っているガイコツ・カンパニーのカフェでゆっくりしてきました。
よくある木造アパートにすぎなかったキワマリ荘が現在のような形になったのは、10年ほど前に有馬かおるさんがこのアパート全部を借り切ったうえで名前をキワマリ荘とし、ギャラリー的な使い方を始めたときからだそうです。
その後はアート関係の方には名前の知られた場所(カフェにあったBTのバックナンバーで紹介されている)だったようですが、昨年、有馬さんが水戸に移住され、あちらでキワマリ荘を創られたため、犬山の初代キワマリ荘はサカイダ・ヨーコさん率る(つうか一人?かも)ガイコツ・カンパニーが運営する現在の形になったとのこと。
いまでもアパート全体がギャラリーというコンセプトは変っておらず、各部屋ごとに変化をつけたり、廊下や洗面所なども使った展示がなされています。

ということで、自分の実家のある犬山でなんか妙な場所があるというのは嬉しいものです。
国宝犬山城(日本全国お城は沢山ありますが国宝の天守閣は4つだけ。犬山のほかには松本、彦根、姫路)、ライン下り明治村日本モンキーパークなどいろいろ見所も多い犬山にも一度はおいでください。

もう一ヶ月前のことになってしまいましたが、名古屋界隈のご紹介はこれで一区切りです。







YEBISU ART LABO FOR BOOKS

2008-07-24 18:57:47 | Weblog
ブックマークNAGOYA実行委員会でも、特に中心になってご活躍だったのがリブロ名古屋店店長の辻山さんとエビス・アート・ラボの岩上さんと黒田さん、ということはこれまで訪れてお話しを聞いたみなさんから教えられてきました。

というわけでまた地下鉄で移動して名古屋と栄(名古屋銀座)の中間にある錦町にやってきました。
このあたりは昔からの問屋街だったのですが、ご多分にもれず近年シャッター商店街化が進んでいて、地域活性化の一環として新しい感覚のショップを誘致したビルの中にある、ということと、ブックマークパンフレットにあるやや心許ない地図を頼りに店を目指して歩きはじめました。

どこでどう間違ったのか、なんか客引きのお兄さんやら、やたら露出度の高い服を着た女性が目立つエリアに進入。商店らしい看板といえば「人妻なんとか」みたいなのしか無い。
うーむ、新しい感覚の店は往々にして裏通りで発生したりするもんですが、ここにアート系の本屋があったとしたら斬新すぎるだろ。とエビスビルを探して彷徨うこと30分。

・・・道間違ってました。


2ブロックズレてただけだったけど、あまりにも街の雰囲気が違うのでびっくりです。
目指す本屋のあるビルは、問屋街の中にあって1階はロフト風、っていうかコンクリート打ちっぱなし系のカフェ。2階と3階にはセンスのいい雑貨やインテリア用品、若い人向けの着物店など。ブラブラと見てあるくだけでも楽しい店が詰っています。
カフェをはじめ、ビル全体に若い人が何となく集まってくる感じで、問屋街の活性化としては大成功なようです。

エビス・アート・ラボはビルの階段を4階まで登ったところから180度ターンして狭い廊下のような通路を抜けると写真の景色が飛び込んできます。一度に全部見渡せるより、こんな感じの造りのほうがなんかいいですよね。「本の家」はちょっと見渡せ過ぎかも、って思いました。
で、この裏がギャラリー。壁の色や造作はギャラリーと書店が統一されていて、壁で仕切られているのに一体感があります。

この日は黒田さんはご不在だったようですが、岩上さんに頼んでチラシを置いてもらいました。
書店としてだけでなくいろいろな方面のご活躍などお聞きすることができましたが、詳細はこちらのサイトなどでご覧ください。

この店の大きな特徴はZINE(ジン=MAGAZINEからきてます。マガジンほど一人前のちゃんとした冊子じゃないぜ、って感じのニュアンスか)と呼ばれるミニコミ誌を沢山取り扱っているところ。コピーやPCからのプリントを自分たちで製本して流通までやって広めてしまおう、というノリのカルチャー。
もともとアメリカ発のものですが日本ではアメリカン・ブックジャム誌(最近更新してないようですが)などが推進して一般化しました。

私がいた少しの間にも若いアーティストさんが作品を持ってきたりして、この場所が本を媒介にした交流の場所として育っていることが窺われます。

えびすビルの事例は、一つのビルにいろんな要素があるからこそ、ここまでの活性化が可能だったと思われます。
「本の町」も数の要素は大切だなぁ、と再確認した次第。

あと、店内ではレジ上の中二階(中五階?)が激しく気になりました。椅子や本が少し見える。殆ど垂直のハシゴみたいなのがあるのですが、最初飾りかなと思って岩上さん聞くと「登れる」とのこと。
これは次回の楽しみにとっておきました。






ちくさ正文館書店

2008-07-23 21:32:22 | Weblog
ちくさは千種と書きます。
JR中央線と地下鉄の乗換駅で昔から名古屋市内では重要なターミナル。

そして、その駅のすぐ近くにあるのが業界人なら誰でも知ってる「ちくさ正文館書店本店」。
写真でご覧のとうり、外観は何の変哲もない本屋にしか見えませんが、その棚づくりは全国の書店員が視察に訪れるほどの完成度の高さです。
なんといっても駅前の本屋なのに漫画無し、学習参考書無し、エロ本無し、というう書店の売上げで重要な地位を占める3本柱を欠いて何十年も続いているのが凄すぎ。これがいかに大変なことかは、一度でも新刊書店で働いたことのある方ならばお分かりと思います。

私も学生時代は随分とお世話になった書店で何十年ぶりかの再訪。
変ってません。っていうか、本は勿論かなり入れ替わっているのですが「これは大切な本」と店が判断したものは棚の中でゆるぎない存在感を示しています。
かといって、ある種の古本屋でみかけるように、そこで時間が淀んでしまって辛気臭い感じになるのではなく、やはり読まれるべき本としてそこにあることが素晴らしい。

これらすべてを創り出しているのが店長の古田さんです。
お忙しい中でも時間を割いていただき、本に対する熱い思いを語ってくださいました。若い世代が中心と思っていたブックマークNAGOYAにもコミットされ、暖かく見守りつつも貴重なアドバイスをされている様子でした。

書店人の規範として、いつまでも変らぬご活躍をお願いしたいと思います。




cesta

2008-07-22 19:15:01 | Weblog
シマウマ書房の鈴木さんにブックマークNAGOYAのことをお聞きしていた際に「もう山守君には会った?」と言われて紹介されたのが、次の訪問先である覚王山にあるcesta(ツェスタ)。

ツェスタ、はチェコ語で「旅」を意味するそうで、その名のとおり中欧の絵本などを中心とした古本+喫茶のブックカフェになっています。丁度コーヒーが飲みたくなってきた時分だったので本のチェックもそこそこに奥のソファに座り注文しようとすると目の前のビール瓶が目に入ってしまう。
ここは当然チェコ産のピルスナー・ウルケル。

飲みながら店主の山守さんにいろいろお聞きしていくと、ふとしたことから以前ハートランド(去年まで私がやっていた古本屋)にも来ていただいたことがあるという話になったり、フライング・ブックスの山路さんが名古屋にいた頃の先輩だということが分かったり。
時間と空間を越えて(大げさ)なんかいろいろつながっている感が嬉しいですね。

時間と空間といえば、1989年チェコ(スロバキア)のビロード革命のときにハベル氏の胸に誇らしく輝いていた市民フォーラムのバッジ。当時すっごい欲しかったんですが、これをcestaで発見! もうこれだけでも名古屋に来た甲斐があったですよ。
あまり買いものに行かないので知らないのですが、こういうものってよく見つかるんですかね。でももうバチもんでも何でもいいや。とにかくコレは嬉しい。
1990年プラハの春音楽祭でクーべリックもチェコ・フィルも全員このバッジつけて「わが祖国」演奏したときはちょっと泣いたの思い出しました。





le petit marche

2008-07-21 18:26:06 | Weblog
おつぎは地下鉄に乗って東山公園駅へ移動。

ここは名古屋で一番大きな動物園である東山動物園の入り口近く。小学生の頃には家族や友達と何回か来た記憶があるけど、もう30年ぐらい中に入ってないことになるのかな。

余談ですが、東京だと吉祥寺にある井之頭公園のボートにカップルで乗ると別かれる、っていうジンクスがありますが、その名古屋版がここ。
東海地方では東山動物園のボートにカップルで乗ると別かれるという伝説があります。というわけで、別れたい方は今すぐ動物園にGO!


ここに来た目的は「プチ・マルシェ」という雑貨屋さん訪問。
駅から30秒のビル2階の奥にあります。マンションの一室で中が見えないので入りにくいと思われる方もいるかもしれませんが、そこで引き返したら大損です。

私が行った日はちょうどミニコミ誌の出版記念イベント期間中。古本の展示即売もあって、海外で買い付けた本やマッチ、切手など、なかなかいい感じのものが沢山あって迷いました。でもまだあと沢山廻らなきゃならないので本の購入は断念。

その代わりに手作りの革でできたかわいいキーケースを買いました。
ここの品です。正式には「親指ぶくろ」というのだそうです。鍵や切符やUSBメモリやら、とにかくちょっと入れるのに最適。

プチ・マルシェには他にも店主さんセレクトの素敵な雑貨や服がたくさんありました。こちらでは有名店のようで、私がいた30分くらいのあいだにも次々とオシャレな若い人たちが来店。賑わっていました。

そういえば、あとで立ち寄った店のだれかが「プチ・マルシェは名古屋で一番センスのいい雑貨屋さんだよ」って言ってたなぁ。






エトワール

2008-07-16 17:24:28 | Weblog
シマウマ書房から名古屋大学方面に南下すること5,6分。真新しいビルの中に「えほんのエトワール」があります。

前の道路が坂道になっているので、1階のお店なのに見通しのよい外階段を少し登るというところが、新しい店に入るんだというワクワク感を盛り上げてくれます。

そして店内は子供のための絵本が並びます。子供の頃は電車の本しか読まなかったし、今も絵本のことは分からないので、このセレクトがどういう意味をもつのかちゃんと説明できなくて申し訳ありません。
でも、コンパクトな空間にあえて本を詰め込むようなことをせず、空間やスキマを活かしたレイアウトはとてもゆったりと本に向き合うことができると思います。また、子供への配慮で本棚の高さも低く抑えられているようです。

こうした細かな配慮で店をとりしきるのは、いかにも仕事できそうな感じの女性店主井上さん。
この店もやはり本を売るだけではなく、新しい本との関わりを提示してくれています。8月からスタートする妊婦(っていうかお腹の中の子供)から2歳児くらいまでを対象にした読み聞かせをはじめとして、本好きの親子を育てるためのいろいろなイベントを開いています。
これらは同じビルの2階にある「星のしずく」というスペースで開催。井上さんも講師として登場。

店のロゴになっている、子供を膝の上に乗せて同じ目線で本を読む親子。この本との向き合い方が店からの提案ということでした。




シマウマ書房

2008-07-15 13:27:01 | Weblog
今回からは名古屋編です。

本山(もとやま)という名古屋市東部にある地下鉄駅近くの古本屋さんです。
この界隈は名古屋大学をはじめとして学校が多く、以前から書店が多く集まっていたところです。
名古屋市内全般に言えることのようですが、最近は昔からの古書店が少なくなり、30代くらいの店主さんが営む新しい感覚の古書店が増えてきました。
こちらもそんな店の一軒。店構えは綺麗でオシャレな今風ですが、店内はわりと昔からの古書店にあるそうな硬派なものが多くて見ごたえがありました。

店では本を売るだけでなく、イベントも開催。
店主の鈴木さんは今年2月に名古屋全域で賑やかに開催された本のお祭り「ブックマークNAGOYA」というイベントの実行委員でもある方です。
このあと何軒かまわったのですが、名古屋の本屋さんたちはこのイベントを通じて古書店と新刊書店の垣根を越えた交流をされているようで、なんとも素敵な話です。
ブックマークNAGOYAは今年の成功を受けて来年も開催が決定。そろそろ準備を始めるので大変、と鈴木さんはおっしゃっていましたが、なんか楽しそうだぞ。

そしてシマウマ書房での次回イベントは7月19日(土)。
ナント!饗庭孝男氏を迎えてのトークだそうです。お近くの方はこの機会を逃さぬようはやめの御予約を!(既に満員だったらゴメンナサイ)



半杓亭

2008-07-10 21:40:01 | Weblog
昨年末まで7年間、都内を中心に朗読イベントの情報紙を知人たちと一緒に作っていました。隔月発行のフリーペーパー「東京READING PRESS(2002年から5年間はPOETRY CALENDAR TOKYO)」

毎回、各地の朗読イベント情報を集めて掲載していたのですが、松本にある半杓亭(はんしゃくてい)の朗読イベントについても複数の方から情報をいただいていました。
ただ、残念ながら首都圏の情報のみ掲載という編集の都合があり、直接スタッフの方と連絡をとることは出来ないままに終刊を迎えたのでした。

松本は山やスキーの帰りなどで年に数回は立ち寄る馴染みの街ではあったのですが、遊びの帰りということで行くのはいつも変な時間。
半杓亭、激しく気になっていながらも今回が初の訪問でワクワクしながら扉を開けました。

落ち着いた色調の木をふんだんに使った内装はとても落ち着きます。スタッフの和服姿の女性がお客さんとつかず離れずの絶妙な距離感で応対。予想以上に素敵な空間です。
しかも、店の奥には図書室もあり。本のラインナップは店のキャラに合ったいい感じの偏り方で、このお店が気にいって来店されるお客さんにはピッタリです。
貸し出しもしているそうで、戻ってこなかったらどうするんだろう、という私のセコい悩みとは無縁の鷹揚な感覚も素敵です。

定期的に開催している朗読イベントについては直接お店にお問合せください。
次回は8月9日(土)開催との情報も得ていますが、直接お問合せいただいたほうが間違い無いと思いますので。

それと、松本の本屋MAPを企画中とのことです。松本市内の本屋さん情報がありましたら、店備え付けのノートにご記入をお願いします。




tonico

2008-07-09 16:53:11 | Weblog
今回配布に行く前の情報収集で「日和」のバックナンバーをいろいろ見ていたら、ちょっと気になる店発見。

信大前のcafe Deux(カフェ・ドゥー)
おもしろそうなことをいろいろと企画してるみたいだし、場所柄好奇心旺盛な人も多いだろうからと、すこしばかり駅からは遠いけど行く気満々でした。
が・・・もうちょっと最近のバックナンバーによると既に閉店!

がしかし、さらに後の情報では元店主の方があたらしく別の場所に店を開いたとのこと。
じゃそちらへ、ということで行ってみたのが中町の入り口あたりのビルにあるtonico(トニコ)でした。
サイトはこちら

新しい店の内容については「ギャラリー+雑貨店」くらいしか知らず、ふらふらと店内に入ってからびっくり。超乙女ワールドが展開中。
もういきなり来た場違いのオッサンには店の方も驚いたことでしょうが、私も困った。あまり(っていうか全然)買うものがない。

あまりにも女子に特化している品揃えなので、ハマル人には最高と思いますけど、いかんせん40代のオヤジでは太刀打ちできません。それでも、ひとつづつ見ていくと、やはり楽しいものがたくさん。
でもコレ私が買ったらかなりキモいよなぁ、プレゼントってことにして凌ぐか、とか色々考えていたらわりと無難な文房具を発見!
よかった。コレ買ってチラシ置いてもらって帰ろう。

どうみても怪しいおっさん相手に店の方は親切でした。チラシも快く置いてくれたし。

でも次回はもうちょっと場違いじゃない人に置きに行ってもらおうかな。


たつのこ書店

2008-07-08 16:09:17 | Weblog
最初にあやまってしまいます。ごめんなさい、写真の右側が切れてしまって看板が全部読めません。

今回は「たつのこ書店」。長野の本屋では新参者である私がいまさら紹介するまでもない有名店です。

松本駅からお城に向かう道を女鳥羽川を渡ったところで右に曲がると、小さなお店が立ち並ぶ楽しい小道があります。ここがナワテ通り。
その中ほど右側に子供のための絵本(新刊)専門の「たつのこ書店」があります。

靴を脱いで上がり、ゆったりと本を選ぶことができます。また、こちらの主催で様々な催しを行っています。
でも子供はいないし絵本には全く疎い私は何も買わずにチラシだけ置いてきてしまいました。重ね重ねすみません。

ちゃんとした写真とデータは、商店街のこちらのサイトにありますのでご参照ください。