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琉球弧のなかの奄美(1979年、『新沖縄文学』特集から)

2008-01-13 09:50:57 | 奄美大島
【山下欣一先生から】
『新沖縄文学』第41号(1979年5月15日、沖縄タイムス社)
は、特集で「琉球弧のなかの奄美」を組み、
山下先生が「幻影からの脱出と照射/奄美から南島の民俗学を考える」
を書いておられる。(執筆は、1978.1.31と記されている。まさに30年前!)
(2007年5月、山下先生から先生のかかれた部分、p38-p49、のコピーをいただいた。この号では、このほか島尾敏雄と色川大吉の対談「琉球弧の喚起力」などが掲載されている。)

【幻影の島々】
「奄美諸島は久しく幻の島でありつづけた。」
『中山世譜』、『南島雑話』を引用し、薩摩藩が奄美を隠そうとしていたとする。

【奄美の発見】
「奄美は発見された。
誰によってであるか。ためらうことなく薩摩流人名越左源太時敏をまずあげることができる。」
として、『南島雑話』と『遠島日記』をあげる。
『南島雑話』の発見に関して、伊波普猶(沖縄学の先駆者)と永井竜一(古仁屋小学校長)をあげる。

【奄美の民俗学的研究】
・柳田國男『海南小記』1921(大正10)名瀬に上陸
・ヨーゼフ・クライナー
・島尾敏雄
・小野重朗
・下野敏見

【奄美の民俗学的研究の課題】
・モノグラフの作成とその検討
・沖縄諸島との比較研究、日本本土との比較研究

【原点への回帰】
「生活とは現実であり、現実とは冷酷悲惨なものである。」
「南島に生活してきた人々の生活の理念は、学問を離れ、日本などを突き抜けた枠外の存在であること・・・」(p47)
「今、ここに奄美の島々が存在し、奄美人が生きていることを知るべきであり、この認識の上に、未来への展望を切り開くべきでもあろうと思う。」(p48)

【結びとして】
「沖縄諸島、先島諸島は常に奄美諸島における研究の隠れた主題であった。今後さらに南の島々を連ねている海を道として、一層の研究の進展を期待したい。奄美の幻影からの脱出と未来への照射はこの道によって開かれると思うからである。」(p49)
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