介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

新しいブログにリンクしています。7つのテーマにわけました。引き続きお読みください。

公共哲学・市民社会政策・社会市場

2008-02-26 04:49:27 | 社会福祉
【京極高宣の新著】
さきに
だいぶ時間をかけて
『社会保障と日本経済』を読みました。

この本は
実証的に日本の社会保障を分析していますが
政策的な面では妙に批判精神がない
などと私は批判していました。

こんど
京極先生による
『新しい社会保障の理論を求めてー社会市場論の提唱ー』
が刊行されました。
(社会保険研究所、2008年2月15日。B6版、175ページ。2000円+税)

【新しい体系化の模索】
学部の新学期からの講義に備えて
坂田周一『社会福祉政策』を読みはじめています。
この本は、大学院程度を対象とした優れた教科書です。
先生ご自身の考えを強くは出さずに
先行研究をバランスよく紹介しています。

しかし、
この何回か
私のブログでの解説が
行きつ戻りつしているように
「社会福祉」「社会保障」をめぐる大きな流れというものは
わかりにくいように思っていました。

ですから
こんどの京極先生の本を見て
これからの方法付けがはっきりしてきたように思います。

【目次からキーワード風に再構成】
本の内容は、次回以降、順次紹介することとして、

キーワード風に
私の受けとめかたをまとめると
今日のタイトルのように

公共哲学・市民社会政策・社会市場

となります。

【公共哲学】
どのような社会を目指すのか。価値観がなくてはならない。
私自身は、このブログで、先日、
「東京中心を是正する」という記事を書きましたが
「社会福祉」や「社会保障」を考える時に、社会全体の方向付けが必要だ。

「公共哲学」は、
この思考を助けるのでは。
この場合の「公共」は、国家という意味ではなく、広い政策主体をさす。
(山脇直司先生らの研究)

【市民社会政策】
これまでの労働政策的な「社会政策」や
イギリス流とはいえカタカナの「ソーシャルポリシー」ではないもの。

そういう意味で京極先生は「市民社会政策」といっている。
初期の先生の著作に「市民参加の福祉計画」があるが「市民参加」の精神が一貫している。
そこは、やはり東京流の雰囲気ですね。

【社会市場】
『社会保障と日本経済』での論議を発展させている。
社会経済が市場を基礎としている限り、さまざまな社会サービスもある種の市場システムからの制約を免れない。

京極先生は、「社会保険旬報」において、Q&Aという形で、補足的な議論を展開中で、これを今年の夏ごろにはまとめた本にしたいとのこと。
(『社会保障と日本経済』と今回の『新しい社会保障の理論を求めて』とあわせた3部作の理論となるとしている)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 於斉(おさい) | トップ | Students\' perceptions of S... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

社会福祉」カテゴリの最新記事