【いよいよ15章】
京極高宣『社会保障と日本経済』(慶応義塾大学出版会、2007)
を読んできました。
今日は
第15章 社会保障と国民負担率
(p353-p386)
です。
このあとは
「終章」だけとなりました。
【3つある国民負担率】
皆さんは
「国民負担率」ということばを聞いたことがおありでしょう。
今日のテーマは、ずばり
「今の日本は、税と保険料を納めすぎているか?」
につきます。
個人の立場からは、
・自分は税金をずいぶん納めている。
・社会保険料も(医療保険、年金保険、介護保険・・)ずいぶん払っている。
という方は多いでしょう。
【経済活動全体の中の負担(税負担と社会保険料負担)】
日本経済全体としてはどうなのか
最初に
3つの用語を挙げます。
・「国民負担率」
・「潜在的国民負担率」
・「実質的国民負担率」
の3つです。
今、Google で、これらを検索しました。 いずれも” ”をつけましたので
これらの用語が連続しても使われた場合のみのヒット数です。
・「国民負担率」 60800
・「潜在的国民負担率」 6150
・「実質的国民負担率」 3
【京極提案は・・・】
この本で、京極先生が提案している概念は、
最後の
「実質的国民負担率」 です。ヒットの冒頭に京極先生の名がでてきます。
あとの2件は、京極先生の本を読んだわけではないようです。
つまり、この新しい概念は、まだ、殆ど知られていない。
【3つの概念の対比】
順が逆になりましたが、
・「国民負担率」 分子: 税負担+保険料負担
分母: 国民所得
・「潜在的国民負担率」分子: 税負担+保険料負担+財政赤字ー社会保障現金給付
分母: 国民所得
・「実質的国民負担率」分子: 税負担+保険料負担ー社会保障現金給付
分母: 国民所得
つまり、
・「国民負担率」 単純な割り算。(従来いわれていた定義)
・「潜在的国民負担率」 財政赤字分を加える。年金など現金給付を引く。
*1997年12月5日 財政構造改革の推進に関する特別措置法 第6条の定義
・「実質的国民負担率」 年金は加えるが、財政赤字分は加えない。
【グラフだけなので・・】
上記の数値を対比した表は掲載されていない。
*国民負担率や潜在的負担率については、財務省資料で公表されている。
この本には、「実質的国民負担率の推移」というグラフ(p384)が掲載されている。
「1990年以降、一貫して漸減している」(p396、終章)
ともかく「国民負担が上がっていくのは問題だ」という思い込みだけは除こう、というのが著者の意図だろうか?
これから、消費税をめぐる議論もすすむと予想されます。さらにわかりやすく考え方と実態を示して欲しいです。
京極高宣『社会保障と日本経済』(慶応義塾大学出版会、2007)
を読んできました。
今日は
第15章 社会保障と国民負担率
(p353-p386)
です。
このあとは
「終章」だけとなりました。
【3つある国民負担率】
皆さんは
「国民負担率」ということばを聞いたことがおありでしょう。
今日のテーマは、ずばり
「今の日本は、税と保険料を納めすぎているか?」
につきます。
個人の立場からは、
・自分は税金をずいぶん納めている。
・社会保険料も(医療保険、年金保険、介護保険・・)ずいぶん払っている。
という方は多いでしょう。
【経済活動全体の中の負担(税負担と社会保険料負担)】
日本経済全体としてはどうなのか
最初に
3つの用語を挙げます。
・「国民負担率」
・「潜在的国民負担率」
・「実質的国民負担率」
の3つです。
今、Google で、これらを検索しました。 いずれも” ”をつけましたので
これらの用語が連続しても使われた場合のみのヒット数です。
・「国民負担率」 60800
・「潜在的国民負担率」 6150
・「実質的国民負担率」 3
【京極提案は・・・】
この本で、京極先生が提案している概念は、
最後の
「実質的国民負担率」 です。ヒットの冒頭に京極先生の名がでてきます。
あとの2件は、京極先生の本を読んだわけではないようです。
つまり、この新しい概念は、まだ、殆ど知られていない。
【3つの概念の対比】
順が逆になりましたが、
・「国民負担率」 分子: 税負担+保険料負担
分母: 国民所得
・「潜在的国民負担率」分子: 税負担+保険料負担+財政赤字ー社会保障現金給付
分母: 国民所得
・「実質的国民負担率」分子: 税負担+保険料負担ー社会保障現金給付
分母: 国民所得
つまり、
・「国民負担率」 単純な割り算。(従来いわれていた定義)
・「潜在的国民負担率」 財政赤字分を加える。年金など現金給付を引く。
*1997年12月5日 財政構造改革の推進に関する特別措置法 第6条の定義
・「実質的国民負担率」 年金は加えるが、財政赤字分は加えない。
【グラフだけなので・・】
上記の数値を対比した表は掲載されていない。
*国民負担率や潜在的負担率については、財務省資料で公表されている。
この本には、「実質的国民負担率の推移」というグラフ(p384)が掲載されている。
「1990年以降、一貫して漸減している」(p396、終章)
ともかく「国民負担が上がっていくのは問題だ」という思い込みだけは除こう、というのが著者の意図だろうか?
これから、消費税をめぐる議論もすすむと予想されます。さらにわかりやすく考え方と実態を示して欲しいです。