介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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第3192号 医療費問題への視点

2009-09-22 20:29:19 | 医療
写真は、光の中で の9月22日付の記事からお借りしています。


【健康保険各制度は赤字】
「遥香の日記」(2009.09.22)は、健康保険組合の赤字に関する報道を踏まえて、医療費政策について問題提起しています。

健保組合の赤字

*協会けんぽ(かっての「政府管掌健康保険」)の赤字 上記ブログ 2009.09.18
国民健康保険の赤字 上記ブログ 2008.11.16

【アメリカでは】
ISSA(国際社会保障協会)の国際ニュース(2009.09.21)では、ロイター電(2009.09.18)を引用して、アメリカに公的健康保険がないために、毎年、45,000人が死亡しているとの研究報告を伝えています。

45,000 U.S. deaths to lack of insurance

オバマ大統領の医療保険改革
① 医療保険(民間の医療保険会社の)に未加入の4,600万人に健康保険を適用
② 医療費を削減
というものですが、保険会社などの猛反対にあっています。

【経済政策と医療費】
2008年後半からの世界的な経済危機で、「社会保障と経済」の問題が改めて議論になっています。OECD,ILOなどの社会政策の専門組織はもちろんですが、世界銀行やIMFなども、経済危機の中での社会的ネットの重要性を訴えています。

2009年4月から、中国政府では長期計画による「国民皆保険」計画を進行させています。

・医療供給の格差是正
・公的医療保険を補う私的医療保険

などの政策課題を抱えているようです。
中国では、GDPに占める医療費の割合は、4.6%で、日本の8.1%に比較するとまだ低いですが、これからは経済成長とともに医療費の増大が見込まれます。
(世界銀行 2009年資料)

*中国の医療費政策については、博士課程1年の陳さんから教わったものです。

chenkunのブログ

【社会福祉からの視点】
日本では、医療費の問題は、「社会福祉学」とは関係が薄いように思われています。10月に開催される日本社会福祉学会の自由発表テーマを見ていても、医療に関する研究発表は稀です。

昨日の、
おうぎや氏からのコメントにもありましたが、社会福祉の専門職はもう少し医療の基礎知識を学ぶ必要がありそうです。

9月20日、東京で、日本医療社会事業協会のセミナーがあり、厚生労働省の佐藤敏信医事課長の講演があり、その中で、医療におけるソーシャルワーカーの役割について興味ある示唆があったようです。

MSW Lab Blog  2009.09.20

【後期高齢者医療制度】
民主党新政権は、公約どおり、後期高齢者医療制度を廃止することを明言しています。

これから行われるであろう見直しの論議では、
アメリカや中国における国際的な政策論の動向も踏まえて、
・医療サービスの供給
・介護政策との関連
・社会福祉的見地からの吟味
が行われることを期待しています。

*このブログでは、カテゴリ「医療」にこれまで134件の記事を書いています。多くは、基礎的な統計です。
*「坂之上の夜明け」には、各国の動向をアップしています。カテゴリ「501」(国際的動向)「007」(ドイツ)「4.5.」(アメリカ)など。
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