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bomberjuice ♪今日の1曲♪

「気になる1曲」を勝手に厳選し、それをテーマに一言二言三言。

SQUATTY(unissued alternate) / Bud Powell

2009-05-15 23:55:09 | Jazz
 暑すぎず寒すぎず、天気は快晴。バイクに乗るのには最高の日だ。
 しかし仕事を放り出すこともできず、スーツを着て仕事をする。

 新宿まで各駅停車の電車に乗った。
 昼休みの時間帯ということもあって車内は空いている。
 ロングシートの端の席に座ることができた。これで快適に眠れる。

 いつの間にか電車は新宿駅のホームに滑り込んでいた。
 眠ったせいか、少し身体が軽くなった気がする。

 各駅停車にノンビリ揺られるのも好きだが、バスに乗るのはもっと好きだ。
 仕事の都合上、週に数回、都営バスに乗る。最近は新宿駅から乗ることが多い。
 もちろん、今日もこれから乗るところだ。

 僕のお気に入りは、ノンステップの都営バスだ。
 ノンステップバスの最後部の座席は、背中を投げ出すようにして寄り掛かることができる。
 背もたれは僕の座高よりもはるかに高い。しかも足下は広くて快適だ。
 いちばん右の座席には大きな肘掛けまである。
 それでいてグリーン車のような特別料金が取られるわけではない。最高じゃないか。
 ノンステップバス最後尾のいちばん右は、僕の「指定席」だ。

 目的地まで比較的長い時間乗るけれども、都営バスの料金は(一部を除いて)200円均一。
 長く乗れば乗るほど「お得感」が得られる。
 これだけ快適な座席だと、いい感じで眠ることもできる。
 各駅停車の電車でも眠ったが、このバスに乗るときも少し眠る。
 日頃の睡眠不足をここで一気に解消だ。

 今日も新宿駅の西口からバスに乗った。
 お気に入りのノンステップバス。
 ……おや。
 僕の「指定席」に先客がいる。太っていて不細工な女だ。

 ここで僕はこう判断した。
 肘掛けはガマンしよう。背もたれだけでも確保だ。

 僕は太っていて不細工な女の隣に(しかたなく)座った。

 人のことを言えた義理ではないが、太っていて不細工なのは救いようがない。
 笑顔の欠片もない。ムスッとしているものだから、不細工さが助長されている。
 
 太っていて不細工な女は、新宿追分のバス停で降りていった。2つ目のバス停だ。
 2つ目なら、充分に駅から歩ける範囲じゃないか。
 雨の日ならまだしも、今日はバイク日和。
 とにもかくにも、僕は「指定席」を(一時的にではあるが)占拠されたのだ。

 都営バスは、そんな僕の悔しさを知る由もない。

 窓の外を見ると、青山一丁目の交差点を過ぎたところだ。
 まもなく西麻布。
 そこから外苑西通りを天現寺橋に向かってバスは走っていく。

TEMPUS FUGUE-IT / Bud Powell

2009-03-31 21:15:08 | Jazz
 スリリングなイントロとともに、バド・パウエルの世界へ引き込まれていく。
 そして、2分半ほどで曲は終わる。

 TEMPUS FUGUE-IT(ラテン語らしい)。
 光陰矢のごとし。
 そんなこんなで3月が去ってゆく。

DEE DEE / Ornette Coleman

2009-02-05 21:20:47 | Jazz
 僕は相変わらず村上春樹を読み耽っている。

 ところで。
 小説ではよく「本を読みながら熱い珈琲を飲む」なんていう光景が描かれるが、
それは僕にとって、実態にそぐわない描写だ。

 実を言うと、読書中は音楽が聴こえなくなるほど集中してしまう。
 場合によっては、耳障りに感じてしまうほどだ。
 珈琲だって冷めてしまう。
 魔法瓶に入れた珈琲を飲むという手もあるが、なんとなく興ざめだ。

 珈琲は芳しい香りを提供してくれるのだが、気がついたときにはいつも冷え切っている。

 村上春樹との共通項を探してみる。しかしそれは無意味なことだ。
 たとえば村上春樹も僕もジャズを聴く。
 村上春樹も僕もスガシカオが好きだ。
 村上春樹は小説を書き、僕は駄文を書く。

 しかし、それがどんな意味を持つのだ?

MAIDEN VOYAGE / Herbie Hancock

2009-01-01 20:51:31 | Jazz
 新年が明けた。

 以下の文章は2004年の1月3日に記したものであるが、
正月の思い出ということで、加筆修正して転載することにする。

 正月早々に風邪で熱を出し、寝込んでしまった。
 解熱剤を飲み、「熱さまシート」を額に貼り、
湯たんぽを入れ、スポーツドリンクを飲む。
 すぐに熱は下がったが、こんな思いはもうたくさんだ。
 こんなとき、健康のありがたみを痛感する。

 なぜ冒頭にそんな話題を持ってきたのかというと、
「航海中に病気になったらどうするのか」が妙に気になったからだ。
 船は常に揺れているからおちおち寝ていられないだろうし、
衛生的にも問題がありそうだ。
 医薬品だって完備しているわけではないだろう。

 そんなことを気にする僕は、船酔い体質だったりする。

 さて、この曲。
 日本語で言えば「処女航海」。
 僕はピアノ中心のサウンドだと勝手に思い込んでいた。
 ハービー・ハンコックはピアニストだから、である。

 ところが。
 テーマ部分を聴いた瞬間、参ってしまった。
 非常に印象深いテーマだ。
 トランペットやテナー・サックスがかなり「おいしい」部分を歌っているではないか。
 (もちろんピアノもかなりのウエイトを占めているが)
 よくよく考えてみれば、たしかに船出にはトランペットが似合うような気がする。

 断言しよう。
 「処女航海」は名曲である。
 なぜか。
 鼻歌でさりげなく、メロディーが歌えるからだ。

 病み上がりの僕は、自宅のベッドでゆっくり眠ることにしよう。
 ここなら横揺れに悩まされることはあるまい。

SAY IT(Over and Over Again) / John Coltrane

2008-12-29 13:25:42 | Jazz
 カーテンを洗った。
 「カーテンを洗う」という作業はものすごく面倒なことのようだが、
ワイシャツや下着などといった洗濯物と何ら変わらない。
 カーテンを外したら洗濯機に放り込み、スイッチを入れ、洗剤を投入するだけだ。
 あとは洗濯機が洗ってくれる。
 洗い終わったら、また元の場所に吊るして自然乾燥させればいい。加湿器の代わりになる。
 実際、40%以下だった部屋の湿度は、それだけで70%前後にまで回復した。

 どんなに面倒そうな物事であっても、いちど動き出してしまえば、
あとは坂道を転がるようにあっさりと片付いてしまう。

 洗濯機が動いている間、僕は乾いていた洗濯物を畳んだ。
 分量があったのでウンザリしたが、それも最初だけだ。
 何かをひとつ畳めば、確実にひとつ仕事が片付けられたことになる。
 必ず終わりが見える作業だ。
 いつかは終わる。少しずつでも手を動かしていればいい。
 何かを考えていてもよいし、何も考えなくてもよい。簡単なことだ。

 僕は今、羊が気になっている。
 村上春樹のせいだ。

BLUE MINOR / Sonny Clark

2008-12-09 21:06:58 | Jazz
 朝起きて、何気なくラジオを(寝ぼけ眼で)聞いていたら、
占いをやっていた。
 生島ヒロシの声。
 ということは、TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう一直線」か。

 「○○座の今日は『好調』です」
 「○○座の今日は『順調』です」
 「○○座の今日は『上々』です」……

 好調、順調、上々……って、いいことしか言ってないんじゃないか!?
 それに、好調と順調と上々は「どこがどう違うのか」がわからない。

 唯一、双子座だけは「不安定」だったが。

 僕は文化放送に周波数を合わせた。
 午前6時。
 「吉田照美ソコダイジナトコ」が始まった。

 僕の一日も、こうして始まる。

Autumn Leaves / Cannonball Adderley

2008-09-25 23:52:02 | Jazz
 NHKラジオにチューニングを合わせた。
 ちょっとした気分転換だ。

 実は、NHK第2放送の「気象通報」が好きだ。
 淡々と各地の風向、風力、天気、気圧、気温を読み上げる。

 石垣島、那覇、南大東島……と南から北へと向かっていき、
稚内から先はロシア連邦へと進む。
 その後は韓国や中国を経てフィリピン方向へ進み、
父島、南鳥島と日本に戻ってきて、富士山で終わる。
 (富士山は気温のみの放送だが)

 終わって、NHK第1放送に切り替えた。

 ニュースでは、小泉元総理の政界引退を繰り返し伝えている。

 アナウンサー同士のやりとりも、どことなくわざとらしい。
 不自然というか、台本を読んでいるような感じがする。
 そのせいか声の表情が乏しく感じられる。

 ただただ、淡々と。
 逆にこれが新鮮だった。
 チャラチャラせず、落ち着いて聞けるという利点もある。

 23時20分になり、「ラジオ深夜便」という番組が始まった。
 とたんに、音声が途切れた。

 「放送事故か!?」
 思わずラジオに駆け寄り(と言っては大げさだが)、ラジオをバシバシ叩いた。

 どうやら、NHKがオープニングの音楽を間違えたらしい。
 珍しいこともあるものだ。

 深夜のタクシーでは、よくNHK第1放送が流れている。
 ニュースと天気予報が頻繁に流れるし、声のトーンが落ち着いているので、
下手な音楽よりもいいのかもしれない。
 嫌いなタイプの音楽が流れると不快だが、ニュースならサラッと聞くこともできる。

 さて、この曲は、ジャズの王道でもある。
 ビル・エヴァンスのピアノでも有名だ。

 名目上はキャノンボール・アダレイがリーダーであるが、
実質的にはマイルス・デイヴィスが仕切っている。

 季節はもう秋。
 こんな夜は、マイルス・デイヴィスのミュート・トランペットを心ゆくまで堪能したい。

SURREY WITH THE FRINGE ON TOP / Miles Davis

2008-09-13 22:34:50 | Jazz
 「STEAMIN'」というアルバムの冒頭を飾る曲だ。

 ものすごくジャズに凝っていた時期があった。
 誰が有名なのかもよく知らず、片っ端から聴いていた。

 もちろんマイルスやコルトレーン、ロリンズなどといった名前くらいは聞いたことがあったけれども、
「大人っぽいオシャレな音楽」「難しそうな音楽」というイメージでジャズを捉えていたものだ。

 このリズム感というかスピード感。
 これぞジャズだ。

 ところで。
 実生活でもそうであるが、「第一印象」は侮れない。
 その「第一印象」を強く語ってくれるのが、アルバムのジャケットではないだろうか。
 ジャケットに一目惚れすれば、おそらく購入対象となるであろう。いわゆる「ジャケ買い」である。
 それくらい、ジャケットは重要な要素であると思う。

 最近は「着うた」などの台頭もあり、音楽配信サービスも充実しているので、
ジャケットというものの存在が危うくなってきている。

 ジャケットは、芸術品であり、作品を端的に表現しているものだ。
 もちろんこれはジャズに限ったことではないが、
ジャケットが素晴らしいアルバムは、中身も素晴らしいことが多い。
 ジャケットの凋落は、僕としては寂しいものだ。

 ちなみにこの「STEAMIN'」というアルバムは、すべてワン・テイクでOKが出たそうである。
 僕もバンドでのレコーディング経験があるが、今までいちどもワン・テイクOKになったことがない。
 ワン・テイクOKがアルバムとなって、この世に生み出される……これは凄いことだ。

 僕はジャズ評論家ではないので、自己満足できればそれでいい。
 だから、自分の気に入ったものを、気に入ったスタイルで愉しむ。
 もちろん時代背景、或いは歴史などといった予備知識があったほうが、
より深まったりする部分もあるだろう。
 ただ、そういう「常識」がいつしか「制約」となり、
初心者にとってジャズの敷居を高く見せていることも事実だ。

 LPレコードの大きさで、このジャケットを一晩中眺めてみたい。

MY FUNNY VALENTINE / BILL EVANS & JIM HALL

2008-08-12 04:50:21 | Jazz
 見えない疲れが溜まっている。
 金はなかなか貯まらないのに、脂肪と疲労はすぐに溜まっていく。困ったものだ。

 ふだん僕は夢を見ない(少なくとも起きたときには覚えていない)のだが、
最近は妙に「何かに追いかけられる」ような夢を見る。
 ほとんどがカーチェイスだ。
 僕が右足で急ブレーキを踏んだ瞬間、目が醒める。
 その途端、決まって足が攣るのだ。
 これでは物理的に睡眠時間が足りていても、疲れなんか取れるわけがない。
 まあ、不眠症になるよりはいいのかもしれない。

 自分の内面に不安な部分があれば、それが解消されないかぎり、疲労感は蓄積する。
 そんな不安感が夢に出るのだろう。
 ジャズを聴きながら、フロイトの「夢判断」でも読むとするか。

 ピアノもギターも、ひとつひとつの音を疎かにすることなく紡いでいく。
 だからこそ、芸術的な作品なのだろう。
 全般を通じて繊細な演奏であるが、彼らは一度も「大胆かつワイルドに弾いてみたい」という衝動に駆られなかったのだろうか……。

 目を閉じて、五感を耳に集中させる。
 そして、真夜中にただひとり、僕は佇む。
 廃止路線になったバス停で、二度と来ないバスを待っているかのように。

Laird Baird / 矢野沙織

2008-07-10 07:04:00 | Jazz
 オリジナルはチャーリー・パーカー。

 実は今朝、この文章を書くにあたって、パーカーと矢野沙織を改めて聴いた。

 パーカーの演奏はもちろんいいのだが、矢野沙織の演奏も実にいい。
 なんとなく心も和み、大らかな気持ちになれる。
 肩肘張らずに聴くことができた。

 パーカーの演奏は尖っているが、矢野沙織の演奏は丸みを帯びている。

 ついついパーカーと比較してしまったが、これはある意味で悪いクセだ。
 「何が何でもオリジナルじゃなきゃ……」と思っていると、視野が狭くなる。

 ストレス社会において現代人が忘れた物を、彼女は思い出させてくれたような気がする。
 自分の中に、いつでも「ゆとり」を持っていたいものだ。