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bomberjuice ♪今日の1曲♪

「気になる1曲」を勝手に厳選し、それをテーマに一言二言三言。

Imagination / Art Pepper

2011-02-02 21:19:17 | Jazz
 アート・ペッパーの最強アルバム「Art Pepper Meets the Rhythm Section」には、
「You'd Be So Nice to Come Home To」という名曲が収録されている。
 ヴォーカルではヘレン・メリル、インストではアート・ペッパーというくらいの名曲なのだが、
今回はあえてそれ以外の曲について書いてみたい。

 アート・ペッパーによる繊細な演奏はもちろん素晴らしいのだが、
僕はあえてレッド・ガーランドによるピアノの役割に注目した。

 アルト・サックスがメロディーを吹きはじめると、ピアノはスッと後ろに下がる。
 メロディーの邪魔をせず、完璧なサポート役を演じている。

 ピアノソロはもちろんあるのだが、ガシガシ弾いたりはしない。
 自己主張を叩きつけるのではなく、やや控えめながらも、サラリと言いたいことはすべて言う。
 少なくとも、僕にはそう思えた。

 レッド・ガーランドに教わったこと。
 それは、控えめの美学。

So Danco Samba / 小野リサ

2010-02-18 16:02:56 | Jazz
 今日は雪の降る中、クルマで税務署に出かけた。
 確定申告である。
 悪天候だから多少は空いているかと思ったのだが、これがとんでもなく甘い考えで、
なんと駐車場に入るところから待たされた。
 税務署に入ってからも長蛇の列。
 正直かなりウンザリした。
 それと同時に、悪天候にもかかわらず、申告に来る人が多いことに感心もした。

 帰宅後、小野リサを聴いた。
 小野リサを聴くときは、珈琲を飲みながらというシチュエーションが多い。
 彼女の声、そしてサウンド。
 無駄な力が抜けて、実にリラックスできる。

 いつのまにか雪は消えていた。

I HEAR A RHAPSODY / BILL EVANS & JIM HALL

2009-11-18 23:11:59 | Jazz
 久しぶりに「ビール」を飲んだ。
 「発泡酒」でも「第三のビール」でもない。

 ふだんなら迷わず500ml缶を購入する。
 しかし今回はビールの味を愉しむため、敢えて350ml缶を手に取った。

 飲んだのは数量限定のサッポロラガービール。

 ラガービールと聞くと、なんとなく古きよき時代を思い出すような感じがして、
懐かしい気分になる。
 さっそく、飲んでみた。

 発泡酒などに慣れてしまったせいか、味が濃く感じる。
 スーパードライなどとは違って地味な味わい。なんだかじんわりと懐かしい。
 そして鼻に抜ける香り。これがいい。久々に堪能した。

 毎日アルコールを嗜んでいた20代前半。
 当時はここまで味わって飲むことはなかった。
 今は月に数回しか飲まない。
 飲まない月だってある。
 そうすると、飲んだ酒の味がものすごく記憶に残るのだ。

 昔はビールを水代わりに飲んでいたものだが、
年齢を重ね、ビールを味わう余裕が出てきたのかもしれない。

MY FAVORITE THINGS / John Coltrane

2009-11-07 08:10:47 | Jazz
 いわゆる「お気に入り」を思い出そうとしたのだが、なかなか思いつかない。

 生活に余裕がないと、なかなか自分の「中身」を棚卸しすることができず、
汲々とした日々を送ってしまう。

 さて、この曲の編成だが、ソプラノ・サックス、ピアノ、ベース、ドラム。
 そう、コルトレーンはソプラノ・サックスを吹いているのだ。
 ジャズにソプラノ・サックスの取り合わせは非常に珍しいが、
この編成であれば落ち着いて聴ける。
 もしトランペットが入っていれば大変だ。
 ソプラノ・サックスとトランペットにおける高音域でのバトルが始まり、
もっと騒々しくなったことだろう。

 いつのまにか、11月。

FREE JAZZ / Ornette Coleman

2009-09-10 23:52:08 | Jazz
 二つのカルテットを使った集団即興曲。
 スピーカーの左右から、別々のカルテットの演奏が聞こえてくる。

 「……何でもあり?」
 初めて聴いたときの正直な感想だ。

 コードの制約から逃れた、自由奔放な即興演奏。
 今までの常識や理論や伝統といったものを壊したかったのだろうか。

 オーネット・コールマンは音を解き放った。
 「譜面」という制約から、「自由な空間」へと。

 とはいえ、テーマとアンサンブル、そしてソロを取る順番は決められていたようだ。

 一説によると、チャーリー・ヘイデンが使用したベースは借り物のベースで、
自分の楽器は質屋行きだったそうだ。

 私もバンドでギターを弾くが、質屋が引き取るほどの高価な楽器は持っていない。
 形あるものはいつか壊れる。
 極論を言えば、どうせエフェクターで歪ませてしまうのだから、
ギターは安物でも十分だ。
 安物ならば壊れても惜しくない。
 ……愛着は湧くが。

 この曲は37分ほどある。
 それだけで気が滅入ってしまう方もおられようが、そんなに肩肘張らなくてもよい。
 飽きたら聴くのをやめればいいだけだ。無理して聴き続けることはない。

STARS FELL ON ALABAMA / Cannonball Adderley

2009-09-02 15:05:10 | Jazz
 今回この雑文を書くために、久々に真正面から向き合って聴いてみた。
 どうも違う。
 作業中のBGMとして聴くときと、明らかに音が違う。
 なぜだろうか。

 別に正座をして聴け、というわけではないが、
一度は向き合って聴いてみるべきなのかもしれない。
 演奏者からのメッセージが伝わってくるような気がする。

 さて、一説によると、キャノンボール・アダレイの演奏スタイルは「陽」、
ジョン・コルトレーンのそれは「陰」なのだそうだ。
 だが、そんな分類が本当に必要なのだろうか?
 僕はそこに疑問を感じる。

 系統立てて、分析をして、ジャズを心底から楽しみ、そして「感動」できるだろうか?
 「気持ちいい」「かっこいい」音楽には理屈などない。
 純粋に、聴いて納得できるものを繰り返し聴く。
 その日の気分に合わせて、聴きたいものを聴く。
 音楽の原点は、ここにあるような気がしてならない。

 演奏の背景にある社会情勢や当時の流行は、あくまでも予備知識であって、
本質は演奏なのだ。
 マニアックな知識は、ときに「感動」することを妨げる。

ALL THE THINGS YOU ARE / Art Pepper

2009-08-21 12:47:45 | Jazz
 アート・ペッパーがテレビ出演したときの音源らしい。
 冗長な演奏ではない。テレビ向けだからだろう。
 3分以内に収まっているため、エッセンスが凝縮されている感じがする。

 短い曲のすべてがダイジェスト版だ、というつもりはないが、
こういう曲は飽きずにサラリと聴くことができていい。

SALT PEANUTS / The Quintet

2009-08-18 23:58:07 | Jazz
 ジャズの巨人ともいえる5人が一堂に会したライブ。
 ボクシングのタイトルマッチと重なったために客の入りが悪かったそうだ。
 (しかも、試合結果は1ラウンドKOで決着がついている)

 このライブでベースを弾いているチャールズ・ミンガスは、レコード会社「デビュー」を興し、
この録音テープに後からベースをオーバーダビングして売り出した。

 チャーリー・パーカーは、当時マーキュリー・レコードと専属契約していたため、
チャーリー・チャンという変名でクレジットされている。

 パーカーは楽器を持たずに会場へやってきたという。
 本番では地元の楽器屋で借りたプラスチック製のアルト・サックスを吹いているそうだが、
解説を読まない限り、そんなことはまったくわからない。
 プレイにはまったく支障はなかったようだ。

 ディジー・ガレスピーの曲名を連呼するシャウトも好きだ。
 もちろん、トランペットソロも秀逸。

 「リズムの神様」マックス・ローチのドラムソロは速いうえに迫力があるし、
「破滅型天才ピアニスト」バド・パウエルも健在。

 ライブはとてもスリリングだ、ということを再認識した。

THE ANSWER IS YES / Jim Hall

2009-07-11 14:37:55 | Jazz
 僕には、聴かず嫌いな部分がある。

 もともとトランペットの身勝手な自己主張が大嫌いだったし、
ジャズに「大人の落ち着き」を求めていた。

 ヴォーカルにも否定的だった。
 夜に似合うBGM、というイメージが先行していたからだ。

 ギターも、ジャズには不向きだと思い込んでいた。
 音量の差で管楽器に負けてしまうと思っていたからだ。

 だが、しかし。

 ジム・ホールの曲では、ギターがメインなだけあって、
サックスやトランペットが控えめに演奏されている。
 そこがたまらなく上品だ。

 それにしても、ギターの音はこれほどにまで繊細なのか。

 彼が僕に教えてくれたこと。
 伴奏がしっかりしていなくては音楽ではないし、アドリブだけがジャズではない。
 当たり前のことだ。

 素晴らしいギタリストはソロだけでなく、伴奏も超一流なのだ。

YOU STEPPED OUT OF A DREAM / Sonny Rollins

2009-05-24 22:13:45 | Jazz
 今日は雨模様。
 知人とバイクで青梅・奥多摩方面へ出かける予定だったが、
雨の日の運転は危険なので延期することにした。

 さて。
 僕は俄かジャズファンだ。
 スタンダードナンバーがどの曲なのか、あまり知らない。
 どうやらこの曲もスタンダードナンバーであるらしい。

 誰の演奏が原曲なのか、僕は知らない。
 しかし、ホレス・シルヴァーの奏でるイントロ、これが素晴らしい。
 このイントロが絶品なのだ。
 ……たった8秒間であるが。

 ピアノは不得手だが、そのうちコピーする……かもしれない。