ボリビア カミナンド記

エボとコカ栽培

昨年1月ボリビアに初の先住民族出身の大統領が誕生したことは日本の新聞でも多少報道されていて、ボリビアに反応する私の友人たちはたいていそのことを知っている。
昨日3月9日の朝日新聞にその大統領エボ・モラーレスが来日したと報道されていてコカ栽培のことが大きく取り上げられていたのに驚いている。南米は今、ベネズェラのチャべス大統領を中心に親米から反米へと大きなうねりが出来つつある。モラレス大統領も反米の旗手の一人となっている。



そもそもボリビアの先住民はコカの栽培を伝統的に昔からしていた。16世紀、スペイン人によってポトシ銀山の坑道で過酷な労働を強いられていた先住民は鉱山の中で空腹ときつい労働を紛らすためにコカの葉をかんでいた。もっと昔先住民はコカを霊的な儀式に用いてきた。これらはコカイン(麻薬)ではなくコカなのだ。コカの葉っぱを用いるのだ。とエボは答えている。
コカの葉っぱは危険ではなく、むしろ胃腸の働きを助ける。ボリビア人の家にはどこでもコカ茶が常備されていて、おなかを壊したときなど、コカ茶を飲ませることになっている。実際スーパーへ行くと紅茶と同じようなティーバッグが売られている。私もコカ茶は日常的に飲んでいた。

しかし、他方でコカの密売組織とかかわっているコカ生産者がいることも確か。以前はこの密売組織撲滅のため、アメリカがボリビア政府を援助し、コカの生産者の強い抵抗にあっていた。死者までも出るほどだった。
今はアメリカも手を引き、(アメリカはコカコーラの会社でコカを必要としているので、全面的にコカ・ゼロには出来ない事情もあった)コカ栽培農家出身のエボモラーレス大統領は彼らを保護している。

今後コカ栽培はどうなるのか・・・少なくともコカの栽培がなくなることはないだろう。伝統的なものなのだから。



写真上はエボ・モラレス大統領来日の報道。
写真下は私が描いたボリビアの農村風景
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