昨年3月から六ヶ所再処理工場で原発から出る使用済み核燃料を処理するアクティブ試験が始まっていた。その講演会だった。
しかし、今回の新潟県中越沖地震が起こって、柏崎・刈羽原発で噴出した放射能モレなど多くの問題にも応える形の講演会となった。
原子力に関しては第一人者の広瀬隆さんが今回の講師。(写真)
今回の刈羽原発は建設当時から東電は活断層を認識していたにもかかわらず原発を計画した。
実際には柏崎沖30km以内に4本の活断層があり、そのうちの1本は原発の沖合い20kmにあり(とても近い!)海岸と並行に伸びていた。敷地内に断層があることが指摘されていたが、8km以内の短いものに切って政府に申請を出していた。活断層ではない断層として申請してあった。(とても作為的)
この図はそのことが18日に発覚した時の新聞記事。本震のあとの余震数100回の集計を地図に落とすと刈羽原発の直下までも活断層が続いていることが分かる。
中越沖地震ではなく柏崎刈羽原発地震と呼ぶべきだ。
地震時、運転中だったのは2,3,4,7号機。3号機が火災を起こしたことであわや、と思ったけれど、実は2号機は他のと違ってこれからまさに運転に入ろうとタービンを加速していたところだったから、へたすると暴走したかもしれない、非常に危険な状態だったそうだ。
原発の建屋の建設は強度別にABCと別れていて、炉心があるところは絶対に放射能が漏れてはいけないのでもちろんA、火事があったところは放射能と直接関係のない外部だからCという風になっている。けれど、もともと原発敷地内はどこも危険なのだから場所によって強度分けして建設するのはおかしい。
広瀬さんは本題、六ヶ所再処理工場についても語ってくれた。
原発から出る使用済み核燃料をそのまま捨てることをしないで再処理してMOX燃料というプルトニウムとウランの酸化物に分けてもう一度原発で使おうというのがプルサーマル。
再処理工場はプルサーマルの一環ということになっているけれど、これは目的のない何の役にも立たない施設。
使用済みの核燃料の棒を細かく断ち切って(放射能が飛び散る)もう一度ウランとプルトニウムとに分ける、このプルトニウムをもんじゅが事故を起こして使用不可能になったことから計画にもなかった一般の原発で再利用しようというもの。再処理によって低レベル廃棄物が元のままで廃棄するのに比べて40倍も多く出るというのに。捨てるところは日本中どこにもありません。
原発とちがって再処理工場は放射能が外気や海に放出されるので、再処理工場のあるイギリスのセラフィールドやフランスのラアーグの周辺では小児ガンが多発していてイギリスの大衆紙ミラーでさえもトップ記事で「子どもは作らないで!」という記事を載せていた。
再処理工場はいらない!
これがこの講演会の結論でした。
私たちはこの「再処理工場はいらない」を署名活動につなげていく。
でも、こんな危険なことが分かっていても原子力にこだわる電力業界、そこにかかわるメーカー、莫大な交付金を受け取る地元、原子力を国策とする政府、何か変ではありませんか?
明日は講演会後半で「豊かな三陸の海を守る会」会長の田村剛一さんのお話。
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