六ヶ所再処理工場があるのは青森県。隣県岩手県三陸には六ヶ所の情報は殆ど入ってこなかった。あるとき、工場が試運転を始めるということが三陸海岸地方にも伝わり、しかも再処理工場からの廃液で三陸の海が放射能で汚染されると知ったから住民の皆さんは大きなショックを受けた。
それはなぜか、再処理工場は原発と違い放射能を海に流すことが分かったからだ。
それから大騒ぎになって、住民が原燃に対し公開討論会を開くように申し入れたけど、ご他聞に漏れず、初めは開かないといっていた。次に開くといってきたのは出席者の条件付。
いわく、漁業関係者、自治体の首長、議会議員に限るというもの。それでも三陸の住民700人もが集まり、疑問を原燃にぶっつけた。
しかし、原燃が開いた公開討論会は再処理工場が稼動するたった2日前のことだった。
昨年3月31日、再処理工場の試験運転は始まった。
そもそも、下北も岩手沿岸も陸の孤島であったが、列島改造論のとき、青森県はむつ小川原の巨大開発を選び、岩手県は当時田老(原子力発電)種市(火力発電)など開発構想を政府から示されたけど、選んだのは漁業で生きる道だった。海に生きることを選択したのだった。岩手県にはきれいな海が必要だった。
そこへいくと青森県は陸奥湾でホタテの養殖をしている以外、遠洋漁業なので、海岸線が汚染されたとしても、被害は少ない。岩手県三陸海岸は沿岸漁業なので、海が汚染されたら仕事にならない。
そこで同じ東北地方でも県によって考え方がちがってくる。青森県は風評被害に対して600億円の保証を得ている。海にかけた岩手には一円の保証も無い。岩手には生産量日本一を誇るワカメ、あわび、2位のウニがある。ワカメ生産の重茂漁協のある地区では合成洗剤を使わない努力をしている。
青森県と足並みをそろえるのは難しい状況だが、田村さんの会は豊かな三陸の海を放射能で汚染されたくない思いを請願にして、岩手県三陸海岸沿いの13の自治体の議会へ提出し、なんと9つの議会で採択された。
いま、ひとつ、問題は核のごみの最終処分場が日本中どこにも無いことだ。地震に強い古成層の通っている、民話の里で有名な遠野が最終処分場の候補地として上がった。遠野村では自治体あげて反対決議を出し、難を逃れた。
で、なんと千葉県の市原も地層が固いことからその候補地になっているのです!すでに調査は行なわれた!
情報というのはいつ知るかが大切!遅すぎては打つ手はありません。
聞けば聞くほど、海を汚し、魚や海草を放射能汚染させる六ヶ所再処理工場の廃液の海への放出。
漁業の不振、住民の健康被害への不安、海洋汚染、と大きな問題を抱えた六ヶ所再処理工場の汚染廃液放出。
田村さんの現地の運動は田村さんの運動だけに終わらせてはいけない、海を守り、健康を守りたいのは私たちも同じ。田村さんの運動に私たち消費者も声を出していかなければいけないと会場にいる誰もが感じたことでしょう。
なぜなら、海は魚を養い、魚は私たちを養っている。海を大切にしていかなければならないから。
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