吟遊詩人の唄

嵯峨信之を中心に好きな詩を気ままに綴ります。

短夜/嵯峨信之

2008-11-21 13:13:47 | 嵯峨信之
 動物のように恥じることなく死にたい
 という言葉が
 ぼくを捉えて放さない

 大きな石に抱かれているその言葉は
 いつまでも孵化しない

 その言葉を鏡面にふかく刻みつけて
 ぼくは夏の短夜をひとりはなれて眠る
      *
 永遠はなにも言わない
 ただ時の鐘をつるしているだけだ 

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