
秋になるとよく目にするのが「天高く馬肥ゆる秋」というフレーズです。
まさに、空が澄んで高く見える秋の日、豊かな収穫で馬も肥えていく季節が思い浮かびますね。
このフレーズは中国唐代の詩人、杜審言(としんげん)の詩のなかの「雲浄くして妖星落ち、秋高くして塞馬肥ゆ」が出典だそうです。詩文の意味は「雲が浄い季節に不吉な星が落ち、秋空が高くなると北辺の馬が肥えてくる」。
いったい何のことかしら…という感じですが、実はなかなか怖い意味がこめられています。
実は作者の杜審言は「秋空が高くなる頃、北方の匈奴たちが飼っている馬たちが肥えて逞しくなる。そろそろ匈奴たちが馬に乗って我が国に攻め入ってくる頃だ。気を付けましょう」と警告しているのです。
爽やかな秋の季節にはそぐわない警告の詩ですが、当時の人々には重大な問題だったのでしょうね。
ちなみに、この詩を書いた杜審言は「唐代の代表的詩人・杜甫」のお祖父さんだそうですよ。
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