
この季節を代表する七種の草花が『秋の七草』。
萩(ハギ)、尾花(ススキ)、葛(クズ)、撫子(ナデシコ)、女郎花(オミナエシ)、藤袴(フジバカマ)、桔梗(キキョウ)の7つの草花を指します。
筆頭に挙げられた『萩(ハギ)』はマメ科の植物で、東アジアから北米東部、オーストラリアまで広く分布しています。
『萩(ハギ)』というと、日本の秋の風情を象徴する花のイメージがありますが、アメリカやオーストラリアにもあるのですね。
ちなみに『萩(ハギ)』の英語名は「ブッシュ・クローバー(クローバーの茂み)」といいます。クローバーはシロツメクサなどの総称で、そういえば何となく花の形が似ているような気がします。
我が国の『萩(ハギ)』は昔から和歌や音楽の題材として親しまれてきました。
万葉集にもこの花を詠んだ歌がたくさんあり、その一例が「我妹子に恋ひつつあらずは秋萩の咲きて散りぬる花にあらましを」です。
意味は「あなたに恋などしないで、秋萩の花のようにただ咲いて散ってしまえばよかった。なぜなら生きていても、あなたは私の気持ちに応えてくれないのだもの」。
あらまあ…、これは切ない恋心を詠んだ歌ですね。『萩(ハギ)』の儚げな風情は、ツライ恋を表現するのにピッタリなのかもしれません。
いつの世も、男女の恋愛模様は変わりません。秋萩のように散らず、あなたの恋が実りますように!
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