
あのレッドショルダー基地の大混乱、大乱闘、大破壊、大戦闘は、よ~く思い起こせば、そこのトップである“司令官リーマン”じきじきの指示が引き金なのだった。しかも「キリコに関しては一切手出し無用、ただ観察しろ」という上司ペールゼンの命令を正面から無視した勝手な行動である。一応は不要な倉庫を取り壊す、というイイカゲンな理由もつけていたがw
そう、キリコやカースンが反乱を企てた訳ではない。グレゴルー&ムーザ&バイマンに至っては、不良であることを買われて上官命令で行動したのだ。
いったん騒動が始まると、日頃のストレスからなのか止まらなくなり、なんと貴重な精鋭の結集であるレッドショルダーの同僚同士が撃ち合い始めてしまう。司令塔もほぼ全壊する程の大惨事となる。人材にしても、ATやエネルギーの浪費にしても、実にもったいないっ。
この全責任はリーマンが負って然り、なのだが…。ペールゼンからのお咎めはナシ。というより、実はリーさんの反発心は長年のつきあいであるペーさんの計算のうちに入っていたかも??(PFでも半端ない計算高さは証明されたしな)
敵はもちろん、味方であっても関係者以外が立ち入れない、厳重に遮断された秘密訓練施設のなかの出来事なので、アクションシーンを入れるには、オープニングの入所試験「共食い」からして同胞同士で戦い合うことになるのは当然か。…とはいえ、けっこう無茶苦茶なストーリー展開な気がしないでもないw
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この絵の場面は、その騒ぎの後。自分の放った銃弾によりキリコが絶命(心拍停止)し、失意のまま基地を発つペールゼンを見送るリーマン。
「私は…夢を見ていたようだ」と呆然とタラップを上るペーさんに、「お察しします」とだけ答え、敬礼するリーさん。眉も口元も微動だにしない。ここで、もしわずかでも勝ち誇ったような、または寂しげな表情をしたなら、この二人の印象が全く違ったと思う。
頭脳明晰でとてつもない策略家であるペールゼンが、大いなる野望の源とした“レッドショルダー”を、実質的に育て、鍛え、自国軍からも恐れられる軍隊に仕上げたのは、リーマンである。理想の上司と部下、というと当たり前過ぎるが、あえて“親友”ともいえよう。
片方が自信を持って発した言葉や行動には、もし自分と考えが違っていても水を注さない。そして気持ちが揺らいだ時には真っ直ぐにそれを表現し、相手はそのまま受け止める。無駄な装飾や余計な期待はしない。向かい合う人に対してつまらない欲をかいても面白くない結果にしかならないという事を理解している。
そのストレートな関係性が、お互いにどんなに必要か心得ている。カッチョイィのだ…この二人は。
とか言って、腹ン中ではお互い完璧自己中、ってのもポイントw 人間だもの。