皆さんは湘南電車というのを見たことがあると思います、湘南電車は当初は3枚窓の決してスマートとはいえない外観で誕生しましたが、その後2枚窓のすっきりとした車両とした改良型が誕生してからはちょっとしたブームになり、EF58も同様のボディをまとうこととなり、さらには私鉄にもそのデザインは波及していきました。
阪和線では、ライバルと目されるのが南海電車です。
関西圏では唯一東急車輛が走る線区ですが、これは帝国車両が東急に合併されたことよる名残であり帝国車両時代は非常に丁寧な車両作りをする会社というイメージがありましたね。
余談はともかく、南海電車では昭和29年から新性能電車として11001系の製造を
開始しました。
画像 wikipedia
2ドアオール転換クロスシートで、読書灯がつくという豪華版で乗客の評判は上々、それに対して阪和線利用者の不満などもあって、天鉄局は本社に新車の導入を要請します。
天鉄局は転換クロスシートの南海に対抗できる車両を望んだようですがさすがに転換クロスシートといえば準急等で並ロ(グリーン車)として使っていた時代にそれは通らぬ相談で、その結果として投入されたのが、当時横須賀線で配置され始めていた70形電車でした。
さすがに、11001系を見たらモハ52では見劣りがしたのは想像に難くないと思います。
さらに、南海電車は昭和31年には当時流行していた湘南顔の11001系を像増備します。
阪和線は買収国電区間なので、外様扱いだった、故に旧型車両ばかり投入されたという意見を書いている方が時々いますが、阪和線は、国鉄時代から直接新車の投入が行われており、70形もそうですし、昭和40年代には103系も新車で導入されるなど、阪和線は他の買収国電区間と比較するとすごく厚遇されているのがわかります。
天鉄局としても最も収益性の高い線区ですから、一番力を入れたことは間違いありません。
70形でも不満は有ったと思いますが昭和30年には新車で最初の3編成(4両)が導入され、32年度の300番台は阪和線新時代を感じさせてくれるものでした。
鉄道ピクトリアルから引用
余談ですが、南海電車の11001系は、冷房こそついていないものの、転換クロスシートに蛍光灯(南海の電車は戦前から照明の南海といわれ灯具類にはこだわりがあって、天井の蛍光灯のほかに荷だな下にも蛍光灯がカバー付で設置されており、これが読書灯としての役割を果たしていました。
最近の南海の車両を見ていると1000系でカバーが復活したものの8000系では東急車輛そのものというか関東風の電車というイメージがあり、南海らしさを取り戻して欲しいなぁと個人的には思ってしまいます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます