国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

第093回国会 衆議院運輸委員会 第7号 第二五話

2015-12-11 23:43:21 | 国鉄関連_国会審議
またしばらく間が開いてしまいましたので、久々に書かせていただこうと思います。

平石議員が質問していることとして、建設途上のローカル線は今後どうなるのかといことから質問をしているのですが、鉄建公団としては「地元の御意向を聞いて後処理」ということで線路をひいてほしいという要望があれば作りますよ、そうでなければ知りませんよ。
そういう風に解釈できると質問してるわけで、それに対して、塩川運輸大臣はその用地を道路等に転用と答弁していますが、実際には単線で作られた路盤は自動車の道路としては狭すぎるため道路への転用はほとんど不可能と思うのですが、この時にはそうした活用をお願いしたいと言った答弁をしていることは注目してよいでしょう。

というのが、法案を通すのが目的でありとりあえず答えました感があるんですね。

それに対して、平石議員が鋭い指摘をしていると思います。
「話がつかないということになって一方的に放置されたといったようなことになりましたら、当然いまの問題が出てくるということを予想しておっていただきたい。」
地元で第3セクター鉄道を敷設してほしいと言った話し合いもまとまらなければ当然のことながら放置されることになるわけではないかと指摘しています。

また、その後の運営についても指摘しており、「今後の運営その他についてのいわゆる国からの助成措置、さらには赤字が生じたときにはどのようにするのか、こういったこと等についても十分御準備をいただいて地元の対策協議会の中で話し合いをしてほしい。」この辺は結果的には転換交付金という形で交付されましたが結局この基金を使い切ってしまったところは第3セクター鉄道を選択したにも関わらず維持できずに廃止に追いやられましたところも多数ありました。
現状でも、智頭急行が唯一の黒字の3セクではないでしょうか、それ以外は多かれ少なかれの赤字を地元自治体の支援を受けて運営されている状況です。
そうういった意味では、「国と地方自治体が協力をして何とかその地域の足は確保しなければならぬ。これは政治の責任でもあろうと思うておりますが、何とぞその点は御理解いただきたいと思うのであります。」
この言葉が本当に守られているのかと思ってしまいます。

武田尾 旧線

***********************以下は本文になります。***************************


> 地域におきます特性を生かした、特性に合った交通体制というものを早急に樹立していただく。それにはわれわれも全力を挙げて努力をいたさなければならないと思うのですが、その問題と国鉄自身がいま当面しております財政的な危機というものと、これをどこで調和してやっていくかということにわれわれ悩んでおる次第でございますが、とりあえず国鉄がそういう地方におきまして国鉄の努力ではいかんともしがたい路線につきましてはこの際免責をしてやっていただいて、そういう地域におきます足の確保ということにつきましては、

○平石委員 大臣、いま鉄建公団は、後々地元の意向もお聞きをして対処していきたい、いわば全部この法律待ちという状態です。
    〔委員長退席、関谷委員長代理着席〕
いままでいろいろな各方面からのお話を総合しましても、そういった先の問題についての検討が政府部内で全くなされてない。第三セクターでやるとしても財源の問題やらいろいろの問題がすぐ目の前に出てきますが、そういったことを示しもしてない。それはなぜかと言ったら、政府部内で話し合いを積んでないわけです。もし行かないということになりますと、いままでの用地についての事後処理の問題がまた出てくる。こういったこと等をも十分見通しを立て、そして、それらに対応のできるような、そして国会で十分説明のできるような体制で私はやるべきだと思う。だから、そこまでまだ十分な煮詰めの足らない中で一潟千里にこの法案が処理されるということについては、非常な不満と憤りを感ずるわけですが、大臣、その点についてひとつ所見を承りたい。

○塩川国務大臣 用地の問題でございますけれども、これは先ほども鉄建公団の藤田理事が言っておりますように、地元の御意向を聞いて後処理をしなければならないことは当然でございますが、私たちといたしましては、できるだけ公共的な用途、すなわち、たとえばりっぱな道路をつくるとかいうことを私たちも期待いたしております。
 また、どうしても買い戻しをさせいとおっしゃるような、そういうところにつきましては、その地域におきます御意見がまとまってきた場合にはそういう措置もとられることがあるのではないかと思うたりいたしておりますが、いずれにいたしましても、そういうような問題に対しましては誠意を持って当たっていかなければならぬと思うのであります。したがって、この問題は法案が成立いたしまして、なおいろいろと政府内において協議をしなければならぬ問題があることは当然でございますが、それらにつきましては、再三申しておりますように、政府としての政治的な行政の処理というもの、これは十分にわれわれも内部で協議を重ね、そしてまた地元の御意見も聞いて処理してまいりたいと思うております。

○平石委員 そういうお気持ちはいいのですが、もし地元で調わぬ、誠意でもってやったけれども話がつかぬという場合は、二年間の猶予でもって見切り発車、こうなっているわけですね。だから、そのようないわゆる見切り発車をしてまで強行しようという姿勢がこの法案に見えておるわけです。私はそういうことで誠意を持って話ができるかな、そんないろんな事後処理の問題等もあるが、それができるかな、こういう心配を持つものです。これが話がつかないということになって一方的に放置されたといったようなことになりましたら、当然いまの問題が出てくるということを予想しておっていただきたい。そして、今後の運営その他についてのいわゆる国からの助成措置、さらには赤字が生じたときにはどのようにするのか、こういったこと等についても十分御準備をいただいて地元の対策協議会の中で話し合いをしてほしい。そして、高知県の置かれた状況というものをも十分勘案をして、単なる画一的な基準でなしに、在来線につき、新線について十分御配慮を賜るように特に要望をしたいと思うのです。
 最後にひとつ大臣の決意をお伺いしまして、終わらせてもらいます。

○塩川国務大臣 全国を見まして、そういう地域は相当地域それぞれに特性があり、また悩みもあることは私は承知いたしております。そこで、再三申し上げておりますように、それらはどうしてもそれぞれの地域におきます特性を生かした、特性に合った交通体制というものを早急に樹立していただく。それにはわれわれも全力を挙げて努力をいたさなければならないと思うのですが、その問題と国鉄自身がいま当面しております財政的な危機というものと、これをどこで調和してやっていくかということにわれわれ悩んでおる次第でございますが、とりあえず国鉄がそういう地方におきまして国鉄の努力ではいかんともしがたい路線につきましてはこの際免責をしてやっていただいて、そういう地域におきます足の確保ということにつきましては、国と地方自治体が協力をして何とかその地域の足は確保しなければならぬ。これは政治の責任でもあろうと思うておりますが、何とぞその点は御理解いただきたいと思うのであります。

○平石委員 以上で終わります。

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