こんにちは、赤い帽子の駅長さんシリーズ復活です。笑
ただいま夜の8時、街中ではまだまだ人通りも多い時間帯でしょうが、駅長さんが勤める小さな駅では人影もまばらです。
先ほど、小さな女の子がお母さんに連れられて家に向かっていきました。
手には小さな赤い手袋。
きっとお母さんの手作りなのでしょう、でも少し様子が変ですね。
お尻のあたりに何かふさふさと黄金色の髪のようなものが見えます。
どうも先ほどの親子は狐のようです。
駅長さんは、慌てて先ほど回収した切符を見てみますと・・・あらあらどうしたことでしょう。
切符と思ったのは、木の葉で作った偽物でした。
駅長さんは、しくじったなぁと言う顔をしながらも既に後の祭り、きつねの親子は既に森の中に消えていました、。
「仕方がないなぁ」呟きながらも、今日の売上を計算するのでした。
えーっと、現金が、千円、2千円・・・・8千円と。
後、小銭が締めて、1780円。
合計で、9780円か、
さて、ここからつり銭の5000円を引くと、おやおや今日の売上は4780円かこりゃまたよく売れたものだ。
おやおや駅長さんこんなこと言っていますが、本当にこの駅では売上が少ないのです。
これじゃ駅長さんのお給料も出ませんよと言われそうなのですが、駅長さんはとても嬉しそう。
きっと、根っから陽気に出来てるのでしょうね。きつねの親子のことなどすっかり忘れていました。
さて、次の日
駅に、駅長さんを訪ねて美しい婦人がやってきました。
「あのー。駅長さんにあお会いしたいのですが?」
「はい、駅長は私ですが。」
駅長さん、急な美人の来客に面食らいながらも少し嬉しそうです。
さて、なんの用事なんでしょう?
「昨日、汽車に親子で乗せていただいたのですが、・・・・・。」
駅長さんは、昨日のきつねがやって来たことを知りましたが、
「オヤオヤどうされたのですか? 切符はきちんといただきましたよ。」
「え?でも私は・・・」
「何を言ってるのですか。私はきちんと切符をいただきましたよ。」
実は、切符はやはり偽物だったのですが駅長さんは、それを知ってて知らない振りをしたのでした。
きつねのお母さんは、少しきまり悪そうに。
実は昨日、息子がどうしても汽車に乗りたいと言ったので、木の葉で切符を作って乗ったのです。
切符は1日経つと元の木の葉に戻ってしまいます。
「切符の代金は、私が働いてお返ししますので・・・・。」
母きつねは、駅長さんに頼み込むのでした。
駅長さんは、にっこり微笑んで、「いえ、もう切符の代金はいただきましたよ。」
目をきょとんとさせる、母きつねをよそに、駅長さんは次の列車が来るからといって駅の中に入ってしまいました。
事情を察した、母きつねは、深深と頭を下げて帰って行くのでした。
翌日、駅長さんの勤める小さな駅には、たくさんの木の実などが積み上げられていました。
そう、親子のきつねが駅長さんへのお返しとして、山から集めてきたものだったのです。
駅長さんは、今度母きつねが来たときには、赤い手袋に似合う帽子をプレゼントしようと思ったのでした。
そう、だってまだまだ冬は寒いのですから。
fin.
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