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日産 vs. ゴーン

2020-11-29 18:00:00 | 読書


「日産 vs. ゴーン 支配と暗闘の20年」
井上久男著、文春新書、2019年2月

本書の初版は2019年2月。
2018年11月、カルロス・ゴーンの逮捕、会長解任を受けて出版されました。

初版は買わなかったのですが、その後2019年9月には西川社長が取締役会から促されて辞任。
2019年12月にはゴーンが音響機器のケースの中に隠れてレバノンへ逃亡と興味深いニュースが続き、
日産自動車という会社、カルロス・ゴーンという人物が気になったので買ってみました。

2018年11月社内クーデターでゴーンが追放された話から始まり、
創業からゴーン逮捕までの日産の歴史、ゴーンのインタビュー、
日産だけでなく自動車産業の未来予想図といった構成になっています。

ゴーンはイエスマンを優遇し、異なる意見を言うものは冷遇したそうです。
また2019年の社長辞任を予言するかのような、西川についての悪評も書かれています。

日産における独裁者はゴーンに始まった話ではなく、
過去にも川又、塩路、石原といった独裁者がいて、
ライバル出現の際には週刊誌にゴシップを売って保身に走ったそうです。

その後経営危機に陥り、複数の提携交渉が二転三転し、最終的にルノーと提携することになります。

そしてゴーン来日。
当初は「リバイバルプラン」「日産180」2つの中期経営計画でコミットメントを達成しもてはやされます。

しかし削減できるムダがあるうちはよかったのですが、
ムダがなくなってもさらなる業績向上のため必要なコストまで削減することになります。

また2005年ルノーCEOと兼務するようになってから、
ルノーの利益確保ために、日産の業績が良くない中、
研究開発費を削減してまで配当を引き上げてルノーに回るようにしたり、
個人の投資の損失や資産購入に会社のお金を充てる私物化が目立つようになります。

そして歴史は繰り返す。ゴーンも社内から足を引っ張られて会社を去ることになります。

ここまでゴシップを提供してくれる会社もなかなかないです。
日産の関係者の方には申し訳ないですが、興味深く読むことができました。




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Unknown (クワヒロ・バラーナ)
2020-11-29 23:37:28
こんばんは。


ゴーンの日産が本当にリバイバルしなければならなかったのは、販売だったのではないかと改めて思いました。

もちろんムダ取り、大げさな言い方かもしれませんが、それが既得権益であれば、なおさらだと思います。

ただ、それが販売にもテコ入れが入ってしまった。
売れないからやめる、売れない車種を廃番にして、売れない販売網を畳む。
それでそれらに擁していた資源が一時的には回収できたのかもしれませんが、それらを求めていたニッチを取りこぼす。
絞った販売網に集まっただけで、売りが伸びた・戻ったと勘違いし、勘違いが次のメシの種である研究開発に手をかけてしまう。

なぜ売れないのか、どうしたらもっと売れるのか。

ただ、これは日産だけの課題ではなく、ゴーンをモデルにリバイバルプランを進めてきた日本の企業全体の近未来の課題だと思います。
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コメントありがとうございます! (bk31)
2020-11-30 00:12:40
確かに売上が増えないとコストカットにも限界がありますよね。
そして売上が増えないのは、おっしゃる通り日産だけでなく多くの国内企業共通の課題ですね。
返信する

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