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働かないアリに意義がある

2022-12-02 07:25:00 | 読書
「働かないアリに意義がある」
長谷川英祐著、メディアファクトリー新書、2010年12月



生物学者がアリの集団の生態を観察した本。

「働かないアリがいるからアリの集団が長続きする。これは人間社会にも当てはまるのではないか」
ということで、社会学や組織論などで、本書の研究成果が頻繁に引用されていた時期がありました。

実際のところ、本書はアリの観察の話が中心で、アリと人間を毎度毎度比較している訳ではありません。

アリと人間は個体レベルではそんなに似ているところはないので、比較してもしょうがないですが、
集団の成り立ちという点では、たしかに人間社会と通じる部分もあるのかなあとは思いました。

また、いまの時代こういう分野の研究で予算が取れるのかなあ、というのは率直に感じました。
予算を取るために、こじつけでもいいから人類に役立ちそうに見せる必要があるのかもしれません。


本書で気になった記述(各章末のポイントより引用)

・7割ほどのアリは巣の中で何もしていない
・仕事が増えると働かないアリも働くようになる
・疲労という宿命があると、働かないアリのいる非効率的なシステムのほうが長期間存続できる
・フリーライダーが増えすぎると、そのコロニー(集団)は滅びる
・生物が群れをつくると、自分が食べられる確率がさがる「捕食回避」効果がある
・理想的なはずのクローン社会が多数派にならないのは、多様性がないと伝染病に弱く、分業もスムーズにいかないためらしい




コメント (2)
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