ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

現代カントリー・ミュージックのアルバム・レビューや、カントリー歌手の参考になりそうな情報を紹介しています

Blake Shelton(ブレイク・シェルトン) 「Pure BS」

2008-02-23 | カントリー(男性)
 ●2008年のアルバムStartin' Firesのレビューはコチラ● 

 精悍なルックスとたくましいボーカルが、まさに”声のアスリート”と呼びたいくらいの喉の運動量とエナジーを感じさせるBlake Shelton。今作は、これまでのストレート系カントリーから少しシフト(最近こういうパターンが散見・・・)、徹底してアーシーでスワンプなヘヴィー・サウンドをメインに、一部に適度な洗練も顔を覗かせて、Blakeのボーカリストとしてのエモーショナルな魅力が発掘されてる力作です。彼のキャリアのハイライトと言えるでしょう。カントリー・アルバム・チャート2位は当然として、ポップ・チャートでも8位を記録しています。ここで見せる豪快で躍動感溢れる表現力は、現在の”ホワイト・ソウル・マン”と言ってしまいましょう。

 このアルバムのただならぬ強力ぶりは、1曲目のヘヴィー・ロッカー"This Can't Be Good"から早速披露されます。ゴリゴリのブリティッシュ・ハード風の大きなギター・リフが曲の骨格を形成、しかしBlakeの声はそのバックに負けることなくソウルフルに燃え盛ります。シングル・カットされた"The More I Drink"もこの手のジャンプ曲で、より快調なカントリー・ロック。カントリー・フレイバーはしっかり保ちつつも、荒削りな声が聴き手の心に迫ります。スローでは、そんな彼らしい渋みのあるカントリー・バラード"I Don't Care"もハイライトですが、特筆すべきは"Back There Again"。コンテンポラリーなピアノをバックにした、その切なる魂からの歌声に圧倒されるゴスペル・タッチのパフォーマンスです。この手の洗練系では、ナイーブなイントロでスタートするミディアム"What I Wouldn't Give"が少し異色で、なかなかに器用なところを見せます。しかし、やはりBlakeらしいと思うのはオーガニックなザクっとしたカントリー曲、"She Don't Love Me""It Ain't Easy Bein' Me"あたりかな。ココラが一番自然な比較的安心して聴けるスタイルと思います。ラストの"The Last Country Song"は大御所ジョン・アンダーソンやジョージ・ジョーンズの声がチョコット聴けるストレート・カントリーで、スカッとアルバムをクローズしてくれます。

 

(プロフィール) 1976年オクラホマ州Adaの生まれ。10代から曲を書き、ホンキー・トンク・バーでプレイしながらスタイルを磨いていました。そして17歳の時、プレスリーの"Heartbreak Hotel"の作者Mae Boren Axton(そして、”Queen Mother of Nashville”とまで言われている人)と出会います。彼女は、自身をたたえるトリビュート・ショーの為、オクラホマに戻っていたのです。Blakeは認められてそのショーへ出演。そしてAxtonはBlakeにナッシュビル行きを勧め、彼は高校を卒業後たったの2週間でナッシュビルへ向かうことに。1994年のことです。1997年に曲を共作した友人が、名曲"He Stopped Loving Her Today"や"D-I-V-O-R-C-E"のソングライターBobby BraddockにBlakeを紹介。そのBraddockのプロデュースでWarner Brosから2001年メジャー・デビューを果たしました。デビュー・シングル"Austin"はシングル・チャートで5週連続1位を記録。上々のデビューでした。2003年には高校生の頃からの彼女と結婚しますが、2006年には離婚。現在の彼女はMiranda Lambert

 

 そしてこの「Pure BS」、そのMirandaとデュエットした新曲"Home"を追加して再発売されます。ポップ・シンガーMichael Bubleの2005年のヒット曲を、ストリングスを加えてなかなかにメロウなカントリー・バラードにしていて、Blakeののバラディアー的でびやかな声がジックリ堪能できます。Mirandaも出しゃばらず適度に、寄り添うように好サポート。

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2 コメント

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私は Some Beach から (yy harley)
2008-02-26 15:14:13
私が Blake Shelton を知ったのは、2004年に出した 「Some Beach」 でした。
マァ、ダンスからなんですがね。

まだ髪の毛が長かった頃ですが、その後サッパリしたかと思ったら、又イメチェンを図っているんでしょうか。

今後の活躍を期待したいですね。
Blake (bigbird307)
2008-02-28 00:57:51
yy harleyさん、有難うございます。

"The More I Drink"などノリが良くて、踊れる曲ではないでしょうか。といって、私踊れないのですが。

確かに今作はチョッとイメチェンしたみたいです。ストレート・オンリーでは、今は難しいようですね。メインストリームで活躍する人はトレンドに敏感。例外はAlan Jacksonらの皇帝様クラスのみですね。

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