
1986年のデビュー以来、1960年代に一世を風靡したカリフォルニアのベイカーズフィールド・サウンドをベースとした、常に質が高く、唯一無二のロカビリー的ロッキン・カントリー・ミュージックを提供し続けてくれているドワイト・ヨーカム。2000年代に入ってからは人気もある程度落ち着き、インディー・レーベルから作品をリリースしていましたが、この2012年の作品は堂々のメージャー、ワーナー・グループからのリリース。思えば前作「Dwight Sings Buck 」は2007年なので5年もの月日が経っていますし、これとてベーカーズフィールド・サウンドの立役者であるバック・オウェンズのカバー集でしたから、自身のオリジナルをフィーチャーしたアルバムとしては、2005年の「Blame the Vain」以来7年ものブランクを経ての復帰作です。にもかかわらず、そのブランクを感じさせないクオリティとパワーを誇る事に、この人の才能とセンスの偉大さを感じずにはいられません。嬉しい!
全体のギター・サウンドは、クリアというより、かつてない程にハード。しかもアコースティックだけでなく、リードのエレクトリック・ギターも殆どドワイト自身が弾いているのです。派手さはないけど、ツボを抑えた彼のフレーズは抜群のセンスを感じます。さらに、曲想的にも新たなスタイルのナンバーに挑戦しており、キャリア30年近くにもなるベテランとは思えない創造力溢れるフレッシュなアルバムである事を強力にアピールします。インディー時代以上に、インディーでオルタナ・ロック的な雰囲気があるのね。これ、2曲で共同プロデュースを担当したオルタナ・ロッカーBECKからの刺激もあるのでしょうが、何よりドワイト自身の音楽に対する深い探究心の賜物だと思います。

注目のオープニング"Take Hold of My Hand"からドワイトらしさ全開のロッキン・チューン。 リズミカルなベースのイントロが鳴ったとたんに、Yeahhhh!という感じで、彼にしか出せないこのグルーブ。これを待っていたのです。シャープにキレるドワイトのギターがイカしてます。トラディショナルなホンキ・トンク"Dim Lights, Thick Smoke"は、ハードなギターコードが炸裂する8ビートに変身。この手法はドワイトお得意のものですが、この歪んだギター・サウンドは本作ならではのテイストです。ミディアムの"Nothing But Love"あたりになると、このヘヴィネスは殆どロックのそれですね。これ、フェイバリットのひとつです。タイトル・チューン"3 Pears"もこれら系列のロッキン・チューンで、ロカビリーっぽいドワイトのリードギターが引き立ちます。

一方、スローやミディアム系も個性豊かなナンバーがラインアップ。ナイーブな"Waterfall"は、クールなグルーブが新たなドワイトの魅力を見せてくれます。"It's Never Alright "は、イントロのピアノに導かれ、ゴスペルタッチで切々と歌い上げられる南部風ソウル・バラード。かつて"Nothing"というソウル調の名曲をモノにしている彼ですが、ココではよりストレートにソウル・スタイルを取り入れ、重厚感あふれ感動的です。BECKとのコラボで注目の、"A Heart like Mine "と"Missing Heart "ですが、特にむせび泣くペダル・スティール・ギターが強烈なロンサム感を醸し出す"Missing Heart "が素晴らしい。ドワイトのボーカルも実にエモーショナルでその魂の歌声が心に染みます。そして、ラストにピアノのみの伴奏による"Long Way To Go"のリプライズを持ってくる演出、泣かせてくれます。
本アルバム、彼の長いキャリアの中でも、かつての名作達に全く引けをとらない好盤と、もっぱらの評判です。まだまだドワイトの動きからは目を離せそうにありません。
なお、ドワイトのプロフィールは、前作「Dwight Sings Buck」の記事に記載してますので、ご参照下さい。
全体のギター・サウンドは、クリアというより、かつてない程にハード。しかもアコースティックだけでなく、リードのエレクトリック・ギターも殆どドワイト自身が弾いているのです。派手さはないけど、ツボを抑えた彼のフレーズは抜群のセンスを感じます。さらに、曲想的にも新たなスタイルのナンバーに挑戦しており、キャリア30年近くにもなるベテランとは思えない創造力溢れるフレッシュなアルバムである事を強力にアピールします。インディー時代以上に、インディーでオルタナ・ロック的な雰囲気があるのね。これ、2曲で共同プロデュースを担当したオルタナ・ロッカーBECKからの刺激もあるのでしょうが、何よりドワイト自身の音楽に対する深い探究心の賜物だと思います。

注目のオープニング"Take Hold of My Hand"からドワイトらしさ全開のロッキン・チューン。 リズミカルなベースのイントロが鳴ったとたんに、Yeahhhh!という感じで、彼にしか出せないこのグルーブ。これを待っていたのです。シャープにキレるドワイトのギターがイカしてます。トラディショナルなホンキ・トンク"Dim Lights, Thick Smoke"は、ハードなギターコードが炸裂する8ビートに変身。この手法はドワイトお得意のものですが、この歪んだギター・サウンドは本作ならではのテイストです。ミディアムの"Nothing But Love"あたりになると、このヘヴィネスは殆どロックのそれですね。これ、フェイバリットのひとつです。タイトル・チューン"3 Pears"もこれら系列のロッキン・チューンで、ロカビリーっぽいドワイトのリードギターが引き立ちます。

一方、スローやミディアム系も個性豊かなナンバーがラインアップ。ナイーブな"Waterfall"は、クールなグルーブが新たなドワイトの魅力を見せてくれます。"It's Never Alright "は、イントロのピアノに導かれ、ゴスペルタッチで切々と歌い上げられる南部風ソウル・バラード。かつて"Nothing"というソウル調の名曲をモノにしている彼ですが、ココではよりストレートにソウル・スタイルを取り入れ、重厚感あふれ感動的です。BECKとのコラボで注目の、"A Heart like Mine "と"Missing Heart "ですが、特にむせび泣くペダル・スティール・ギターが強烈なロンサム感を醸し出す"Missing Heart "が素晴らしい。ドワイトのボーカルも実にエモーショナルでその魂の歌声が心に染みます。そして、ラストにピアノのみの伴奏による"Long Way To Go"のリプライズを持ってくる演出、泣かせてくれます。
本アルバム、彼の長いキャリアの中でも、かつての名作達に全く引けをとらない好盤と、もっぱらの評判です。まだまだドワイトの動きからは目を離せそうにありません。
なお、ドワイトのプロフィールは、前作「Dwight Sings Buck」の記事に記載してますので、ご参照下さい。
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