バリ記 

英語関係の執筆の合間に「バリ滞在記」を掲載。今は「英語指導のコツ」が終了し、合間に「バリ島滞在記」を連載。

バリ記5

2019-12-16 10:36:09 | 日記
1999年11月5日
いいじゃないか


日本人女性がバリの男性に魅かれて恋に陥る。お金までも日本から送金する。男性側の方には、そういう日本人女性が何人かいて、ローテーションを組んで、それが仕事だと割り切っている。
そんな報道番組をNHKかどこかで、二年前に見たことがあります。かなりの現地密着の隠し撮りもやっていて迫力がありました。男性の顔がぼやけたりすると、とたんにあやしげになり画面に迫力がでるものだなあと思ったりしましたが、こんなテレビのお節介にはあきれたもので、いかにも男買いをする日本人女性を批判するような視点で、これを作った人間はどんな奴なんだと思いました。恋愛なんか勝手にやればいいじゃないか。だまされていたとしても好きになっちゃうことなんてのはよくある話だし、お金を送るとかいうのもそのときの関係性のことだし、何が悪いの? と言いたくなります。
インターネットでヤフーの掲示板なんかのぞいても、男と女のああでもないこうでもない、私はやっぱりだまされているのかしら、でも・・・・みたいな話に結構、メールで励ましやらお説教やら同情やらが集まっていておもしろいのです。
こういう、政治とか経済とか違った日常の人間の心の動き方みたいなことの方が、のぞく側としてはおもしろいのです。
 日本の女性とバリの男性。きっと話す言葉は、動物語なんでしょうね。言葉なんて最小限でいい。「アハハ」とか「何それー」とか「わぁ、おいしい」とか、それでも人間というのは、優しさとかたくましさとか、何か心で感じていることがお互いにわかるんですよね。
 今日も日本人の女性をエスコートしている男性をたくさん見ました。しかし、これは日本人女性だけでなく、バリに来るフランス人でもオーストラリア人でも、同じようなことになってしまう人はなってしまうもので、実際僕も、フランス人でバリのハンサムな野郎にぞっこん惚れていて、フランスからお金を送り、その男性の商売を支援している女性と会いました。いいじゃないかそれで。落ちちゃうときは落ちちゃうのです。
 好きな人とバリ島で、しかもどこか隠れ家のようなホテルのガゼボで海を前に寝転んで本を読んだり、時折いちゃついたりするなんては、恋をした人の妙味ですよ。生涯にもう二度とないかも知れない、さぞかしきれいな思い出になるでしょうね。

1999年11月6日
盗み聞き


 (パチパチパチと、ガドガドが来たので拍手)
【女1】:いいよ、いいよ、いいよね。これがガドガドかあ。ビールまだいく?
【女2】:うん
【女3】:(ガドガドの写真をとっている)
 (続いてミーゴレンなど3種類ほどの料理が運
ばれてくる)
【女1】:ワーイ、いいな。ガドガドってちょっと
匂わない?
【女2】:うん、匂う。何?
【女1】:だけどさあ、バリの男って気を使ってくれるよね。
【女2】:そうそう。あの親切なのと、笑顔がなんかいいよね。
【女1】:日本にはないよね。何かうんとすましている感じがするじゃない、日本の男って。
【女2】:ガイドなんてさあ、一日つきあってくれたら、やっぱ気を許しちゃうんじゃないの?
【女1】:結構そういう子、いるっていうもんね。私、ならないけどわかるよね。
【女2】:うん、わかるわかる。
【女3】:(喋ることなく、写真に忙しく、食べることに忙しい。)

僕はこんな会話を盗み聞きしながら、バリのカニをひたすら一生懸命食べていました。
オイスタソースにしろ、ブラックビーンズやチリソースにしても、やっぱりカニは炒めてからのほうが香ばしくて美味しいけど、脂質分を思ったりして、今日はスティームにしました。
日本は三日が休みなので、四日、五日と休みを取り三日~七日まで日本の旅行客は多いのかもしれません。
それにしても、先の会話は十年以上前、日本にフィリピンの女性がたくさん入ってきて、日本の至るところのスナックやクラブで旋風を巻き起こしましたが、あの頃、日本の男性もちょうど先の会話と同じような話をしていました。何かしら日本の女性にない素朴さや暖かさがあって、日本の女性はツンとすまして、冷たさとわがままがあるように思えると多くのフィリピン狂いの男性たちが言っていました。

1999年11月8日
タクシー

 
 バリタクシー(ブルーのタクシー)が徐々に戻ってきました。暴動で450台のタクシーが焼かれてしまいました。メーター付きバリタクシーが走り始めて、観光客も僕も喜んでいます。
白いタクシーは、用心。メーターなんてあげない者も。べらぼうな値段をふっかけてくる者も。
昨日、テガナンに行きました。10時50分から19時だと、3492円。8時間もタクシーに乗っていたら日本だったら、10万円は越えるはず。
タクシーといえば、ホテルの専用タクシーには腹が立ちます。まず、基本料金がブルータクシーの2倍はします。ちょっと予定の変更でもあれば交渉をしなければなりません。
バリ島が安心して、リゾートを楽しめるところになるには、バリタクシーのような会社、店などが登場しなければなりません。やはり、タクシーはバリの顔のようなものですから。



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