今は卒業式まっ盛りだが、業界的には新学期の学校採用品販売がピークを迎えている。
この時期は担当業務の垣根を越えて、教科書を扱う書店のお手伝いに行くことがある。
時間と労力がかかるのはセット組み。学年によって、また同学年でも選択によって教科書や副教材が異なるので、事前に生徒数分をセットしておくのだ。単純な作業のようだが、気を抜いていると最後に残り冊数が合わなくて、おおごとになる。搬入時に冊数は確認しているから、どこかで組み間違えたわけで、最初からやり直すことになってしまうのだ。
販売は学校に出向いて行って、1時間ほどで集中的に売ることが多い。これも銘柄や、つり銭を間違えないように気をつかう。生徒たちは親からもらったお金を封筒に入れて、大事そうに持ってくる。きちんと勉強するんだよ、と自分のことは棚に上げて学生たちに本を渡す。
ぼくは行ったことがないが、看護学校の教科書販売は厚く重い専門書が多いので、1日販売していると腕が抜けそうに疲れるという。持って帰る方も同様で、さすがに最近は宅配便が増えているそうだ。
教科書販売がひとだんらくすると新学期。企業は新年度。去る人、来る人、悲喜こもごも。さてさて、わが身はあと何度の春を迎えるのだろうか。