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エジプトにわか入門③ 実践編

2009-11-17 20:44:34 | 出版業界

 先週、ようやく、実際にエジプトへ旅行してきた。

 往路はエジプト航空のカイロ直行便で14時間。機内に持ち込んだのはアガサ・クリスティ「ナイルに死す」(早川文庫)。

 アガサ・クリスティは再婚相手が考古学者だったそうで、エジプトには思い入れがあったようだ。本作は探偵ポアロが登場し、映画化もされている。現地ガイドによると、アスワンの5つ星ホテルには「アガサ・クリスティの部屋」というのが今もあり、人気があるのだという。本作を読むと、欧米人がエジプトを冬の保養地として利用していた様がよくわかる。そして今も、リゾート地としての人気は高い。ぼくの駆け足観光旅行とは、時間の使い方が違うのである。

 ホテルで読んだのは新刊の「大ピラミッドの謎」(ボブ・ブライアー著、ソフトバンク・クリエイテブ)。

 今回、ツアーの特典でギザの大ピラミッド内部に入ることができた。途中狭い通路を抜けると、大回廊と呼ばれる不思議な空間に出る。そこから王の棺があったとされる玄室に抜けるのだが……。

 本書は、この大回廊が、ピラミッド建築の際、運搬用エレベーターの役割を担ったのではないかと推測している。著者はフランス人の建築家で、この説はNHKの特集番組でも1時間にわたってCG画像を駆使して取り上げられていた。かなり説得力のある説で、大ピラミッドが天才的な頭脳によって作られたと現地で想像することができた。

 本を読んでいれば旅も歴史もより深く楽しむことができる。もちろん、本を読んだだけでは実感できない部分もある。今回はしみじみとそのことを感じた。旅の距離も歴史の時間も、結局はそこにロマンを感じるかどうか、なのだろう。

 あと、番外編として、エジプトを愛する人に紹介しておきたい本を一冊。

「古代エジプトうんちく図鑑」(芝崎みゆき著、パジリコ)

 エジプトの専門家でもなんでもない女性が、ひとりで文章からイラストまで丸ごと一冊書き上げてしまった快作。まさに「エジプト命」という感じで、その熱意と情熱には頭が下がる。

 さて、次はどこに行こうかな……。