紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

火星人が街にやってくる

2006-11-23 22:49:55 | ドラマ
 今日はH氏に職場まで車で送ってもらった。昨日のブログのB級映画の話から、アメリカの映画監督ティム・バートンの話になって、火星人が地球を襲撃する、不条理でおバカな映画『マーズ・アタック!』の話で盛り上がる。ストーリーがネタバレなので、ご了承の上でお読みください。

「ティム・バートンって、B級映画大好きやったねんて。青春時代にB級映画見まくらはったオタクらしいねんけど、ほんまに面白い映画つくらはるねん。な、Kちゃん? 『マーズ・アタック!』何回見たかなあ」
「3回ぐらい(ビデオで)違うかな」

「それでまた、ティム・バートン監督の映画やったら出演したい!っていう役者さんがわんさといやはるみたいやねん。『マーズ・アタック』は、他の映画やったら主演級の役者さんが脇役で、しかもどんどん火星人にやられてしまうんやで」
「へええ」と映画にはほぼ無関心なH氏が、珍しく興味を示した。

「しかもえらいヒトたちとかは軒並み、火星人にやっつけられちゃうんやけど、最後に地球を救うのは認知症のおばあちゃんとそのおばあちゃんのことが好きで世話をしている孫やねん。あと、ゲームが大好きなスラムの子どもとか」

「それ、新しい映画やの?」
「ううん、Kちゃんが小さかったときに借りたから、10年くらい前かな」

 あとで調べたら1997年公開と判明。

 同じ監督の『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』は山盛りにグッズが出ているくらい一般受けしているけど、『マーズ・アタック!』はけっこうブラックだし、バカバカしいし(火星人が宇宙船の中で『PLAY BOY』を読んでる所が、私は好き)、結末は脱力するし(いや、私はいろんな意味で何回見ても「いいなあーっ!」と思っちゃうんだけど)で、人を選ぶ映画なのかもしれない。

 『ナイトメア』も大好きで何回もKちゃんとビデオで見た。愛知万博にKちゃんと行ったときには、向こうから歩いて来る女性の日傘を見て、「見て、Kちゃん! 『ドラキュラ・ブラザーズ』(『ナイトメア』に登場する吸血鬼たち。常にこうもり傘を日傘にしている)みたいな傘さしてはる!」「ホンマや!」と日常会話に織り込めるまでになった。

 私はほんとはそれほど映画好きでもなく、一般の人よりよほど見ないけれど、『マーズ・アタック!』には、無条件降伏だった。しかしこの映画については、見る人の嗜好と思考を忠実に映す鏡みたいに、100人100様の感想があるんだろうと思う。

 世の中には不条理なこともいっぱいあるけど、「弱者」「無能」「役立たず」呼ばわりされたって、そんな事屁でもないよと口笛吹きながら生きてゆけばいいじゃん、もしかしたらいつかどっかで役にたってるかもよ、という気にさせてくれる。私にとっては、底抜けに「優しい」映画なのである。
 
 ちなみに映画のクロージングの音楽はトム・ジョーンズの『どうにかなるさ』。最高! 最後までひねってくださいます、ティム・バートンさま。

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