紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

小説のテーマ

2009-04-17 14:32:00 | 読書
「人の一生は私たちが思っているよりずっと短く、限られた短い時間の中で愛や友情について学ばなければならない。いつ終わるかも知れない時間の中でいかに経験するか。このテーマは、私の小説の根幹に一貫して流れています」

これは昨日の(実は今日だけど・・・汗)ブログでリンクをはった、カズオ・イシグロさんのインタビューの言葉。ほとんど、これだけで十分感動する。これって、まさに基本。人生のツボじゃん! でもこんなあたりまえのことを、最近ほとんど聞かないんだよね。

 村上春樹氏が英語圏にも読者を広げていることについては「伝統的なリアリズム小説の枠を離れたところに作品世界を設定できるムラカミさんの力によると思います」と語った。親交があり何年か前、ロンドンマラソンを走りに来た村上氏から日本のジャズのCDをお土産にもらったと笑顔を見せた。

 ああ、小説を書くこと、そして読者に対するストイックなまでに誠実な姿勢が、この二人はもしかすると非常に似ているのかも。イシグロさんの小説については、まだ読んでないも同然なのに、異様に好感触(笑)

 2005年7月、ロンドンの地下鉄でテロ事件が起きた。「現在の不安定な世界情勢は、何かが変化したのではなく、何かがずっと続いている状況でしょう」

 それでも生きていく人間への信頼。誠実に日常と向き合う勇気。氏の新作(2006年現在)はそのことを、改めて思い起こさせてくれる。


 短いけどとてもいい記事だったので、リンクだけでは飽き足らず、紹介してみました。