オリンピックの体操男子団体を観て徹夜しました。昼寝したけどまだ眠いです。しかしそれだけの価値はあった。最初の床でいまいち点が出なくて7位になった時は「あちゃー、期待させてまたダメなパターン?」と思ってしまいましたが、次のあん馬でぐっと良くなりそこから最終種目の鉄棒まではルーマニア、アメリカとの三つどもえ状態。一体どうなってしまうのかとハラハラしていたらルーマニアの選手にミスが出、アメリカの点数も伸びず、これだけのプレッシャーの中で最終演技の日本もつられておかしなことになってしまうんじゃないかと心配していましたが杞憂でした。鉄棒の3人の演技は他を寄せつけない堂々としたもので、1人終わって点数が出るごとに大きくなっていく歓声に、観ているだけのこちらも胸が熱くなってしまいました。また、つい見とれてしまうような美しい演技の数々は他の外国選手とは明らかにレベルが違ってました。解説の大西さんが「日本の鉄棒は格が違うんです」と言い切っただけのことはあります。その大西さんが最後の冨田の演技が終わったあたりでもう涙声になってたのが…こっちもうるっと来てしまいました。また実況の刈屋富士雄アナがいーんだ。「大西さん、どうぞ泣いてください」って…。刈屋さんはフィギュアスケートの解説でおなじみのNHKアナで個人的にファンなので、この人の実況でこんなイイ試合が観られて本当に良かった。常に冷静で(でも随所に熱い名フレーズ出まくり)競技を熟知した実況と、他国でも良いところは褒め、減点部分は的確に指摘する解説のコンビは聞いていてこちらの心情に寄り添うような快適さ。いやーNHKが実況担当で心の底から良かったと言いたいです。日本の鉄棒の演技に拍手を送っていたルーマニアとアメリカの選手たちも良かった。それにしてもかつての体操王国ロシアの凋落は激しかった。世代交替が上手くいってないのかな。
あと中国選手もボロボロ鉄棒から落ちたりしてたのですが、そんなんで国に帰って命がだいじょぶなのか心配ですよ?
オリンピック前に「クローズアップ現代」が特集を組んでたのをたまたま観たのですが、日本の体操はかつての黄金時代のあとの暗黒期、活路を求めて当時のソ連に指導者を派遣していたんですね。そこで見たのが幼児の頃から徹底的に「きちんとした美しい姿勢で基礎を繰り返し練習する」という指導方法だったそう。それを日本に持ち帰った指導者たちによって子供の頃から「美しい体操」を身につけるための特訓を受けてきた世代が今回の鹿島や冨田たちであるというのが番組の内容で、それを観て私も「ひょっとしたら今度の体操男子はいけるかも」という期待を抱いたものです。そういう関係者の地道な努力がこうやって見事に花を咲かせた訳ですな。
そういえば刈屋アナ、冨田の演技中「涼しい目をしたエース」とか恥ずかしいフレーズ言いまくりでまいっちゃいました。お気に入りですか?
次は個人。日本選手は当然として「ヒゲのウルジカ」もちょっと応援したい私です。マリオみたいなヒゲのルーマニア選手、見た目35過ぎのおっさんなのに29歳と聞いてびっくりだ。まあ体操選手に限らず、アスリートは大抵年齢不詳なとこがあるんだけど。
追記:
ニッカンの記事 貼っておこう(自分用)