いまにしっぽがはえてくる

別にいいじゃん

最近読んだ本その3

2004-06-08 22:15:19 | BOOK
「岡田史子作品集/ガラス玉」「同/ピグマリオン」岡田史子 飛鳥新社
岡田史子の名前を知ったのは萩尾望都の「まんがABC」だった(こういう人は多いらしい)。当時萩尾先生を盲目的に尊敬していた私は脳に「岡田史子」の4文字を刻み込んだ。神のお言葉だからね。しばらくして朝日ソノラマから「ガラス玉」の単行本が出て、初めて実際の作品に触れた私の第一印象は「わ、わからない…!」でした。といっても作品そのものの意味がわからない難解さというのではなく、どこまで深く考えて読めばいいのかその距離感を掴みかねておろおろしてしまう、そんな感じでした。でもその掴みにくさに逆に神秘的な魅力を感じて、続く「ほんのすこしの水」「ダンス・パーティー」も買って何度も読み返しました。その後何年か前に突然NTT出版から作品集が2冊出たのも買ってますが、続刊は結局出なかった模様。赤瀬川原平の解説付きで「家出前夜」とか読みたかったのに、残念。そして今回は同人誌時代の作品や未発表作その他が収録されているのが売り。なんつっても作者本人の自叙伝風エッセイが一番面白かった。なんか60-70年代の「高校出てから東京行っちゃって今は何してるのかよくわからないお隣のお姉さん」の打ち明け話を聞いているような…なに言ってんだか。
で、ひさしぶりに岡田作品を読んで思った事。「あーこれは詩なんだ」と。詩を読むように岡田史子の漫画は読めばいいんだな、と悟った訳であります。思想じゃなくて思考を楽しむべしですね。あとやはりこの人の絵が大好き。上手いよなあ。「赤い蔓草」なんかもう全コマ見愡れてしまう美しさ。ただ私の大好きな「いとしのアンジェリカ」や「ホリデイ」が未収録なので、今度こそぜひ続刊の発行も実現してほしいところ。

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2 コメント

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岡田史子さんのこと (けい)
2013-01-13 12:30:14
こんにちは、初めまして!いつも楽しみにブログ拝見してます。
古い記事を読ませて頂いていて、岡田史子さんの名前が出てきたので懐かしくなってコメントさせて頂きました。
私も子供の頃萩尾さんのファンで、そこから岡田さんのことを知りました。私の持っているのは昭和51、53年のサンコミックス。最後に著者近影なんて写真が載ってます。今では考えられないですね。
何才で買ったのか忘れてしまったけれど、当時読んだ感想は『難解』。でも絵柄はとても好きでした。
子供の頃買ったコミックスは随分処分してしまったけれど、この作品は手元に残してあります。もう一度読み返してみようかな。今なら全然違う感想を持ちそうですよね。
24日発売のはん子さんの新刊、とても楽しみです。
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懐かしい記事に (hanko)
2013-01-13 22:36:07
コメントありがとうございます。
岡田さんの漫画は今読んでも絵・話ともに
全く古びて感じないのが素晴らしいですね。
作品ごとに変えてあるタッチ、構図など
私など同じ物書きというのもおこがましいレベルですが
読むたび非常に学ぶところが多いです。

24日発売の新刊、
中央書店コミコミスタジオさんでお買い上げの方には
特典ペーパーが付きます。
どうぞよろしくお願いします。
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