「で、迷っているまま、 昼間の高井神社に来た。
そこで 、俺は寺社仏閣について学んで、いつか礼霊ず、に貢献すればいいと思いついたんだ。そしたら…」
カイは何も言わなくなってしまった。ややしばらくして また俺の方を見ると、
「オミ、やつれてるな…」
と、かすかに笑う。
「笑うなよ。カイのせいなんだからな」
「そうなんだ」
カイは穏やかな笑顔で、ちょっと不吉な気もする。
「俺なんか 心配で飯が喉を通らなくって 、カブトムシみたいに営養ゼリー飲んでるんだから。もう二度と いなくならないでよ 」
カブトムシ …カイは大笑いしてくれた
「笑いすぎだよ。でも大変な日々だったけど、ちょっと俺にもね 色々変化があったんだ」
カイの話の腰を折ったまま、俺は自分のことを話し始めた。
「何があったの?」
カイは真っ青になってしまった。やばい。
「俺ね、フリーになったんだよね。だから今は恋人募集中 」
「え? 婚約するとか言ってたじゃん 」
「うん… 」
次の言葉を選ばないと、カイを決定的に傷つけてしまうと俺は思った。