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韓国・釜山の日本総領事館前に設置された少女像に黙とうする女性たち=6日(聯合=共同)

2017-01-17 19:55:54 | 仏教
慰安婦像の撤去が先だ 駐韓大使の「一時帰国」では韓国に伝わらない日本政府と国民の怒り
韓国・釜山の日本総領事館前に設置された少女像に黙とうする女性たち=6日(聯合=共同)
 日本政府が韓国・釜山の日本総領事館前に設置された慰安婦像への対抗措置として9日に一時帰国させた駐韓大使らについて、外務省を中心に早期に帰任させようとする動きがある。だが、早期帰任は各種世論調査で今回の措置を評価している国民感情からかけ離れている。第一、早期に帰任させても慰安婦像がすぐに撤去されることはないだろう。帰任は像が撤去されてからで十分だ。

 駐韓大使らを早期に帰任させたい理由とは何か。共同通信が13日夜に配信した記事は「韓国側の問題解決に向けた取り組みを促すためにも、駐韓大使の不在長期化は好ましくないと判断しているもようだ」と解説している。14日付の毎日新聞朝刊は「韓国内の混乱が深まっていることもあり、大使帰任によって事態打開に向けた韓国側との連絡を密にする」と説明する。

 「いまさら何を」と、ため息が出るような言い分である。

 韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相は平成27年12月28日の慰安婦問題をめぐる日韓合意で、ソウルの日本大使館前の慰安婦像撤去について「適切に解決されるよう努力する」と明言した。

 だが、事態は進展しないまま2つ目の慰安婦像が釜山の日本総領事館前に建った。そもそもソウルの慰安婦像が日韓合意の4年前の23年12月に設置されてから今まで、日本政府は何をやっていたのか。

 外務省幹部は駐韓大使らを帰任させて「北朝鮮への対応を協議する必要がある」とも説明する。慰安婦問題と安全保障問題は別次元の話だから切り離すべきだというのだが、理解に苦しむ。

 慰安婦像をソウルと釜山の日本公館前に設置した団体は北朝鮮と連携し、日韓関係を悪化させることを目的としている。ここで毅然(きぜん)と対峙(たいじ)することが、日韓の安全保障協力を確かなものにするとみる方が自然ではないか。

 本来であれば今回の大使らの「一時帰国」は、もっと厳しい措置である「召還」でもいい。あえて控えめな「一時帰国」にしたのは「釜山の像設置阻止には韓国外務省がかなりがんばった」(政府関係者)ことへの日本政府の配慮だろうが、もう配慮が必要な段階は過ぎた。いま大切なことは日本の怒りと慰安婦像設置が国際法違反であることを明確に示すことだ。

 現状のままで駐韓大使らを帰任させても、日本政府と国民の怒りは韓国に伝わらない。ここを理解させなければ、済州島の日本総領事館前に、新たな慰安婦像が設置されるニュースに接する日はそう遠くないことだろう。(田北真樹子)