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アメリカのトランプ氏は?

2017-01-08 13:44:32 | 経済
トランプ発言の余波に悩む中国・台湾の首脳
 中国政府関係者によれば、ある記念すべき施設の大規模な刷新・修復が12月末までに完了するという。この施設は、1990年代半ばに台湾海峡で米中間の緊張が高まり、二大核保有国である米国と中国が一触即発の危機を迎えた時のものだ。
北京にある、台湾をテーマにした商業地区。中国は、もし米が台湾を容認するという政策変更を行ったら、米中関係に深刻な影響をもたらすとした=AP
 近年の歴史において、この時ほど両国間の緊張関係が高まったことはない。舞台となったのは、台湾海峡の中国沿岸にほど近い場所に浮かぶ小島、福建省平潭島だ。100人を超える将軍がここに立つコンクリート造りの塔の天辺から、眼下の様子を見下ろしている。浜辺で、中国軍が台湾へ侵攻する訓練を繰り広げているのだ。
 今、塔の壁には「中台を統一し中国を活性化せよ」と金色の文字で書かれたスローガンが掲げられている。かつて戦車や軍隊が集結し、戦闘機が頭上を行き交った地でこうしたスローガンを掲げることは、必要なら武力に訴えても台湾を統一するという意思表示に他ならない。
■トランプ氏、米中関係の琴線に触れた
 現在、平潭島に観光客を呼び込むための様々な工事が行われている。その対象は塔の駐車場の拡大や、塔までの道路の修復にも及ぶ。こうした工事が行われているのは、偶然かもしれない。12月11日、米国の次期大統領、ドナルド・トランプ氏は米フォックスニュースのインタビューに答え、中国が対米関係における絶対的な前提と見なしている「一つの中国」の原則に疑問を投げかけた(「一つの中国」とはつまり、台湾を正式な国家として認めないことを意味する)。
 中国政府は怒りのあまり、1995年に何が起きたかを、中国人民と米国に思い出させる挙に出る可能性がある。同年、ビル・クリントン米大統領(当時)は李登輝総統に米国への私的な訪問を許し、この原則に抗する姿勢を見せた。これを契機に、米中間の緊張が一気に高まった。
 こうしてみれば、中国が今、平潭島に大量の観光客を迎え、バスに満載の観光客を中国軍幹部が急襲訓練を見下ろしていた丘に運ぼうとしているのは、まさにタイムリーと言えるかもしれない。
 1995年の状況と比べれば、現在、両国関係はそれほど危うい状況にはない。この時、中国は擬製ミサイルを台湾近海に発射。対する米国は平潭島近くに空母打撃群2隊を派遣し、台湾を攻撃しないよう中国に警鐘を鳴らした。中国はトランプ氏の発言(と12月2日の蔡英文・台湾総統からトランプ氏への祝いの電話)に激怒しているものの、トランプ氏が2016年1月20日の大統領就任以降も「一つの中国」の原則を巡って挑発を続けない限り、報復行動に出る公算は小さい。
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