えごころ・まごころ

はじめの頃は、絵とかイラストが多かったけど、最近はデジカメで撮った写真が多くなってきたみたい。そんなブログです♪

屍鬼

2007-04-30 | 

小野不由美さんの「屍鬼」を読み終えました。
全5巻、面白かった!
仕事と家事の合間に時間を作って読み進めるので、一か月ほどかかりました。(笑)
読み終えたあとの、なんともいえない充実感。
考えさせられることの多い作品です。
最後のほうは一気に読まずにはいられない吸引力がありました。
強力な磁石のような。

本を開くたびに、そこに現れる村。
地形も、そこに住む人々も、閉塞的で魅力のない村。
だからこそ、そこに吸い寄せられた化け物の、生き延びようとする悲しさと哀れさが伝わってくる。
人間という生き物との接点で火花を散らしながら。やがて火花は、大火となって終焉を迎える。

こんなに長いのに一気に読みたくなる、というか、抜け出せない作品の魅力は、どこにあるんだろうって思うと、やっぱり登場人物の一人一人が、それぞれの人生を生々しく生きているという描写の素晴らしさなんじゃないかと思います。
だから、襲撃される側も、する側も奥行きがあって迫力があるんですね。怖い、けど切ない。

解説には、スチーブン・キングの「呪われた町」へのオマージュとして書かれたとありました。
現代に吸血鬼が現れたらどうなるかしら、という奥さんの一言から生まれたキングの2作目だそうです。
アメリカの片田舎に現れた吸血鬼によって、少しづつ村が崩壊していく様を描いた作品です。
日本に現れたらどうなるか、という視点で描かれたのが「屍鬼」なのかもしれません。
とにかく面白かったです。
こういう面白い本に出会うと、次は何を読もうかとワクワクします。

屍鬼〈1〉

新潮社

このアイテムの詳細を見る

呪われた町 (上)

集英社

このアイテムの詳細を見る










 


最新の画像もっと見る