真夜中のカップらーめん

作家・政治史研究家、瀧澤中の雑感、新刊情報など。

鳩山大臣、集めている蝶は、まさか殺したんじゃないですよね。

2009-03-03 23:52:54 | Weblog
「おいッ、あれはなんだ!」
高級車で乗り付けて、出てきたのは高そうな背広を着た、元・相撲取りみたいな男。
ニュースで見ていて、一瞬、ヤクザの組長が組事務所を包囲している機動隊でも怒鳴っているのか、と思ったら、怒鳴られた人は郵便屋さんを工事している一般人で、怒鳴ったのは現職の閣僚だった。

東京駅の真ん前、中央郵便局の建て替え工事への、「視察」という名の現職大臣イチャモン興業。

見ていてあることを思い出した。
総会屋だ。
ヤクザの組長風の鳩山大臣は、口を開けば「オレ(国)は株主だ!」と怒鳴る。
そのたびに、総会屋を思い出す。
なるほど、鳩山大臣の本当の目的は「本社の文化遺産化」ではなく、民間企業である郵政会社を脅し挙げて、民営化を邪魔することだから、まあずいぶん遠回りなことをするものだ。そんなに小泉純一郎が怖いのかネ。

民営化が間違っていたと思うのなら、はっきりそう言えばいいのに。
我が国の現職総理も現職総務大臣も、はっきり口にすると怖いもんだから、こんな搦手から攻撃をするんですな。
「アルカイダの友だちの友だち」にしては、やり方がセコイ。

「トキを焼鳥にして食べるようなものだ」
と、鳩山総務大臣は言う。
文化遺産っぽい建物を、原型をある程度残したまま有効利用することが、どうして天然記念物を焼鳥にすることとイコールなのだろう。

珍しい蝶を収集することで有名な鳩山大臣。
収集のための蝶々は、まさか、収集のために捕獲されたり、殺された蝶ではないでしょうな。
自然に死んだ蝶をたまたま拾ったり、拾った人から譲ってもらったのでしょうね。
虫ピンで蝶を刺している大臣は、刺すたびに心が痛むのでしょうなぁ。

冗談はさておき。
東京の超一等地に民間企業が土地を持っている。
まわりは高層ビルで、テナント料など含めて莫大な利益を挙げている。
郵政が民営だろうが公営だろうが、持っている土地を有効活用して利潤を上げれば、それだけ私たち郵便を利用する一般人にとっては、サービスを安く利用できることに直結する。

「何事も経済効率優先でいいのか!」、と鳩山氏は絶叫する。
いいわけがない。
しかし、今回のことは、論点がずれている。

(1)相手は純然たる民間企業である。国家が経営に介入するならば、それはイコール国営である。
(2)これまでも建て替えについて、総務省と協議し了解を得ている。
(3)建物は原型部分を残す建て替えで、同様の建築は他にも多数見られる。
(4)企業には、自分の資産を最大限活かし、生き残るための選択をする権利がある。

鳩山大臣はこれからも、いろいろ細かな事例でイチャモンをつけてくるのだろう。
「どうだ、オレを軽く見るとおそろしい目にあうぞ。テレビカメラの前で、怒鳴ったり泣いたりしてみせるぞ!さあ、どうする?」
怒鳴る前に、少しは品格を気にしては如何か。
泥酔大臣といい、天然記念物大臣といい、この内閣は、どうも変だ。

蛇足。
小沢一郎についても一言、と友人から言われたので。
別に驚くに値しない、今回の秘書の逮捕。
古い自民党そのものというのが小沢さんだから、不思議でもなんでもない。
マスコミはこのところ、民主党支持一色だったから、そういう報道が隠れてしまっていた。

マスコミは今日から、「自民党も民主党も信じられない、政治不信だ」、という論調展開だろうが、自民党にも民主党にも、テレビには出たがらないけれど、地道に困っている人のために働いている議員、結構いるんですよ。
鳩山大臣みたいに、工事現場で、弱い立場の人を怒鳴りつけたり、変な発言したりしないからマスコミは取り上げないけど。
みなさん、曇りの無い目で議員を、特に地味な議員を見て下さい。