真夜中のカップらーめん

作家・政治史研究家、瀧澤中の雑感、新刊情報など。

緊急対応と再建

2011-03-27 14:20:18 | Weblog
福島県のいわき市に、
患者の移送を行う医療支援に行かれた医師からの報告。

まず、福島に着いても、風評によっていわき市に向かうタクシーがない。
ようやく病院に着いても、患者の移送手段がない。

「いつ移動できるともわからず待つのはつらいものでした」
「なぜ、連絡が来ないかがわかれば、まだ対応のしようもあるのですが、
どういう手順、どういう手筈でということがよくわからないまま、
いまかいまかと連絡をまつという感じでした」

これまで自家発電で頑張ってきたけれども、水道も復旧しないためギブアップという中小の病院から、入院患者が続々いわき市内の基幹病院に搬送されている。

「同じような大変な状況で、自らも被災者でいながら、医療に奮闘されている方々がいて、一方なんとか力になりたいという全国の医療関係者がいて、でもその間を取り持つシステムが脆弱なため、有効に活用できない状況です」

この点はぜひ、政府の災害ボランティアを担当する対策本部などが中に入ってやってもらいたい。

「官のみでなく、民が統率のとれた組織を形成し、補強しないとこの状況を乗り切れないのではないかということです。支援したいという情報を垂れ流すだけでなく、マッチングやコーディネイトする部署が必要です」

いわき市に医療支援に向った医師は、課題としてこうした提案をしておられる。
ぜひ、政府も検討・実行してもらいたい。

また、病院再建について、
もし中小診療所などの再建をせずに基幹病院に患者を集中させると、外来の増大によって入院機能が大きく損なわれ、在宅医療や慢性の病気などに対応が難しくなる、という指摘がある。

震災被害地域の中には、すでに再建に向けてかなり動き始めたところがある。
被害が甚大で再建が遅れている地域と、そうでない地域を段階別に分けての対応が必要である。
再建の進み始めた地域では、
拙速な大病院集中再建ではなく、地域の中小病院再建に意を用いる必要があると考える。

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