＜ＪＸエネ＞室蘭製油所の石油精製停止へ
毎日新聞 11月2日(金)19時55分配信
石油元売り最大手のＪＸ日鉱日石エネルギーは２日、１４年３月末までに室蘭製油所（北海道室蘭市）の石油精製を停止すると正式発表した。石油需要の低迷に対応する。停止後は石油化学工場として活用し、物流拠点の機能も存続。従業員約２６０人のうち約２００人は新たな石化工場で雇用し、残る約６０人は社内で配置転換する。大手各社が過剰な精製能力の削減を加速しており、新たな業界再編につながる可能性もある。
ＪＸエネの室蘭製油所の精製能力はグループ全体の約１３％に相当する日量約１８万バレル。同日に東京都内で記者会見した内田幸雄副社長は「削減はこれで一区切りとしたい」と述べた。
石油連盟によると、エコカーの普及や自動車販売の減少などで、石油製品の国内需要は９９年度の２億４５９７万キロリットルをピークに減少傾向で、２０年度には１億３４００万キロリットルとほぼ半減の見通し。政府は各社の過剰設備を解消し競争力を高める目的で０９年に「エネルギー供給構造高度化法」を施行し、１４年３月末までに精製能力を削減するよう促している。
元売り大手では、昭和シェル石油が１１年９月に扇町工場（川崎市）を閉鎖。出光興産は１４年３月に徳山製油所（山口県周南市）を停止、コスモ石油も１３年７月に坂出製油所（香川県坂出市）を閉鎖すると発表した。今後は削減計画を未公表の東燃ゼネラル石油の動きが焦点となる。【和田憲二】
