goo blog サービス終了のお知らせ 

齢寿天任せ

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

PCM5102(DAC)にNJM2073(バッファアンプ)を接続するとスピーカーを鳴らせる

2025-03-14 14:20:08 | 電子工作
PCM5102はI2S接続のDACとしては定番で、モジュール基板が安価に購入できる。基板にはヘッドホン用のジャックもある。しかしながら、そのままスピーカーに接続するにはパワーが不足しているので、外部アンプの接続が必要である。
一方、NJM2073Dは小出力アンプ用のDIP8ピンのICで、単一電源かつ3.3Vの電圧で使えるので、ESP32S3などのMCUと組み合わせて使うのに都合が良い。
NJM2073Dのデータシートには使用例(回路図)が幾つか載っている。最初にブレッドボード上で評価したのは次の回路である。

この回路の増幅率は160倍もあり、PCM5102の出力をかなり絞らないと歪んでしまう(ボリュームが必要)。また、入力側のノイズを拾い易く、安定度に不安を感じた。
データシートには増幅率を下げる回路図も載っていて、これも試してみた。

Cxについて、幾つかの値を試してみたが、低音(カットオフ周波数)が影響を受けることが観察できた。あまり大きくするとスピーカーが振動してしまう。33μF位が良いようである。
この回路の評価結果(音量、音質、安定度)はまあまあであったが、部品の数が増えてしまうのは好ましくない。また、スピーカーのインピーダンス値(4Ω、8Ω等)による影響(音量、発振)が大きいようである。
他に、適当な回路はないかと検索してみたところ、増幅率が”1”の回路を見つけた。疑問を感じつつ、部品の数が極端に少ないことに(大きな)価値を感じ、評価してみた(左が増幅率低減の回路、右が増幅率が”1”の回路)。

意外にもこの回路では増幅率が”1”であるにもかかわらず、スピーカー接続時に(室内で聴くために)充分な音量が得られたのである。スピーカーのインピーダンス値による影響も少ない。
後で調べてみて、この回路が「ボルテージフォロア」と呼ばれる回路(負入力が帰還のみで、本来の入力に対してオープンになっている)に相当することが分かった。「ボルテージフォロア」のメリット(入出力を分離し、インピーダンスを変換する機能)が生かされているようである。増幅率が”1”でも、スピーカーを鳴らすための電力はNJM2073Dが供給してくれているようである。
「ボルテージフォロア」のデメリットである発振のし易さも、入力に並列にコンデンサ(1000pF)を挿入するだけで防げている。
元々目的はDSPラジオとインターネットラジオを統合(DSP&INETラジオ) することであり、両者の出力レベル差が悩みの種であったので、この回路を採用することにした。
決定したDSP&INETラジオの回路図を次に示す。PCM5102の出力側にNJM2073Dバッファアンプを追加している。なお、基板化を考慮して、既存部分を前回の回路図から、若干変更している。







最新の画像もっと見る

コメントを投稿