ロシア投資&ビジネス情報

日本の投資家よ、外国投資家に乗り遅れるな!人生とビジネスに役立つ本も紹介します!

■「AvtoVAZ」に強力な助っ人!!/月曜日のMICEX↓

2007-03-06 17:57:25 | Weblog
 

■今日のモスクワは 。気温は0度。暖かくなってきました 。

■さて、注目のロシア株式市場、MICEXのインデックスは、先週金曜比で3.29% の1,538.98でした。売買代金は、またも多目の約827億Rblで、26社が 、208社が となっています。

 上げ組代表:(終値 / 前日比/売買代金)
「AvtoVAZ-3」・・・2,230Rbl / 1.41% / 約2,841万Rbl
「ズベルバンク」・・・9万1,505Rbl / 0.28% / 約134億Rbl
「アエロフロート」・・・70.19Rbl / 0.27% / 約4,516万Rbl

 下げ組代表:
「モスエネルゴ」・・・5.65Rbl / 6.7% / 約2億Rbl
「スルグト」・・・28.148Rbl / 6.53% / 約34億Rbl
「タトネフチ」・・・103.85Rbl / 5.69% / 約5億Rbl
「UES」・・・28.54Rbl / 4.87% / 約206億Rbl
「ロスネフチ」・・・201.51Rbl / 4.75% / 約9億Rbl
「ガスプロム」・・・250Rbl / 4.18% / 約168億Rbl
「ガス・ネフチ」・・・101.15Rbl / 2.74% / 約5,659万Rbl
「ロステルAO」・・・205.4Rbl / 2.65% / 約4億Rbl
「ルコイル」・・・1999.99Rbl / 2.2% / 約82億Rbl
「ノル・ニッケル」・・・4,340Rbl / 2.03% / 約77億Rbl

■いやぁ~昨日のスタートは、休み明けにしては精神的に悪いほどの急降下  。それからお昼までは、まさにナイアガラの滝状態でしたっ 。その後横ばいになりますが、米国市場スタート後に、盛り返しています。下げ組の多くは、午前中は上記の数値よりも3~4%は落ちてましたっ 。

■やはり何といっても米国市場、そしてロンドン市場を含めた欧州市場の金曜日の結果が悪かったこと 、そしてアジア市場もほぼ3%台の下落だったこと 、それに加え原油先物市場の結果も悪かったこと が重なっての急降下だったようです。

■「RTS」は1,737.71と何とか1,700台をキープ。そして「MICEX」も1,538.98と1,500台をキープしてますが 、今日の結果次第で、この心理的なラインを突破する可能性も出てきましたね~ 。しかし逆に、このラインを超えないようにするテクニカルな動きも出てくるかもしれませんがっ 。

■アナリストはこうコメントしています:

 「上昇変動時に取引額が多いということは、明日(今日)の反発調整の継続を期待させるものである。それと同時に、我々は下落が止まるとも、今のところは言えない。現在の米国市場の伸びは、今までの急落への反発の枠内であり、より低い水準への移行も例外ではないだろう。従って、ロシア株に関して長期的投資を行うには、まだ時期尚早と見ている」。

■最近の暴落は、昨年の5月暴落を彷彿とさせますが、あの時も売買代金は急増し(一時700億Rblまで)、インデックスは1,500を切っています 。

■まぁ~この世界同時株安、その理由の推測は色々と報道されていますが、株・投資のエキスパートでさえ、この状況を見事に分析し言語化できる人は今のところいません  (こういったものは事後報告が相場ですしネ )。

■まさに今や金融界は、“世界は1つ屋根の下状態”。これは良くもあり、また悪くもある。それだけはハッキリ分かりますネ 。果たして大資本の仕込みは終わったのか  今のところ昨日の結果に反発し、大きく となっています 。

■さて、今日はロシア最大手の自動車会社「AvtoVAZ」社のお話しです 。

■改革が一向に進まない同社。しかし最近気になるのは、株価は不気味に上がってきているところです (気が付いたら2,000Rbl台に )。そして昨日も でした。今日お届けするニュースにその答えが隠れているようです。一体何が起きているのでしょうか さっそく記事にLet`s Go 

 昨晩(金曜)、「トロイカ・ディアログ」が「AvtoVAZ」の株式(国家保有分)を3,000万ドルで購入した。本紙情報によれば、この取引は工場を運営する「ロシア武器輸出公社」の関心のもと行われた。「武器輸出公社」の次の一歩は、「AvtoVAZ」の資産に関わる各機構の閉鎖である。

 昨晩、ロシア連邦資産基金は、「AvtoVAZ」社の国家保有株売却のオークションを実施した。オークションで勝ち残ったのは3,060万ドルで落札した金融コンサルティング会社(株)「トロイカ・ディアログ」だった。「AvtoVAZ」の「RTS」における国家保有株の時価総額は3,200万ドルだったので、「トロイカ・ディアログ」は割安で購入したことになる。

 このオークションの初値は、購入金額よりも僅かに低い値段だったが、「トロイカ」の他にオークションに参加したのは、(有)「Norma Invest Grand」(モスクワ市)の僅か1社のみだった。「トロイカ」はこの取引に関してコメントを差し控えた。

 「トロイカ」は以前、「AvtoVAZ」の議決株64.4%を所有する子会社機構「AVVA」と「AFK」の株式を購入すると伝えられた。この2社は、すでに1年以上「武器輸出公社」がコントロールしている。「トロイカ」は「武器輸出公社」の関心に基づき、これら2社の株を購入したのだ。

 「AvtoVAZ」グループのブラジーミル・アルチャコフ代表は、既に2006年の夏に議決株がその子会社機構に属するスキームは廃止されなければならない、と語っていた。「トロイカ」はこのプロセスにコンサルタントとして参加するのである。

 同工場の情報提供者によると、“交差する”株式所有を如何にして廃止するのか、それは最終的にまだ決定されていないそうだが、この過程は1年以上要するという。この期間は、「AvtoVAZ」の発展に強烈なブレーキをかけるかもしれない。

 以前同工場の社長は、資産の“交差機構”が、同社株の売却や融資の誘致に関して問題を起こすということを認めている。ちなみに、ロシア連邦産業庁の長官で同社の取締役ボリス・アレーシンは昨年の12月に、現在の製造の発展のために「AvtoVAZ」には“戦略的パートナー”が必要で、将来の投資家には同工場の議決株が売却されるかもしれない、と公言していた。

 その他、本紙の情報源によれば、「AvtoVAZ」と「Renault」の間で交渉中の技術提携は(この提携は主にエンジンに関するものである)、まさに「 「Renault」が工場の株式購入に関する問題を迫れば迫るほど」ブレーキがかかっているという。

 従って、「AvtoVAZ」は“交差所有”の問題を解決しない限り、新たなパートナーは現れないというリスクを負うことになるのだ。

■「トロイカ・ディアログ」社は、1991年1月に創設されたロシアで最も老舗の投資会社  で、2005年の売上げは740億ドル。「RTS」や「MICEX」における取引量のシェアは、「ADR」、「GDR」の扱いも含め14%以上(同社HPより) 。世界でも評価の高い、バリバリの投資コンサル会社です 。

■一方トリヤッチに本社を置く「AvtoVAZ」は、ロシアで最大手の乗用車製造メーカーで、「ジグリ 」(輸出向けはラーダ)という昔ながらのシンプルな自動車のラインナップや、世界初の大衆向け4X4「ニーバ」などの製造・販売を行っています。

■以前にもお伝えしましたが、この会社を根本的に改革しようとした社長さんはインタビュー放映後に射殺されてますし 、ソ連崩壊後も乗用車の製造台数ではロシアNo.1なのに、一向に本格的な設備投資を行わないですし(曰く、「資金不足のため」 )、どうも経営が不透明というか霧の中にある会社で、「闇の世界と繋がっているしょ  」、と思わせる会社でした。

■しかしプーチンさんの指令により、「AvtoVAZ」改革が実行中で、「対外貿易銀行」や「武器輸出公社」などのプーチンさんの息のかかった国営会社から経営陣が送り込まれています  (これをもって“独裁”と呼ばないでっ )。

■しかし残念ながら、一向に改革は進んでおらず 、外国メーカーのロシア現地生産に押されっぱなし、ということは以前お伝えしました 。「国が介入したのに、やっぱり現地のマフィアを押しのけるのは難しいのか 」、などと考えていましたが、今日の記事を読んで、何となく霧がはれたような気がします 。

■国の狙いは外資と結びつけることで同社の改革を行うこと。結びつけるとは、“提携”という意味で、売却ではありません 。産業復活を目指すロシアに、この自動車界のマンモス会社の売却は有得ないでしょう 。

■そのためには財務状況をスッキリさせ、経営水準も西側レベルに持っていく必要があります(=「トロイカ」の役目  )。そして重要なのは、ソ連時代から延々と続く土着(マフィア)のしがらみを取っ払う必要性ですが、それが子会社の株式の“交差保有システム”の解消  というわけです。

■準備が整ったところで、西側のパートナーと技術提携をし、ノウハウを吸収しつつ、独自の製造能力を高め、将来的には自立する 。とまぁ~こんなスキームがあるのでしょう 。

■「AvtoVAZ」はMICEXにも上場していますが、株式は目立たないところでジワジワと上がっています 。ただし、上述の内情があるため、まだまだ外資は少ない  。それは取引規模や、他の資源・電力・通信株とは違った動きを見せることからも一目瞭然ですネ(↑の昨日の結果がその良い例です )。

■「トロイカ・ディアログ」が本格的に参加してきたことは、「AvtoVAZ」にとって、これから大きなプラスになるでしょう (金融市場対策、財務健全化という意味で)。

■しかし記事にもあるように、スキームばかりに目を取られると、本業の製造面で更に外国メーカーに遅れを取り、シェアを奪われ、取り返しのつかない状況に陥る可能性も無いとは言えません 。

■改革には時間がかかるものです。ひょっとしてプーチンさんの任期中には終わらないかもしれません 。これは次の大統領の仕事になりそうです。はい 。

■ではでは 


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