モグリッチョのフィールドノート

八丈島の自然などを紹介しています。

トカゲ属の仲間

2019年08月18日 | その他の生物
学名: Plestiodon sp.
 
 
 体長:15~25cm 程です。八丈島では元々、オカダトカゲ(環境省レッド・データ・ブックの絶滅のおそれのある地域個体群に指定されている)しか生息していませんでしたが、ニホントカゲが九州から移入し繁殖しているようです。オカダトカゲはネズミ対策として人為的に移入されたイタチに捕食され生息数が激減していますが、ニホントカゲの移入によって生息域を追われ更なる減少が心配されています。私が幼かった頃はオカダトカゲを石垣でよく見かけましたが、現在では殆どその姿を見ることはありません。本来、生息域は草原や森林などですが天敵の捕食圧が高くなると、より身の安全を確保できる石垣に移動するそうです。その時点で既にかなりのイタチの捕食圧を受けていたという事だったのでしょうね。

 オカダトカゲ及びニホントカゲ共に昆虫やミミズなどを餌としており、畑で野菜に水撒きなどをしていると水に驚いて飛び出した昆虫を捕食しているところを時々見かけます。これ等の個体群は恐らく減少をしているオカダトカゲではなく、勢力を増しつつあるニホントカゲの可能性が高いのかも知れません。
 
 同定にはウロコの数や大きさを用いるようですが、それには例外があるそうです。結局はDNA。素人の外部形態だけでの同定はかなり困難のなので、当ブログでは種小名を特定せずに“sp.”としました。因みに属は両種共に同属のトカゲ属(Plestiodon)です。近種であるため、もしかすると既にハイブリッドが誕生している可能性もあるのではないでしょうか? 八丈島のオカダトカゲは絶滅してしまうが、この地で新たな種が誕生する。

 動植物移入の可能性があると知りながら黙認することも多々あるのでは?と思うのは私の思い過ごしかな。例えそれが意図的ではなくとも、そこには恣意的なものが見え隠れしているような気がします。また、繁殖することが分かっていながら飼いきれなくなったペット等を自然界に放してしまうことも。残念ながら、これは八丈島だけの問題ではなく全国的なもので、日本中の至るところで問題が表面化しています。
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