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モグリッチョのフィールドノート

八丈島の自然などを紹介しています。

ヒダウミウシ上科の仲間

2022年08月18日 | ウミウシ

学名:Fionoidea sp.

 

 

【背側突起拡大】

 

 体長:3mmの初めて確認するウミウシでした。体地色は透明感のある白色で、触角と口触手に黄褐色の色輪があり、背側突起にも先端部と基部に同色の斑紋が対になってあるようです。

 触角と口触手のカラーフォームがコマユミノウミウシのものに酷似しますが、背側突起が異なります。また、背側突起のカラーフォームはホノアカミノウミウシのものに似ますが、触角が異なります。ゴシキミノウミウシ属(Trinchesia)かユビワミノウミウシ属(Abronica)の仲間辺りではないかと思われますが、ガイドブックやネットで同一カラーフォームのものを確認できなかったため属や科すら特定できず、“ヒダウミウシ上科の仲間(Fionoidea sp.)”と同定しました。

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タマノミドリガイ

2022年07月17日 | ウミウシ

学名:Berthelinia limax

 

【側面】

 

【背面】

 

【軟体部を貝殻内に格納した個体の上に若齢個体】

 

 殻長:8mmほど。殻頂部に極小の渦巻状突起(巻貝の原殻/上段画像の水色矢印部)があり、同科(ユリヤガイ科)のユリヤガイと比較すると貝殻に厚みがなく薄いのが特徴です。また、頭楯目の巻貝を背負ったウミウシは軟体部を貝殻内に全て格納できないのものが多いのに対し、このウミウシは軟体部を全て貝殻内に格納して身を守ることができます(下段画像)。

 このウミウシは大きい個体の貝殻上に小さな個体を乗せているところを、しばしば確認することがあります(下段画像の赤矢印)。このようなことは同科のユリヤガイやゼブラユリヤガイでは確認できませんが、同じ上科(ナギサノツユ上科)であるヒメタマブドウギヌでも確認できます。

 イワヅタ類に着生し以前はイワヅタが繁茂する春から初夏にかけてワラワラと湧いて出てくるように沢山生息していましたが、近年は海水温上昇の影響か?そのイワヅタが激減し生息個体数も激減しています。人為起源の二酸化炭素排出で大量の二酸化炭素が海に吸収されて、海の酸性化が進んでいるそうです。貝殻を有する生物には、住み辛い環境となってしまっているのも激減の一要因だったりして…。

 1999年に発売された小野篤司さん著のウミウシガイドブックで、このウミウシを観て「二枚貝のウミウシがいるの!!」と衝撃を受けました。同ガイドブックは他にも不思議なウミウシが沢山掲載されており、私がウミウシにのめり込むきっかけにとなったガイドブックです。また、ウミウシ毎に生息環境も記載されていたので、八丈島でウミウシを探すのに参考にさせてもらいました。

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ヨツスジミノウミウシ科の仲間

2022年01月23日 | ウミウシ
学名: Facelinidae sp.
 
 
 
 
 体長:50mmの大きな個体でした。カラーフォームはオレンジ色と白色で彩られ、触角と口触手の先端は白色をしており、触角基部から口触手基部をつなぐ明瞭な白線も特徴的です。この特徴はトウリンミノウミウシ属(Godiva)やセトミノウミウシ属(Setoeolis)などでも見受けられるようです。背側突起は透明感のある淡いオレンジ色で紫色をした中腸線のようなものも確認でき、先端部は浅黄色をしています。また、触角には皺が寄ったような僅かな凹凸が多数確認できます。

 トウリンミノウミウシ属かセトミノウミウシ属と思われるのですが、属までは同定できなかったので、両属の共通の上位タクサである“ヨツスジミノウミウシ科の仲間(Facelinidae sp.)”としました。
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ヒョウモンミノウミウシ

2021年12月18日 | ウミウシ
学名: Aeolidida sp.
 
 
 
 体長:10mm程で体表に黒色の細かな点が密にあるのが特徴の地味なウミウシで、個体数が極端に少ないという訳ではないようで時々見かけます。

 ウミウシのガイドブックやサイトでは属名が区々であるため(何れも種小名はなくsp.となっているようです)、共通の上位タクサであるミノウミウシ小目(Aeolidida)の仲間としました。個人的には特徴的な触角などのフォームから、シャクジョウミノウミウシ属の仲間(Phidiana sp.)に同定したい誘惑にかられてしまいますが、残念ながら所詮は素人同定の悲しいところ、そのように同定したガイドブックやサイトは見当たりません。

 興味深いのはガイドブックやサイトでは、確認されたポイントが八丈島だけのようです。もし今後、八丈島以外の場所で確認されなければ、このウミウシは八丈島の固有種ということになるやも知れません。八丈島で独自に進化したのか、はたまた八丈島だけで生き残り他の地域のものは死滅してしまったのか、今後が楽しみなウミウシです。
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ゴシキミノウミウシ属の仲間

2021年11月19日 | ウミウシ
学名: Trinchesia sp.
 
 
【背側突起拡大】
 
【ガヤのような生物を摂餌している?】
 
 学名も和名もまだ無いようです。体長:8mm、独特のカラーフォームをしています。触覚と口触手は白とオレンジ、背側突起は基部から先端へかけて次のように変化していきます。パステルブルーをバックに白い泡粒が沸き立ち、パステルブルーの帯、白地にオレンジ色の斑点が目を引き、脳裏にくっりと焼きついて忘れることができなくなります。このようなパステルブルーが際立つカラーフォームのウミウシを、他には見かけないような気がします。ガヤのような生物に着生しているところを確認したこともあり、それを餌としている可能性もあります。

 これは私の個人的な見解ですが、数年に1回ほどしか見かけないので、八丈島では個体数がかなり少ないのではないかと思われます。
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リュウキュウカスミミノウミウシ

2020年10月02日 | ウミウシ
学名: Cerberilla affinis
 
 
 体長は30mm でした。日中は砂の中に潜り夜間に活発に活動することが多いようです。前足隅が大きく張り出しており口触手も細長く発達しています。口触手を真横に張り出し、辺りを探りながら意外と速いスピードで移動します。この移動する光景を何処かで見た記憶がある。…サソリモドキ。サソリモドキが移動する際、細長い第1脚で辺りを探りながら移動する光景にそっくりです。

 この個体は夜間ではなく早朝に確認したもので、“早起きは三文の徳”といったところでしょうか。
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ゴシキミノウミウシ属の仲間

2019年09月03日 | ウミウシ
学名: Trinchesia sp.
 
 
 体長:10㎜ 程で八丈島では時々見かけるウミウシです。カラー・フォームは卵の黄身の様な鮮やかな黄色(ひよこの様な黄色)地に、触覚・口触手の基部から中段付近と背側突起の先端部がオレンジ色、背側突起の中段付近が空色をしています。

 同属のフジエラミノウミウシやアオセンミノウミウシ等のカラー・フォームに似ますが、完全に一致するものが無かったため“ゴシキミノウミウシ属の仲間”としました。何れにしろ色鮮やかな美しいウミウシです。
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ノアルダガイ

2010年12月06日 | ウミウシ
学名: Noalda sp.
 
 
 
 本日、水温:21℃の八重根港で確認した体長:4mm の個体です。貝殻の殆んどは軟体部で覆われ小さな亀裂から若干見える程度、尾も二股に分かれているものの長くはありません。八丈島で時々見かける エンビノアルダガイとは別種と思われます。これで八丈島で確認できた Noalda 属は2種目、丹念に探せばまだまだ見つかるかもしれません。これからが楽しみです。
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エンビノアルダガイ

2010年08月02日 | ウミウシ
学名: Noalda sp.
 
 
 体長は7mm で、殻高は貝殻の前後に被膜を被っているためよくわかりませんが 2mm ほどではないでしょうか? 興味深いフォームをしたウミウシです。頭部には ウミコチョウ科の仲間 のような頭盾Lし、背中には オオシイノミガイ科の仲間 のように貝殻を背負っている。また、カノコキセワタ科の仲間 のような左右の長さの異なる二股に分かれている尾がある。

 このウミウシ、永い年月を経てどのように進化して行くのだろうか?? ウミコチョウ科の仲間やカノコキセワタ科の仲間も、このウミウシと似たような進化を遂げてきたのだろうか??? そんな悠久の時の流れに想いを馳せると、キョーミは尽きないのであります。
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キマダラウミコチョウ属の仲間

2010年05月01日 | ウミウシ
学名: Siphopteron spp.
 
【オレンジウミコチョウ】
 
【ダンボウミコチョウ】
 
【キマダラウミコチョウ】
 
【クロフチウミコチョウ】
 
【シラタマウミコチョウ】
 
 体長は5mm 前後と小さなウミウシたちです。八丈島の海では春から初夏にかけて、オレンジウミコチョウ、キイロウミコチョウ、キマダラウミコチョウ、クロフチウミコチョウ などのキマダラウミコチョウ属の仲間を多数確認することができるようになります。このウミウシたちは、不思議なことに決まって島の西側から先に姿を現わしはじめます。黒潮が島の西側に直接当たることがことが多いので、それに関係しているのでしょうか? 推測の域を出ないのでありますが、ひょっとすると八丈島で繁殖しているのではなく、遥か南方で生まれたベリジャー幼生などが、黒潮の潮流に乗って漂着し成長をはじめるのしょうか? ってことは“季節遊来種”??? 本当のところはどうなんでしょうね…。
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