父の脊索腫治療記~重粒子線治療、頚椎後方除圧固定術~転移

脊索腫で重粒子線治療を受けた父の記録です。
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18 先進医療について

2012年03月20日 13時46分46秒 | 重粒子線治療

重粒子線の治療は「先進医療」のため、健康保険が適用されない。
この「先進医療」について、
誤解されている人が多いようなので、補足したい。

保険会社のCMで「先進医療特約」と言う言葉を聞く。
この特約をつけた医療保険に加入していれば、
重粒子線の費用は保険が下りる。
もちろん、入院費等は健康保険の適用になるので、
高額医療費制度を利用できる。

厚労省の「先進医療の概要について」
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/sensiniryo/index.html

「先進医療」は
厚労省が認可した治療法である。
基本、全額自己負担(健康保険が適用されない、併用されるものもある)。
健康保険が適用される別の治療法も選択可能。
研究目的もあるため、疾患・病変の大きさ・進行度が限られる。
重粒子線や陽子線などは、
他の放射線治療を受けてしまうと治療できない場合がある。

つまり、
限られた患者だけが選択できる治療法の一つ。

重粒子線の治療でいえば、
正直言って、一人314万円では足りないと思う。
放射線医科学研究所という国の施設による恩恵と思っている。

「先進医療」は最後の望みではなく、
別の選択肢もあることを承知しておいて欲しい。

ただ、他の治療法と比べ、
生存率が、かなり高いのは、部位・進行度が限られているから。

父の脊索腫の場合は、
重粒子線治療だけで済んだので、身体への負担は、かなり軽かった。
外科(切除)手術は、高齢者には負担になったと思う。
精神的にも、これは大きかった。
(脊索腫に侵食された頚椎については、これから手術を受ける。)

患者と家族には、当初、冷静に判断することは難しく、
時間も追われる。
「なぞの腫瘍 脊索腫」というブログを読むと、かなりビビル。

ただ、
これだけが正しい選択であった訳ではなく、
症状・年齢・部位など、
患者によって、いろいろな点で考慮する必要がある。
医療コーディネーター等、専門家と総合的に相談できるといいと思うが、
それでも、一つの病院内で出来る事ではないので、
「橋渡し」は難しい。


話を戻す。

私流に言うならば、
健康保険適用の前歯は、
見た目も悪く、壊れやすい。。。4,500円。
健康保険適用外の自費治療の前歯は、
見た目にも美しいものを選択でき、壊れにくい。。。30万円。

自分の体験から、私的には、この違いだと思っている。
30万円かけて、人前で笑えるようになった。
美容整形の多くに健康保険が適用されないのと同じだと思う。

その人にとって高額でも、
必要な治療なら、受けるべきだ。

脊索腫の恐怖は、全くなくなった。

それは、とても大きなことだった。


(この時までは、のんきだった。)


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