父の脊索腫治療記~重粒子線治療、頚椎後方除圧固定術~転移

脊索腫で重粒子線治療を受けた父の記録です。
最初から読まれる方は、バックナンバー2011年11月からお読み下さい。

52 患者情報の捉え方

2013年06月11日 11時48分05秒 | 脊索腫掲載のサイトから
NHKおはよう日本「けさのクローズアップ」
2013年6月06日(木) がん情報 患者にどう提供するか
>日本人の2人に1人が経験する国民病“がん”。国が重点課題としている「がん登録」が、法制化に向けて動き始めています。「がん登録」は、がんの種類や治療方法、生存率など、国のがん対策にも欠かせないデータです。この「がん登録」で集めた情報を患者にも公表して欲しいと訴える声が高まっています。そうした中、先進的にデータを収集し、患者にも公開している病院があります。どうすれば情報を患者のために活用できるのか、その課題を探ります。
という内容でした。
現況では、
患者登録情報は、医師や研究者に提供されるのみとなっています。

患者登録を患者に公表してしまえば、
単純に病院のランキングをするようなもので、
ランキングが落ちる=患者減少などを懸念した病院の経営陣が、
重篤な患者の受入を拒否するような事態になる恐れもあります。

患者は、誰しも
治療実績の良い
最新設備の整った
優秀な医師
での診療を期待します。

患者にしてみれば、命がけの問題ですから、当たり前のことです。
懸念されることは、
患者情報登録の公表によって、
患者側に冷静な判断ができるか?という事です。

また、
患者が情報を得た所で、
病院側の受入は、個々の患者の希望に添ってくれるとは限りません。

例えば、
重粒子線や陽子線治療では、
部位や腫瘍の大きさで、治療に適合できるか判断されます。

患者が望んでも、適合しなければ治療を受ける事は出来ません。

これは、
重粒子線や陽子線の治療実績を上げることだけが目的とも思えません。
照射による患者への負担を配慮した結果と言えます。
放射線ですから、
その照射量は管理徹底されなければなりません。

迷っているうちに、
腫瘍が大きくなり、適合しなくなれば、
治療を受ける事は出来ません。

現状で治療実績がイイとはいえ、
全がん患者が、重粒子線・陽子線治療を受けられるほど、施設数は足りていません。

重粒子線や陽子線治療を医師から薦められる事は、
運の良い事のように思います。

翌日の「けさのクローズアップ」のテーマは、
『“がんサバイバー”が生きやすい社会に』でした。

重粒子線・陽子線治療だけの患者は、
治療後、そのまま職場復帰しています。
治癒したかどうかは分かりませんが、
他の治療法に比べて、身体負担がないため、
すぐに職場復帰できます。


以前、母が膵臓腫瘍を摘出しました。
これは、とても稀なケースでした。
都内の有名大学病院でも、膵臓の手術は年に1例程度。
母の手術をした地元病院では、
初めての膵臓手術でした。

病院側は、セカンドオピニオンを奨励したかったのか、
決まってから、手術まで2週間以上を要しました。

当時、私が調べた所、
膵臓腫瘍が悪性だった場合、手術しても余命は長くないと判断しました。
膵臓は検査しても解からないため、発見が遅れます。
長く、不調に苦しんでいましたので、
母の腫瘍の発見時には、直径6cmほどの大きさになっていました。
前年に父が胃がんの手術をし、
頼りとする私は、1歳児を抱えておりましたので、
母は、私に負担をかけることを懸念し、
地元病院での手術を希望しました。

幸いにも腫瘍は稀な良性で、
まん丸で、綺麗なピンク色でした。
一緒に、機能を果たさなくなった膵臓の1/2と脾臓を摘出しました。

あれから10年、母は元気にしております。


ランキング上位の病院にいけば助かるのか?
患者の症状は、それぞれ違います。

どの病院でどの治療法を選択すべきか?
それは、信頼する医師の判断に委ねていいのではないでしょうか?

信頼する医師は、
不安に思う事を無理強いはしません。
素人である患者より、
一番イイ治療法を薦めて下さるはずです

冷静に医師の判断を聞いて下さい。


このブログで、
散々情報が知りたいと言っておきながら、
矛盾しているようですが、

患者には、患者情報を冷静に判断して頂きたい。

種類、部位、大きさが違えば、
治療法も、治療を受ける病院も異なります。

そして、
信頼できる医師と一緒に闘って下さい。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿