飛び込み営業の日々2

2007-06-27 22:51:56 | アパート建築営業マン
毎朝、住宅地図を渡され「今日のエリアはここだ」と言われる。市街地もあるのだが、多くは農地が多い地区だ。これは都心から遠く離れた、この地域の特徴だ。

今日も夏の日差しの中、畑や草むらを抜けて飛び込み営業が続く。日差しは暑いのだが、雑木林を通ってくる風は涼しくて心地よい。日中はセミの声で騒々しい。都内にもこんな地域があったのかと驚く。

昼は、一度会社に帰ってくるのが原則になっている。午後はさっさと外に飛び出そうとしたら、ベテラン営業マンに止められた。「こんな夏の真っ昼間に訪問しても、地主は寝てるぞ。農家にとっては、お昼寝タイムなのだ」と言う。さすがに、もっともな意見だ。他社の営業マンたちも、みんな木陰に車を止めて、のんびり昼寝している。

夏の夕方は、ゴールデンタイムだ。昼寝から覚めた農家が、農作業や庭仕事をするため外に出てくる。日が暮れるのが遅いので、涼しく快適な夕方が長く続く。「この季節にせっせと営業して撒いたタネを、秋から冬にかけて刈り取るのがコツだ」と教えられた。

夕方、田舎の道を歩いていると、草むしりしているお婆さんを見かけた。向こうから話しかけてくる。当方がアパート建築営業マンだと告げると、驚いていた。第一印象では、銀行員だと思ったらしい。「アパートが古くて、空室に悩まされている」と言っていた。家の前には、広い空き地がある。ここは、見込み客にしておこう。

しかし、これほど営業マンと気安く話をする人というのは、「かえって商売になりにくい」というのが、営業の定石なのも確かである・・・。